年金・老後のお金クリニック

もし現役時代、年収700万~800万円で働いていたら、月20万円の年金を受け取ることは現実的なの?

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、将来、年金を月20万円もらいたい場合の現役時代の収入についてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。※サムネイル画像:PIXTA

All About 編集部

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、将来、年金を月20万円もらいたい場合の現役時代の収入についてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

Q:現役時代、年収700万~800万円で働いていたら、月20万円の年金を受け取ることは現実的でしょうか?

「もし私が現役時代、ずっと年収700万~800万円で働いていたら、月20万円の年金を受け取ることは現実的でしょうか?」(誠一さん)
月20万円の年金がもらえる現役時代の年収とは?(画像:PIXTA)

月20万円の年金がもらえる現役時代の年収とは?(画像:PIXTA)

A:月20万円の年金を受け取るための目安は年収約679万6000円(月額約56万6000円)です。年収700万~800万円で働いていれば、月20万円の年金を受け取れる可能性が高いでしょう

会社員が受け取る年金は、老齢基礎年金に老齢厚生年金が上乗せされる形で支給されます。老齢基礎年金は、未納や免除がない場合、2025年度(令和7年度)で月額6万9308円(満額)です。

老齢厚生年金は、現役時代の収入(標準報酬月額)と加入期間によって次の計算式で求められます。

平均標準報酬額×5.769/1000×加入月数(※平成15年4月以降の新計算式)
※従前額保障での計算方法。スライド率等については省略。乗率は昭和21年4月2日生まれ以降の人の新乗率を使用

誠一さんが仮に20歳から国民年金に加入し、その後22歳から60歳までの38年間(456カ月)、年収を一定として厚生年金に加入し続けた場合、老齢基礎年金(月6万9308円)に加えて、老齢厚生年金で月13万692円を受け取ると、合計20万円になります。

そのために必要な標準報酬月額を逆算すると次のとおりです。
156万8304円÷(5.769/1000×480)=約56万6355円

これを年収に換算すると、
56万6355円×12カ月≒679万6260円

つまり、生涯平均年収が約680万円あれば、月20万円の年金を受け取れる計算です。

誠一さんの年収が700万~800万円であれば、この条件を十分に満たしており、将来的に月20万円前後の年金を受け取れる可能性が高いといえます。

ただし、今後の勤務状況や健康状態、企業の経営環境などによって年収が変動する可能性もあります。

そのため、「将来も安定してこの金額を維持できるか」は別の問題です。年収が高くても、老後の生活の質は支出管理と資産形成によって大きく左右されます。

無理のない範囲で、以下のような備えをしておくと安心です。
  • iDeCo(イデコ)やNISAを活用して老後資金を積み立てる
  • 退職金や企業年金を把握しておく
  • 将来の支出を見直し、生活費を管理する
これらを組み合わせることで、インフレなどにも対応でき、より安心な老後を迎えられるでしょう。

※本試算は2025年度(令和7年度)の制度をもとにした概算です。将来の制度改正や物価変動により実際の年金額は変わる可能性があります。
※経過的加算は考慮していません。
※年収・年金額はいずれも額面(税・社会保険料控除前)で計算しています。

※専門家に取り上げてほしい質問がある人はこちらから応募するか、コメント欄への書き込みをお願いします。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
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