Q:高校卒業後すぐに社会人となり厚生年金に加入。22歳のとき1カ月だけ空白期間があります。国民年金を後から払ったほうがいいでしょうか?
「高校卒業後、すぐに社会人となり厚生年金に加入しました。働きながら通信大学で教員免許を取得し、卒業後に教員(地方公務員)になりました。今年の3月で37年間の勤務を終え退職。現在はアルバイト(厚生年金未加入)をしています。22歳のときに1カ月だけ年金の空白があります。国民年金だけでも、あとから支払ったほうがいいでしょうか?」(たーちゃん)
教員として長年働いてきました(画像:PIXTA)
A:老齢年金を10年以上受け取る見込みなら、1カ月分の国民年金保険料を納めることで将来の年金額が増えます
たーちゃんさんの場合、厚生年金に加入していた会社員時代と、共済年金(公務員としての期間)37年を合わせると、すでに老齢年金の受給資格期間(通算10年以上)は十分に満たしています。したがって「1カ月の空白」によって受給資格が失われる心配はありません。ただし、22歳のときに未加入だった1カ月分の国民年金保険料を納めることで、老齢基礎年金(国民年金部分)の受給額を少し増やせます。
老齢基礎年金は、40年間(480カ月)の加入で満額となります。未納が1カ月あると、その分だけ減額されます。
令和7年度の老齢基礎年金の満額は年額83万1700円。
未納が1カ月あると……
83万1700円×(479/480)=82万9967円
となり、約1730円/年、少なくなります。
令和7年度の国民年金保険料は月額1万7510円です。したがって、10年以上年金を受け取れば元が取れる計算になります。
60歳を過ぎている場合でも、65歳未満であれば「任意加入制度」を使って空白期間を埋められます。ただし、すでに厚生年金に加入している人は利用できません。
また、60歳以降に厚生年金に加入している場合は、国民年金部分は直接増えませんが、その分が経過的加算として老齢厚生年金に上乗せされる仕組みがあります。
手続き方法については、年金事務所に確認してから進めるのがおすすめです。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)






