「もう無理かもしれない。でも、このまま離婚していいのかな」
相談者の多くは、こんなふうに揺れるもの。子どものこと、お金のこと、世間体のこと、そして何よりパートナーとこれまで積み重ねてきた時間のこと……全てのモヤモヤが絡まるからこそ離婚は簡単に決断できるものではありません。
離婚は終わりではなく、新しい人生のスタート。だからこそ、後悔しない決断が何より大切です。今回は、離婚か修復か迷ったときに試したい、自分を守りながら「幸せな未来をつかむための5つの行動」を紹介します。
<目次>
1. パートナーの気持ちを責めずに確かめる
「もう無理かも」「こんな関係に疲れたな」と思ったときでも、相手の気持ちを知らないまま離婚を決めるのは早計です。かといって、ストレートに「離婚したい」と切り出すのは逆効果。相手が防衛反応を起こし、財産を隠したり、先に弁護士へ相談に行ってしまったりするケースもあるからです。
大切なのは、前向きなスタンスで気持ちを探ること。「この関係をどう思っているか教えてほしいな。私は改善したいと思ってるんだけど……」と、あくまで修復を前提とした聞き方で正直にたずねてみましょう。
ポイントは、相手を責める口調にならないこと。「何を考えているのよ!」「どうなっているの?」というような高圧的な言い方ではなく、相手に最後のチャンスを与えるような気持ちで、前向きに本音を引き出すことが大切です。食事の後や車の中など、自然に会話が流れる時間を選ぶと、相手も心を開きやすくなります。
2. 半年から1年の「様子見の時間」をつくる
離婚は勢いでするものではなく、丁寧な準備が必要な人生の大仕事です。もしも「別れるしかないかな」と思っても、まずは半年から1年は様子見の時間をつくることをおすすめします。
その時間は「我慢」ではなく「検証」の時間。「相手の態度はどう変わるか」「自分の気持ちは本当に冷め切っているのか」「自分にできる努力は残っていないか」を毎日検証していきます。
この期間に、2人の間でトラブルが生じたとしても「最後に後悔しない選択ができればいい」という軸さえ持っていれば大丈夫。一時の感情に流されることなく、時間をかけて考えることで最終的に後悔しない決断ができるようになります。決して焦らずに、時間を味方につけましょう。
3. 相手の「小さな努力」を見逃さない
夫婦関係が悪くなればなるほど、相手の欠点ばかりを見てしまうもの。一方で、夫婦関係を修復できた夫婦の共通点は「小さな光」を見逃さなかった人たちです。
例えば、「いつもより早く帰ってきた」「いつもはしない洗い物をしてくれた」「珍しく子どもと遊んでくれた」というような日常生活の中に起こった小さな変化。たとえそれが本来なら当たり前のことでも、感謝を言葉にすることで相手の心は確実に動きはじめます。
今までできなかったことをやってくれた。そんな相手の小さな努力を見逃さず、「ありがとう」と言葉にすることで夫婦関係は救われることも多いのです。夫婦関係の修復をするということは、ドラマチックな変化が起こるのを待つのではなく、日常の微細な優しさを拾い上げることでもあるのです。
4.「理想のパートナー」を演じ切る
多くの人が勘違いしているのは、「相手のために頑張ることが修復だ」と思ってしまうこと。実際は真逆です。相手のためではなく、自分のために頑張ることが修復の一歩です。
「明るくあいさつをする」「料理に少し工夫をする」「外見を整える」「感情的にならず、穏やかに接する」といったことを、「理想のパートナー」を演じるつもりでやり切ってみましょう。そうした努力は、結果がどうであれ、必ず次の自分の人生の財産になるからです。
やるだけやった人だけが、後悔のない離婚も修復後の幸せも手にできるものなのです。
5.「究極のシミュレーション」をする
最後に試してほしいのが、「もしも今のパートナーが突然いなくなったら?」という想像です。その時に「胸が締めつけられるほど悲しい」と思うのか、あるいは「正直、少しほっとする」と感じるのか。この究極の問いが、あなたの本音をあぶりだします。
もしも心が締めつけられるほど悲しいなら、もちろん夫婦関係の修復の余地はたくさんあります。反対に、ほっとするなら心の中ではもう離婚がはじまっているといっていいでしょう。
損得や世間体、相手への怒りの感情を一度脇に置いて、自分の本心に耳を澄ませてみてください。案外、自分自身の気持ちがもう決まっているはずです。
諦める前に、まずは関係修復にチャレンジ
離婚か修復かを迷っているとき、私たちはどうしても感情に揺さぶられてしまうもの。しかし、離婚は避けられるのであれば、それに越したことはありません。諦める前に関係を修復しようと挑戦した人だけが、後悔のない離婚もよりよい夫婦関係も手にできるのです。
自分自身が納得して決めた未来こそ、最高の人生のスタートになります。離婚も修復も、どちらが正解ということはありません。大切なのは、どちらを選んでも、胸を張って歩ける自分でいられるかどうかです。







