老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、持病がある場合の老齢年金の繰り上げ受給について知りたい方からの質問です。専門家に質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
Q:持病があります。老齢年金を繰り上げ受給するときに注意することは?
「現在、持病があり、定期的に通院しています。生活費のことを考えて、65歳になる前に老齢年金を繰り上げ受給しようかと考えています。持病がある人が年金を繰り上げる場合、何か注意することはありますか?」(Oさん)

A:繰り上げ請求後は、事後重症による障害年金を請求できなくなるため、持病がある人は慎重に検討しましょう
老齢年金は原則として65歳から受け取りますが、希望すれば60歳から65歳になるまでの間に繰り上げて受け取ることができます。
ただし、一度繰り上げ請求をすると取り消すことはできず、繰り上げた月数に応じて減額された年金額を生涯受け取ることになります。
持病がある人が特に注意したいのが、障害年金への影響です。
老齢年金を繰り上げ請求した後に持病などが悪化し、障害等級に該当する状態になったとしても、「事後重症」による障害年金を請求することはできません。
事後重症による請求とは、障害認定日の時点では障害等級に該当する状態ではなかったものの、その後、症状が悪化して障害等級に該当するようになった場合に行う請求です。
例えば、現在は持病で通院しているものの、障害年金を受け取るほどの状態ではない人でも、将来症状が悪化する可能性があります。老齢年金を繰り上げ請求すると、その後に事後重症による障害年金を請求する選択肢がなくなる点には注意が必要です。
繰り上げ請求は取り消せず、年金の減額も生涯続く
老齢年金の繰り上げには、ほかにも注意点があります。
昭和37年(1962年)4月2日以後生まれの人の場合、繰り上げによる減額率は1カ月につき0.4%で、60歳から受け取ると最大24%の減額となります。この減額率は生涯変わりません。
また、繰り上げ請求をした後は取り消すことができず、国民年金に任意加入したり、保険料を追納したりすることもできなくなります。
ただし、老齢年金を繰り上げると、どのような場合でも障害年金を請求できなくなるわけではありません。例えば、繰り上げ請求前の障害認定日の時点ですでに障害等級に該当していた場合の「障害認定日による請求」などは、取り扱いが異なります。
持病や治療中の病気がある人は、早く老齢年金を受け取れることだけで繰り上げを決めず、障害年金への影響についても考えておきましょう。心配な場合は、繰り上げ請求をする前に年金事務所などで確認しておくとよいでしょう。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)






