年金・老後のお金クリニック

60歳で定年退職後、週3日勤務の嘱託社員として働く予定です。年金は減ってしまいますか?

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、年金受給しながら再雇用で働きたい人からの質問です。専門家に質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。※サムネイル画像:PIXTA

All About 編集部

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、年金受給しながら再雇用で働きたい人からの質問です。専門家に質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

Q:60歳で定年退職後、週3日勤務の嘱託社員として再雇用で働く予定です。働きながら年金を受け取ると、どのくらいの月収で年金は減ってしまいますか?

「60歳で定年退職した後、同じ会社で週3日の嘱託社員として再雇用で働く予定です。老齢厚生年金を受け取りながら働く場合、どのくらい収入があると年金が減るのでしょうか?」(サトーさん・60歳男性)
老齢厚生年金がカットされてしまう月収とは?(画像:PIXTA)

老齢厚生年金がカットされてしまう月収とは?(画像:PIXTA)

A:厚生年金に加入して働く場合、基本月額+総報酬月額相当額が51万円(令和7年度)を超えると年金が一部停止されます

60歳以降も厚生年金に加入して働くと、次の条件を超えた場合に年金の一部または全額が支給停止となります。これを在職老齢年金制度といいます。

基本月額(老齢厚生年金の報酬比例部分の年金額÷12)+総報酬月額相当額(目安として給与+直近1年の賞与÷12)→この合計が51万円※(2025年度)を超えると支給停止の対象

※法改正により、2026度には基準額が62万円に引き上げられる予定です。

51万円を超えた場合に受け取れる老齢厚生年金額は、次の式で計算されます。
→基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-51万円)÷2

在職老齢年金の調整は、毎月の給与に「年間賞与の12分の1」を加えた総報酬月額相当額で判定します。賞与が出た月だけ一時的に大きく減額されるのではなく、年間を通じた月平均の報酬で判断される仕組みです。

在職老齢年金の対象となるのは老齢厚生年金のみで、老齢基礎年金は減額されません。

質問者サトーさんは、週3日勤務とのことですが……
  • 週20時間以上の勤務
  • 2カ月以上雇用される見込み
  • 月額賃金8万8000円以上(今後は要件が撤廃される予定)
  • 従業員51人以上の企業(こちらも将来的に要件が撤廃される予定)
などを満たすと、嘱託社員でも社会保険(健康保険・厚生年金)に加入することになります。

もし社会保険に加入しない働き方(短時間のパートなど)であれば、在職老齢年金制度の対象外となり、働いても老齢厚生年金はカットされません。

月収を抑えて年金を全額受け取るのか収入を優先し、多少カットされても働くのか健康状態や働きやすさをどう考えるか60代の働き方はケースバイケースです。

年金の支給額と収入のバランスを見ながら、自分に合う働き方を選びましょう。

※専門家に取り上げてほしい質問がある人はこちらから応募するか、コメント欄への書き込みをお願いします。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
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