資産運用

金(ゴールド)が史上最高値でも、やっぱり「株」がいい!個人投資家が考える資産の守り方

「金(ゴールド)が史上最高値!」「インフレ対策に金を!」最近はこういうニュースも目立っていて、早く買った方がいいのかな?と悩んでいる人も多いかもしれません。そもそもインフレ対策って、本当に金がいいのでしょうか? ※サムネイル画像:PIXTA

中原 良太

中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープラン ガイド

個人投資家・トレーダー。いちおう準富裕層。主に株式投資とマネー(お金)について発信します。IQ上位2%のMENSA会員。18歳で株を始め、25歳でYahoo!株価予想達人で「ベストパフォーマー賞」を受賞。モットーは「地道にコツコツ」。メルマガ『株式予報』を毎日発行。年間300万通以上を配信。ルービックキューブ大好き。

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スーパーへ行くと、なんでもかんでも値上がりしていますね。物価が上がっているので「金利のつかない預金よりも、貴金属を買っておいた方が安心」という話をよく見聞きするようになりました。

「金(ゴールド)が史上最高値!」「インフレ対策に金を!」

最近はこういうニュースも目立っていて、「早く買った方がいいのかな?」と悩んでいませんか? 筆者の元にも「金(ゴールド)を買っておいた方がいいのでしょうか?」という質問が届きます。

大事な財産のことですから、慌てて決めてしまうのは危険です。そもそもインフレ対策って、本当に金(ゴールド)がいいのでしょうか?
<目次>

なぜ、インフレが怖いのか?

まず、インフレが怖い理由を整理しましょう。

例えば、銀行に100万円を預けていて、金利が0.1%だとします。1年後、預金は利息がついて100万1000円になります。でも同時に物価が3%上がったらどうでしょう。100万円で買えたモノを買うのに、1年後は103万円が必要になります。

つまり、100万円の預金は利息によって数字上で増えても、買えるモノが減るわけです。

だから「金利がほとんどつかない預金は危ない」「現金のまま持っていたらマズい」という危機感は間違っていません。

これは、銀行預金に限った話ではありません。物価が上がっているということは、僕らが普段使っている貨幣の価値が少しずつ薄れているということです。

だから、「頑張って働いて、お金を貯めていれば、将来は安泰だ」という、これまでの考えは、正しくなくなってきているのです。

将来に備えてお金を貯めるのはいいことですし否定はしません。問題は、その「貯め方」が今までのような「現金や預金でいいのか?」ということです。

筆者は、「現金や預金を貯めるのか」「貴金属を保有するか」「株や不動産として蓄えていくのか?」というように、今後はどうやって資産を備えるかが重要になってくると考えています。

インフレに備える2つの方法

ここで、インフレに備える方法を整理してみましょう。

インフレに備える方法はいくつかあります。

●現物資産を持つ
1つ目が、ゴールドやシルバーのような現物資産を持つ方法です。「物価が上がるんだったらモノを買って蓄えよう」というシンプルな考え方ですね。

僕らが使っている日本円やアメリカドルなどの「通貨」は、政治的・経済的な理由でどんどん増刷されてきました。通貨が新たに刷られれば刷られるほど希少価値は落ちます。だから、過去200年ほど、貨幣の価値はずっと右肩下がりに落ち込んできました。

経済学者のジェレミー・シーゲル教授が調べたところによれば、純金の価格は、物価とほとんど連動していることが分かっています。通貨と違って貴金属の埋蔵量には限りがあります。紙幣のように自由に印刷もできないので、それだけ希少で価値が薄れにくいのです。

200年程度の超長期のデータから見ると純金のリターンは物価の上昇ペースを少し上回るくらいです。浮き沈みはあるため目先の価格がどうなるかは分かりませんが、物価上昇に備えることができそうです。

●株や不動産を持つ
2つ目が、インフレに合わせて稼ぎが増える株や不動産を持つことです。「物価が上がるんだったらモノを売っている会社のオーナーになるか、モノを貸し出して賃料を受け取る立場になろう」という考え方ですね。

