離婚

夫の浮気で絶望している妻たちへ。4万件の離婚相談から導いた「心を立て直す」3つの処方箋

夫の浮気で心が傷ついた時、決断を急いではいけません。まずは自分の心の回復を最優先するためにやるべきことを、事例とあわせて夫婦問題の専門家がアドバイスします。※画像:Shutterstock.com

岡野 あつこ

岡野 あつこ

離婚 ガイド

夫婦問題を解決に導くライフアップカウンセラーのパイオニア。特に離婚問題においては28年間で35,000件以上の相談を手がけ、どうしたら幸せになれるか親身にアドバイス。的確で歯切れのよいコメントは、テレビ番組・ラジオ・講演などでも、多くの人の共感を得ている。元祖・離婚カウンセラー養成講座を開講中。

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夫の浮気に際して、感情的に「決断」するのは危険かもしれません ※画像:Shutterstock.com

夫の浮気に際して、感情的に「決断」するのは危険かもしれません ※画像:Shutterstock.com

「夫の浮気が発覚した瞬間、世界が音を立てて崩れ落ちたように感じた」という妻からの相談を受けることは珍しくありません。大げさではなく、浮気をされた妻たちの心は深く傷ついているもの。浮気の痛みは、当事者にしか分からないほど過酷です。

とはいえ、夫の浮気は人生の終わりではありません。嘆き悲しむのは最後の最後でいいのです。今、最優先すべきは自分の心を立て直すこと。

夫婦問題の相談現場で、延べ4万件以上の経験を通して得た専門家の視点で「これは本当に心の回復につながった」と感じる3つの方法をご紹介します。
<目次>

1. 感情が落ち着くまで「決断を先送り」にする

浮気が発覚した直後は、誰でも心が大きく揺れ動くものです。怒りや悲しみ、不安や恐怖が一気に押し寄せ、「今すぐ答えを出さなければ」と自分を追い込んでしまう人が少なくありません。

ただ、そんなふうに壊れた心のままで大事な決断をするのはおすすめできません。「離婚しよう」でも「許そう」でも、じっくり考えずに決めたことは後悔することにつながるからです。例えば、こんなケースもあります。

【事例1】離婚届をすぐに用意してしまったAさん(48歳)
夫の浮気発覚の翌日、Aさんは役所に行き、離婚届をもらってきました。「これ以上、惨めになりたくない」という一心だったといいます。

ところが、数週間たって感情が少し落ち着いた時、「私は本当は、ちゃんと向き合ってから決めたかったのかもしれないな……」と自分の本音に気づいたのです。幸い、夫の署名などはもらっていたものの、提出せずに保管していたとのこと。

気持ちが落ち着いてきた今、Aさんは「あの時、勢いで離婚届を役所に提出しなくてよかった。もう少し時間をかけて、この先のことを考えてみよう」と夫婦で話し合いをしているところです。

Aさんのケースのように、「すぐに決めない」と決めて、決断を先送りにするのは「逃げ」ではありません。白紙の時間を自分に与えるのは大事なことだからです。自分の生活と心を整えることに集中した結果、「どちらを選んでも後悔しない」と思える地点に、自分でたどり着くことができるのが理想です。

気持ちが追いつかなくならないためにも、自分の感情を無視しないこと。決断は、急がず、慌てず、慎重にしましょう。

2. 浮気は“事故”ととらえ「自分を責めない」

浮気された多くの妻が、まず自分を責めるものです。「私がもっと優しくしていれば……」「女として終わっていたのかもしれない……」というように。

ところが、自己否定こそが心の回復をもっとも遠ざけるのも事実。夫の浮気は事故だととらえてください。あなたの価値とは、何の関係もないのです。

【事例2】10キロ痩せてしまったBさん(52歳)
Bさんは夫の浮気発覚後、ほとんど食事が喉を通らなくなったといいます。鏡を見るたびに「私に魅力がなかったから」と自分を責め続けていたのです。

相談に来たBさんに、私はこう言いました。「交通事故に遭った友達に対し、Bさんは『あなたが悪かったのよ』と言いますか?」と。

Bさんは、ハッとしていました。「夫の浮気は自分のせいだ」と決めつけていたことに、はじめて気づいたのです。そこからBさんは、気持ちを切り替え、少しずつ食事も睡眠も取り戻していきました。

Bさんのようなケースで私がおすすめしているのは、次の2つです。
  • 自分を責める言葉が浮かんだら「これは事故だったんだ」と自分に言い聞かせる
  • 眠れない夜、食べられない時は「今はまだ回復途中だから」と自分に許可を出す
こんなふうに、小さな切り替えを続けることが重要です。自分を責めないことは、甘えではありません。心を回復させるための、もっとも現実的な選択です。

3. 話を聞いてくれる人をつくる

浮気をされた妻が抱える最大の苦しみは、「誰にも本音を言えない孤独」です。友達には心配されたくない、家族には知られたくない、夫に言えば夫婦関係が悪化しそう……こんなふうに自分の感情の出口を失うと、やがて私たちの心は内側から崩れていくものです。

【事例3】誰にも言えず、笑顔で過ごしていたCさん(45歳)
夫の浮気が発覚しても、職場ではいつも通り、明るく振る舞っていたCさん。とはいえ、帰宅すると、涙が止まらず、毎日のように夜中に一人で泣いていました。そこで、「解決してくれなくてもいい。『分かるよ』と話を聞いてくれる人を1人見つけましょう」とお伝えしました。

その後、Cさんは、昔から信頼していた友人に、勇気を出して打ち明けたのでした。「友人から返ってきたのはアドバイスではなく、『それはつらかったね』というひと言でした。これを聞いた瞬間、すっと肩の力が抜けて楽になりました」。

Cさんのように、傷ついた心を回復させるのに必要なのは、正解ではありません。傷ついた心に寄り添って、話を聞いてくれる相手なのです。

まずは自分の心を立て直すことが最優先

夫の浮気は、人生を根こそぎ揺さぶる出来事であることは確かです。裏切られた痛みと同時に「自分という存在が否定されたような感覚」に襲われる人も少なくありません。

ただ、繰り返しになりますが、まずは自分の心を立て直すことが最優先です。浮気の事実は消えませんが、その事実に人生を支配される必要はないのです。

「決断を急がない」「自分を責めない」「1人にならない」という3つを守れば、心は必ず回復の方向へ向かいます。

そして、心の痛みから本当にあなたを救うのは、夫でも他人でもなく、あなた自身が取り戻す「自分軸」です。自分の人生を中心に戻し、いつか、「私は、あのつらい出来事を自分自身で乗り越えることができた」と胸を張れる日を目指して前を向きましょう。
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