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素材を公開する人も、利用する人も 自由利用マーク

自由利用マークとは、自分の著作物を他人に自由に使ってもらってよいと考える場合に、その意思を表示するためのマークです。文化庁によって策定されています。三種類のマークが用意されています。

執筆者:浅野 今日子

自由利用マーク

自由利用マークとは、著作物を創った人(著作者)が、自分の著作物を他人に自由に使ってもらってよいと考える場合に、その意思を表示するためのマークです。文化庁によって策定されています。著作物の利用を許可する対象別に、三種類のマークが用意されています。

「プリントアウト・コピー・無料配布」OKマーク

このマークがついた著作物は、加工なしでの「プリントアウト」「コピー」「無料配布」のみが許可されています。

文面の「無料配布可能」だけに焦点を当ててしまうと、「素材サイトでの二次配布もOK」という解釈をされてしまいそうですが、他者の著作物を自分の著作物であるかのように振舞う行為は明らかな著作権違反ですので、マークの使用以前の問題です。とはいえ、利用者側にもこのマークの正しい意図を理解していただくことは必須でしょう。(そのために、マークに文化庁のURLがそえられているわけなのですが)

「障害者のための非営利目的利用」OKマーク

障害者が使うことを目的とする場合に限り、コピー・送信・配布など、あらゆる非営利目的利用を認めるマークです。上記の「コピーOK」マークとは異なり、加工も認められています

「学校教育のための非営利目的利用」OKマーク

学校の様々な活動で使うことを目的とする場合に限りコピー・送信・配布など、あらゆる非営利目的利用を認めるマークです。 加工も認められます。

以上の、利用を許可する対象別に三種類のマークが用意されています。加工に関する条件が異なる事に注意が必要です。

なお、このマークで言っている「非営利利用」の定義としては、会社のパンフレットにコピーして配布することなどは営利目的の利用ですが、パンフレットそのものを無料配布するのであれば可能との事。ですから、アクセスするだけでは直接の金銭の授受の発生しないショッピングサイトや企業のサイトで使う事は問題がないという事になるでしょう。

自由利用マークを著作物に添えるという事

自分の著作物にマークを添えるにあたっては自己申告制で、文化庁に対して、登録の手続きが必要なわけではありません。ただし、事前に必ず文化庁のサイト「自由利用マークについて」を参照してください。勘違いしがちなところをピックアップしますと、

  • マークを使うことができるのは,著作者(著作物を創った人)のみ。
  • 二次著作物にはマークをつけることはできない。
  • 一度、マークをつけた作品に対して、意思表示を撤回することは困難であると認識すること。ただし期限を付けることは可能。
  • ホームページのような「編集物」の場合は,「全体」の著作者と個々の「部品」の著作者が異なる場合が多いので,マークは各「部品」ごとに付ける。
  • 動画や音楽作品に対してマークをつけることはできない(他人の権利が関係する場合が多い為)。

また、著作物を公開・配布する側が、いくらこのマークを使っても、利用者側がマークの意図を理解していないのでは話しになりません。ですから、文化庁の「自由利用マーク」のページの紹介をしておく必要があるのです。

このマークを添えることの意味を考えてみましょう。それは、単純に「この著作物は自由に活用できます」という意思表示のためだけではなく、この自由利用マークを見た人が「このマークはなんだろう」と考えて、「自由利用マークについて」を読んで、そして著作権を意識してもらう、というところにあるのではないでしょうか。

関連情報

自由利用マーク(文化庁)

著作権~新たな文化のパスワード~(文化庁)

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