老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、年金を受け取りながら働き続けた場合、将来の年金額がどれくらい増えるのか知りたい方からの質問です。専門家に質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
Q:現在、2カ月分で21万2337円の年金を受け取っています。働き続けると年金はいくら増えますか?
「1957年生まれです。老齢年金を受け取りながら、現在も会社で働き、厚生年金保険料を納めています。今年2月には2カ月分で21万2337円の年金を受け取りました。働けるうちは働きたいと思っていますが、このまま働き続けると年金はどのくらい増えるのでしょうか」(ミイちゃん)

A:今後どれくらい年金が増えるかは、これからの給与額や厚生年金の加入期間によって決まります
現在受け取っている年金額だけでは、今後どれくらい年金が増えるかを計算することはできません。
65歳以降に厚生年金へ加入して働いた場合、将来増える老齢厚生年金は、これからの給与(標準報酬月額や標準賞与額)と厚生年金の加入期間によって決まります。
目安となる計算式は、次のとおりです。なお、ここでいう「平均標準報酬額」とは、おおまかにいうと毎月の給与や賞与を基に算出される、年金額を計算するための金額です。
1年間で増える老齢厚生年金の目安
平均標準報酬額×5.481/1000×12カ月
例えば、平均標準報酬額が30万円で1年間厚生年金に加入した場合は、
30万円×5.481/1000×12カ月≒年額1万9732円
となり、老齢厚生年金は年間約1万9732円(月額約1644円)増える目安となります。
一方で、「働き続けると年金が減ってしまうのでは」と心配する方もいらっしゃるかもしれません。
60歳以降に老齢厚生年金を受け取りながら厚生年金に加入して働く場合は、「在職老齢年金」の対象となります。2026年(令和8年)4月からは、支給停止となる基準額が月額65万円へ引き上げられました。
在職老齢年金で支給停止の対象となるのは老齢厚生年金であり、老齢基礎年金は対象ではありません。また、支給停止になるかどうかは、給与(総報酬月額相当額)と老齢厚生年金の基本月額の合計によって判定されます。そのため、現在受け取っている年金総額だけで「給与がいくらまでなら支給停止にならない」と判断することはできません。
なお、65歳以降も厚生年金に加入して働き続けると、「在職定時改定」という仕組みにより、毎年10月に前年9月から当年8月までに納めた厚生年金保険料が年金額に反映されます。
ミイちゃんさんのように、働ける間は厚生年金に加入して働き続けることで、毎年少しずつ老齢厚生年金を増やしていくことができます。将来の年金額をより正確に知りたい場合は、現在の標準報酬月額や賞与額をもとに年金事務所へ相談すると、ご自身の状況に合わせた試算を受けることができます。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)






