低金利時代の元本保証商品、どうする?(画像:PIXTA)
日本の金利が上昇する局面は、長年続いた超低金利・ゼロ金利環境からの大きな転換点で、株式、債券、為替などの金融市場のみならず、利用者や保有者の資産行動そのものに構造的な変化をもたらします。日本銀行はデフレからインフレへの移行を背景に金融政策の正常化を進めており、金利上昇は一時的な現象ではなく、経済全体における価値評価の物差しが変わることを意味します。
元本保証の定期預金はどうする?
まずは元本保証の定期預金です。金利上昇は元本保証商品全体の魅力を相対的に高める効果があります。これまで定期預金は安全性が高い一方で、ほとんど増えない資産と認識されがちでしたが、金利が上昇することで安全性と一定の利回りを両立できる商品として再評価されます。ただ、既に預け入れている定期預金の金利は変わらないため、満期到来後の預け替えや、預入期間の見直しが重要となります。その結果、長期間の固定を避け、短期の定期預金を回しながら金利動向を見極める動きが広がると考えられます。
以下のことを考える必要があります。
・昔組んだ定期預金の見直しを検討
・満期前に預け替えし、期間を「短期間」に替えることも検討
保有している債券はどうする?
次は債券です。金利が上昇すると既に発行されている債券、いわゆる既発債券の価値(価格)は下落します。これは、新たに発行される債券の利回りが高くなることで、低金利時代に発行された債券の魅力が相対的に低下するためです。その結果、途中売却を前提とする投資家や、時価評価を行う金融機関、債券型投資信託などでは評価損が発生しやすくなります。一方、国債などを満期まで保有する場合には、額面通りに償還されるため、価格変動はあくまで途中経過の評価にとどまり、実質的な元本割れが生じるわけではありません。特に利用者が注意すべき点として、過去に購入した固定利付国債や、固定金利型の定期預金は、金利が上昇しても契約時に定められた金利条件が満期まで適用され、途中で有利な条件に変更されることはありません。
つまり、昔組んだ低金利の定期預金や国債は、そのまま低い金利で固定され続けるため、金利上昇局面では相対的に機会損失を感じやすくなります。一方、個人向け国債の変動10年などの変動金利型商品については、市場金利の動向に応じて利率が見直されるため、金利上昇の恩恵を段階的に受けることができます。このため、利用者の資金行動としては、固定型商品から変動型商品へ、あるいは長期商品から短期商品へと関心が移りやすくなります。
以下のことを考える必要があります。
・既に購入した債券はそのまま満期まで保有
・今後新しく債券を購入するときは「変動型」「短期間」の国債も検討
利用者にとっては、リスクを抑えながらも一定の利回りを確保できる選択肢が再び現れる一方で、資産配分や商品選択の巧拙が、これまで以上に資産形成の成果を左右する局面に入ったと言えるでしょう。ご自身のライフスタイルに合った金融商品を選べるチャンスが到来しました。ぜひ、前向きに金利上昇と向き合ってはいかがでしょうか。







