そこで今回は、不正商品の排除活動を行う一般社団法人 日本流通自主管理協会(以下、AACD)と楽天ラクマに、模造品のトレンドや買ってしまった際の対処法を伺いました。
模造品のトレンドはどう変化している? 現在の“3つのトレンド”
AACDは主にファッションブランドを中心に、不正商品の排除に取り組む民間団体です。彼らは事業者の自発的な不正商品対策をサポートするだけでなく、公式Webサイトでは悪質な販売サイトの情報も公開しています。AACDは1998年4月に設立され、元々は並行輸入市場での偽造品や不正商品の流通阻止を目的としていました。現在は並行輸入品だけでなく、リユース品やオンライン取引、フリマアプリなど幅広い分野で不正商品の流通防止に努めています。AACDが発足した当時も模造品はありましたが、当時は実店舗での販売が中心で、流通範囲は今よりも限定的でした。しかし、現在は販売チャネルが増え、流通経路の多様化によって模造品対策が難しくなっています。その結果、模造品のトレンドも時代と共に変化し、最近は次の3つが注目されています。
1:精巧な模造品の増加
模造品を作る際に使われる工作機械などの技術が向上し、昔に比べて精巧なものが簡単に作れるようになっています。「スーパーコピー」と呼ばれる偽物もあり、本物と区別がつかない商品も登場しています。
2:新ブランド・ニッチ商品の模造品
以前は、有名な高級ブランドの模造品が主流でしたが、最近は新しい流行ブランドや複数ブランドのコラボレーション商品など、より希少性の高いアイテムにも模造品が登場しています。これらは人気と希少性から価格が高騰しやすいことが理由です。
3:販売チャネルの多様化
SNSや匿名性の高いネットコミュニティー、ECサイトをはじめ、模造品が流通する場は年々増えています。そのため、以前よりも手軽に模造品を売買できるケースが多くなっています。
もしフリマアプリで模造品を買ってしまった場合、どうすればいい?
フリマアプリでも模造品が出品されることがあります。万が一、模造品ではないかと疑う商品を購入してしまった場合、楽天ラクマの場合はどうすればいいのでしょうか。◾️ラクマ最強鑑定を利用した場合
楽天ラクマには「ラクマ最強鑑定」という鑑定サービスがあります。無料で利用できる「お届け前鑑定」では、提携しているKOMEHYOが鑑定をしてから商品を発送します。また、「後から鑑定」という仕組みもあり、商品受け取り後に購入者自身がKOMEHYOに商品を送り鑑定を依頼できます(送料は購入者負担です)。
もし鑑定で「基準内」(KOMEHYOの判定基準を満たしている)と認められれば、そのまま購入できますが、「基準外」とされた場合はラクマカスタマーサポートが取引をキャンセルします。購入者には代金が返金され、商品はKOMEHYOから出品者へ返送されます。
◾️ラクマ最強鑑定を利用していない場合
もし鑑定サービスを利用していない場合は、商品が届いたら受け取り評価をする前に、必ず自分でしっかりと確認しましょう。少しでも怪しいと感じたら、取引ページの「トラブルを報告する」ボタンやマイページの「ヘルプ・その他」から問い合わせてください。ラクマカスタマーサポートが状況確認の上、解決までしっかりサポートしてくれます。
また、受け取り評価後に模造品だと気付いた場合は、まずは楽天ラクマに相談しましょう。しかし受け取り評価は「問題がない旨の確認」の意味がありますので、問い合わせをしても必ず返金されるとは限りません。
こうした受け取り評価の仕組みは他のフリマアプリでも導入されています。重要なのは、受け取ってすぐ評価をして取引を終わらせるのではなく、商品をしっかりチェックすることです。出品者としてはすぐにでも取引を終えて入金を受けたいと考えますが、購入者は商品に不審な点がないかネットなどで確認してから評価しても遅くはありません。
お店で模造品を買ってしまったら?
もし実店舗などで模造品を買ってしまった場合は、まず購入したお店に連絡しましょう。返金などの対応をしてもらえない場合は、国民生活センターに相談するか、場合によっては警察にも届け出ましょう。また、購入時には鑑定士が在籍しているお店やAACDに加盟している店舗を選ぶことで、模造品を買うリスクを下げることができます。
模造品は安くて手に入れやすいけれど…
ブランド品は、模造品の流通が増えると、そのブランドそのものの価値が下がってしまいます。せっかく正規品を持っていても「もしかして偽物?」と疑われるリスクも出てきます。ブランド品を選ぶ理由にはデザインや品質へのこだわりだけでなく、「手に入れたときの特別な満足感」もあるはずです。本物を手にしてこそ味わえる“本当の満足感”を得るためには、どこで、どのように商品を購入するのかが大切だと言えそうです。