経験上、ゴールドやシルバーなどの貴金属は確かにインフレ時に値上がりする傾向はありますが、貴金属そのものは何も価値を生み出しません。

一方で物価が上がれば、企業は商品を値上げして利益を維持できますし、大家さんは家賃を上げられます。だから株価も不動産価格も、「モノを売ったり貸したりしている」性質上、インフレに連動して配当や家賃という収入も増えていくと期待できます。

貴金属など現物資産を買う場合も、株や不動産を買う場合も、どちらも、値上がりするかどうかは「誰かがもっと高く買ってくれるか」次第です。だから、どれを買っても絶対に損をしない保証はありません。

とはいえ、一過性の値動きを無視して過去の長期データを大まかに見ると、株式投資のリターンは「10年で2倍(年率7%)」くらい、不動産投資の利回りは株式投資の7掛けくらいで、年率5%くらいのイメージです。

経験上、ゴールドのリターンは年2~3%なので、貴金属を単に保有するよりも株や不動産を買う方が高いリターンになるだろうと筆者は認識しています。​​​

ゴールドを保有する際に知っておきたいポイント

なお、実際にインフレ対策としてゴールドに投資する場合、どのような形で保有するかによってリスクやコストが異なります。

・現物
手数料や保管コストについては、金庫など用意する必要があったり、購入時手数料がかかったりするため初期コストが高くつく認識です。ただ、証券口座によっては初期手数料だけで保管コストは今のところ無料というところもあります。

・上場投資信託(ETF)
初期コストは抑えられ手軽ですが、長く持つとなると年0.5%くらいの維持手数料がかかります。インフレへの備えとして金を保有するとなると、物価上昇率が年2~3%としても、ETFで手数料(年0.5%程度)を取られるのは負担がけっこう重たいです。

・関連株
例えば、金鉱株だと「営業レバレッジ」というのがかかり、値動きが激しくハイリスクになります。金そのものを買うのと違って配当収入がある魅力がある一方、業績が低迷すると「安全資産の代わりにならない」場合もあるので注意が必要ですね。

筆者は「ゴールドの魅力は価値の保存にある」「株式の魅力は価値の創造にある」と考えていて、価値を保存するだけの金は物足りず、価値を創造できる株式投資にほとんど全財産を当てています。

安全に備えてゴールドを買うとしたら、備えたいタイミングで一時的にETFで保有する形になるかと思います。

筆者のポートフォリオ

参考までに、わが家のポートフォリオは以下のようになっています。

【筆者のプロフィール】
年齢:35歳
家族構成:既婚、5歳の子どもが1人
職業:個人投資家、自営業  

【筆者のポートフォリオ】
1~2年以内に使う予定の生活費・教育費:銀行預金
当面、使う予定のないお金:日本株ETF、日本株、米国株など  

筆者は目先1~2年分の生活費だけを銀行預金に預けていて、それ以外の資産はほとんど全てを株式で運用しています。

NISAなどで株式ETF(例:オルカン)などに投資すれば、企業が値上げして利益を守ることができるでしょう。

「こうすりゃ間違いない!」という鉄板のポートフォリオがあればよかったのですが、残念ながら、万人にぴったりのポートフォリオはありません。

家族構成も違えば、ライフプランも違えば、性格も違えば、職業も違う。そうなると、妥当なポートフォリオは皆バラバラだからです。

株はハイリスクで心配という方は、もう少しリスクがマイルドなREIT(不動産投資信託)を買うというのも一手です。あるいは、景気が悪くなって株や不動産が暴落しないか心配であれば、保険で少しだけゴールドや純金ETFなどに投資してもいいかもしれません。

全員に言えることとしては、「財産をどのような形で蓄えていくか?」を真剣に考えることが、これまで以上に大事になってくるということです。

物価が上がる原因は、お金がどんどん刷られ、お金の希少価値が下がるからでもあります。価値が下がる現金を大事に蓄えるよりも、これから価値が高まっていきそうなものが何かを考え、蓄えていきたいですね。

参考
  • Stocks for the Long Run : The Definitive Guide to Financial Market Returns and Long-Term Investment Strategies
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