コーヒーカップの写真はWebで使っても大丈夫?
例えば、ご自分のホームページやブログなどで「お気に入りのコーヒーカップ」を紹介したいと思った場合、デジカメで撮影したコーヒーカップの画像をWebに掲載できるのでしょうか? 著作権上問題はないのでしょうか?
著作物の定義は、著作権法により以下の様に定められています。
思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの |
つまり、「芸術的要素があるかどうか」ということが、著作権で守られるか否かの別れ目になります。
芸術的要素のないものなら、なんでもOK?
じゃあ、他者の作品であっても、芸術的要素のないモチーフならWebに掲載しても問題はないのでしょうか? 例えば、大量生産のきくシンプルな文房具や食器、電気製品などなど。
たしかに、著作権法の定義にのっとれば、これらのものには著作権は存在しませんから、撮影した写真の著作権は、写真を撮影した人が持つことになります。
ですが、作者の権利を守る法律は著作権法だけではありません。著作権法には違反しなくても、別の法律で違反しているということも十分考えられるのです。
実は、ガイド自身、この問題がずっと気になっていたのですが、いかんせん法律には全く知識がないため、はっきりした見解を出せずにおりました。そこで今回調べたところ、日用雑貨類を含めた工業製品のデザインを保護する法律のひとつとして「意匠法」が存在する事がわかりましたので、まずは、そちらの側からと考えてみた次第です。
意匠法とは?
意匠法とは、「意匠」を保護するための法律です。
■意匠:物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合。視覚を通じて美感を起こさせるもの。(意匠法 第二条) ■工業上利用することができる意匠の創作をした者は、次に掲げる意匠を除き、その意匠について意匠登録を受けることができる。(意匠法 第三条) |
つまり、意匠法は主として工業製品が対象の法律で、登録された意匠は法律的に保護されるわけです。ちょっとあたりを見回しただけでも、意匠登録で保護されている物がたくさんあることでしょう。
意匠法では大丈夫でした。
ただし、描かれているロゴやキャラクターには要注意。
たとえば、意匠登録されたコーヒーカップを写真に撮影して、Webに掲載したとします。
結論から言えば、意匠権は基本的に工業製品(立体物)を対象にした法律ですので、意匠登録されたコーヒーカップを写真にとってWebに掲載しても、それは「意匠権の侵害」にはあたらないということです。
ただし、コーヒーカップに描かれている模様が著作権や商標権(企業のロゴやキャラクターなど)で保護されるべきものであった場合は要注意です。このような画像を勝手に掲載すると、やはり著作権法違反・商標権の侵害になってしまいます。
写真は、あらゆるものが被写体になりえます。さまざまな角度から作品をチェックし、その上で「問題ない」と認識できるものだけを公開していただきたいと考えています。
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