離婚

熟年離婚の経験者が口をそろえる「もっと早く気付けばよかった」3つの後悔【夫婦問題のプロが解説】

「気付けば関係が冷えていた」「何を話せばよいのか……」熟年離婚を経験した夫婦の多くが口にする後悔から学ぶ、今からでも始められる夫婦関係の立て直し方を紹介します。※画像:Shutterstock.com

岡野 あつこ

岡野 あつこ

離婚 ガイド

夫婦問題を解決に導くライフアップカウンセラーのパイオニア。特に離婚問題においては28年間で35,000件以上の相談を手がけ、どうしたら幸せになれるか親身にアドバイス。的確で歯切れのよいコメントは、テレビ番組・ラジオ・講演などでも、多くの人の共感を得ている。元祖・離婚カウンセラー養成講座を開講中。

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離婚経験者の後悔には共通点があります ※画像:Shutterstock.com

「嫌いになったわけじゃない。でも、今さらもう戻れない」。熟年離婚を考える夫婦の多くが、そんな言葉を口にします。ケンカこそ起こらないものの、決定的な裏切りがあったわけでもないのに、2人の関係が冷えていく夫婦は少なくありません。

やがて熟年離婚に至った夫婦に共通しているのは、最後に必ずといっていいほど「もっと早く気付けばよかった……」と後悔することです。

今回は、熟年離婚を経験した夫婦の「後悔」に学ぶ、今からでも間に合う夫婦関係の整え方をご紹介します。

<目次>

事例1.「我慢し過ぎた」

夫婦関係が冷えていく原因の多くは、「我慢の積み重ね」です。

以前と比べ、「家事を手伝うことがなくなった」「話をちゃんと聞いてくれなくなった」「夫婦や家族の大切な日に関心がなくなった」といった、一見、小さなことのように思える違和感が増えると、我慢を強いられることになります。

そんなふうに我慢をしているにもかかわらず、長年相手への不満を飲み込み続けた結果、ある時「もう無理!」と感じる瞬間が訪れ、熟年離婚の危機を迎えるケースもあります。

■いつも「私が我慢すればいい」と思っていたAさん(50代)の場合

「夫は昔から仕事ひと筋で、家庭のことはほとんど私にまかせているタイプでした。はじめは『こういう性格だから仕方ない』と諦めていたけれど、子育ての相談すらできないワンオペの状態が続くなか、次第に孤独を感じるようになっていきました。

それでも、『今さら言っても変わらないだろうし……』と何も言わずにここまできましたが、子育てが一段落した今、『私は、この人と何十年も心を通わせることがなかったんだな』と気付きました。今は離婚の準備をはじめたところです」

Aさんが長年抱えてきた「私が我慢すればいい」という考えは、決して美徳ではありません。さぞや苦しかったことと思います。家事や育児など、改善の余地がある点(不満)は、その場で小さく解決していくことが大事。我慢の積み重ねは、やがて大爆発を招き、夫婦関係を崩壊させる危険性もあるからです。

事例2.「話し合いを避けてきた」

「どうせ話しても分かってくれないから」という言葉は、離婚相談でとてもよく聞くフレーズの1つです。こちらが考えたり感じたりしていることを伝えようとしても、相手が聞く耳を持ってくれないと、話し合いにならないのも事実です。

とはいえ、諦めてしまって、話し合うことを避けた結果、取り返しがつかないほど心の距離を生んでしまうケースもあります。

■気付けば「業務連絡のみ」の夫婦になっていたBさん(40代)の場合

「『ご飯、どうする?』『子どもの塾のお迎え、代わってもらえる?』などと、会話はあるけれど、気持ちのやりとりはゼロ。昔は、その日にあったことをはじめ、たくさんおしゃべりをしていたのに、いつの間にか何を話せばいいか分からない夫婦関係になってしまっていました。

今は夫の気持ちが分からないことも多く、『どうせ話しても分かってもらえないだろうな』という思いの方が大きくなりました。子育てのことや将来のことといった、大事な話をする必要があるのは分かっているけれど、互いに面倒なことは避けたいタイプなので先送りにしています。このまま、子どもが巣立って夫婦2人になった時、会話ができるように戻るとも思えず、夫婦でいることに疑問を持ちはじめています」

Bさんのように、業務連絡しか会話がない夫婦は意外と多いもの。子育て中の場合は、子どもに関するやりとりだけでも、なんとなく夫婦の会話をしている気になるものです。

ただ、「親として」ではなく「夫や妻として」の会話がなくなるのは危険なサインです。おしゃべりをしない夫婦は、ケンカこそ起こらないものの、夫婦関係が冷え込んでいっていることにも気付きにくいのです。話し合いとは、相手を言い負かすことでもなければ、こちらの意見を主張することでもありません。互いの理解を深めるためのコミュニケーションです。

今からでも遅くないので、「あの時、こう思ったんだよね」「こんなふうに感じているよ」と自分自身の気持ちを伝えることからはじめましょう。

事例3.「距離感を間違えた」

結婚生活が長くなるにつれ、大事にすべきはパートナーとの「距離の取り方」です。

無理して近づき過ぎても摩擦が生まれ、傷つくからと離れ過ぎても心まで遠ざかってしまいます。近過ぎても遠過ぎても、夫婦関係は苦しくなるものなのです。

■互いに完全に無関心になってしまったCさん(50代)の場合

「結婚して約20年、子育てに一段落ついた今、熟年離婚を考えています。夫とは、必要最低限の会話しかなく、お料理をつくっても『おいしい』も『ごちそうさま』もありません。夫に何かを期待するのはやめました。

私の方から話しかけるのもむなしくなって、ここ数年は私自身も『行ってきます』『ただいま』というあいさつすら口にするのをやめました。ずっと前から『もうどうでもいい』と思ってはいたけれど、心のどこかで『どうしてこんなに夫を遠く感じるのだろう』と残念な気持ちもあります」

Cさんのケースは重症といえますが、今すぐ改善できることもあります。それは、「急に仲良しになろうとしなくていいから、まずは敵対しない距離/まずは対立しない距離を探すこと」です。例えば「あいさつだけはする」「相手の話を否定しない、さえぎらない」「同じ空間にいる時間を今より少しだけ増やす」というように、近づき過ぎず、離れ過ぎない“ちょうどいい距離”を見つけるようにします。そこが、この先も夫婦関係が苦しくならずに済む距離感です。

「もっと早く気付けばよかった」は熟年離婚の危機を救うヒント

熟年離婚を考える人たちの「もっと早く気付けばよかった」という言葉は、後悔であると同時に、これからの人生のヒントにもなるものです。「我慢し過ぎない」「話し合いをあきらめない」「ちょうどいい距離を探す」はこの先も波風立てずに夫婦生活を続けるコツでもあります。

熟年離婚の危機は、特別なことではありません。多くの夫婦が通る道です。だからこそ、迷ったときのタイミングが大事です。これからの人生をパートナーとどんな関係で過ごしたいのか。その答えを叶えるために、今日からできる小さな一歩を大切にしましょう。

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