盗難保険で一安心
早いうちなら、申し立てれば問題はありません。通常、クレジットカード等では最初に「盗難保険」に入ることになっています。カードを盗まれてしまい、不正に利用されていたとしても、警察に「盗難届け」が出されてあり、カード会社にも届け出ていれば、保険で補填つまりカバーされるのです。保険の規約にもよりますが、通常60~90日以内なら申し出れば調査してもらえます。T橋さんの場合は、会社の人など第三者が、T橋さんが一日会社にいたこと、部下が同行していたことなどで、いわばアリバイの証明ができましたので、その日に利用していないことがわかり、支払い義務はありませんでした。
では、もしアリバイの証明ができない場合は?
誰とも会っていないためアリバイが証明できない、ときなどは利用明細書に記載された「サイン=署名」の筆跡鑑定が行われることがあります。
それでも、もしよく似た筆跡で同一人物でないと断定されない場合は?
利用した店に防犯用の監視カメラがあればその記録を見ることもあります。
カードを利用したのが当人であるかないか、を調べるためにいろいろな手段があるようです。
なお、カード会社ではT橋さんのカードを即刻無効にして、T橋さんは番号の違う新しいカードを再発行してもらえました。
ところで、部下のY田さんはどうでしょうか? 銀行のキャッシュカードをスキミングされていたら? しかも暗証番号まで言わされています。実は銀行のキャッシュカードはクレジットカードよりも被害が増えている傾向にあります。銀行のキャッシュカードにはクレジットカードのように利用限度額などはありません。口座にある現金をそっくり全部引き出せるのです。
T橋さんがY田さんに尋ねると、
「暗証番号まで言わされてヤバイと思ったので、あの日の翌日に銀行に行って解約してきました」
とのことでした。(若いヤツはしっかりしているな)と感心したT橋さんでした。
カードを利用する際は、できるだけ目の前で処理手続きをやってもらうようにしましょう。一瞬でもカードから目を離さないように注意しましょう。
暗証番号は他人に知られないようしましょう。間違っても、忘れないし覚えやすいからと「誕生日」「住所」「電話番号」など、簡単に推測されるような番号は絶対に使わないようにしましょう。
カードの利用限度額を必要な使う範囲内に設定するようにしましょう。
怪しげな、不審な店等での利用は避けるようにしましょう。
なくしたり、盗難に遭うなどしたら、すぐにカード会社、銀行等に連絡して、警察にも紛失届、盗難届を出すようにしましょう。カード番号や連絡先などは、請求書を見ればどちらも記載されていますので、請求書は明細をいつもチェックして、一定期間は保存しておくようにしましょう。
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※2001年9月1日の防災の日に発生した、東京新宿歌舞伎町の44名が亡くなったビル火災で、死亡者の身元が判明するのに時間がかかったのは、身分証明につながるものが少なかったからだとも言われています。
ぼったくりを恐れて、運転免許証やカード類などを持たずに繁華街に出かける人も多いといいます。ぼったくり被害には遭わなくても命に関わるような事態になって身元が判らない、というのも困ります。いざというときは身元が判るように、何らかの工夫をしておくとよいでしょう。