年金・老後のお金クリニック

38歳の会社員です。将来、月19万円の年金を受け取るには、いまの年収400万円程度で足りる?

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、将来、年金を月19万円もらいたい人からの質問です。専門家に質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。※サムネイル画像:PIXTA

All About 編集部

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、将来、年金を月19万円もらいたい人からの質問です。専門家に質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

Q:38歳の会社員です。将来、月19万円の年金を受け取るには、いまの年収400万円程度で足りるでしょうか?

「私は38歳の会社員です。将来、月19万円の年金を受け取るには、いまの年収400万円程度で足りるでしょうか?」(恵理さん)
月19万円の年金を受け取るためには年収400万円で足りる?(画像:PIXTA)

月19万円の年金を受け取るためには年収400万円で足りる?(画像:PIXTA)

A:将来、月19万円の年金を受け取るための目安となる年収は約660万6600円(月額55万550円)です。いまの年収400万円では、約260万円不足します

会社員が受け取る年金は、老齢基礎年金に老齢厚生年金が上乗せされたものです。

老齢基礎年金は、未納や免除がなければ2025年度(令和7年度)の満額で月額6万9308円。残りを老齢厚生年金で補う形になります。

老齢厚生年金は、収入(標準報酬月額)と加入期間によって次のように計算されます。

平均標準報酬額×5.769/1000×加入月数(※平成15年4月以降の計算式)
※従前額保障での計算方法。スライド率等については省略。乗率は昭和21年4月2日生まれ以降の人の新乗率を使用

恵理さんが20歳から国民年金に加入し、その後22歳から60歳までの38年間(456カ月)厚生年金に加入し続けた場合、老齢基礎年金(月6万9308円)に加えて、老齢厚生年金で月12万692円を受け取ると、合計で希望の月19万円になります。

そのために必要な標準報酬月額を逆算すると……

●計算式
平均標準報酬額×5.769/1000×456カ月(加入期間)=144万8304円(年間の老齢厚生年金受給額)
平均標準報酬額=144万8304円/(5.769/1000×456カ月)≒55万550円(年収換算:約660万6600円)

つまり、生涯平均で年収660万円程度が必要となります。これが「月19万円の年金」を実現できるおおよその収入水準です。

現在の年収が400万円(標準報酬月額:約33万3000円)の場合、同じ年収で38年間働いたとすると、老齢厚生年金額は次のとおりになります。

33万3000円×5.769/1000×456カ月≒年額87万6000円(=月約7万3000円)

老齢基礎年金(月6万9308円)と合わせると、合計で月約14万2300円が見込まれ、希望額19万円には約4万8000円の差が生じます。

年収を大幅に上げることは簡単ではありませんが、老後に備える方法は他にもあります。例えば、iDeCo(イデコ)やNISAなどによる資産形成、退職金制度の活用、支出のダウンサイジングなども検討に値します。公的年金だけに頼らず、将来の生活を見据えた資産形成を考えておくことが大切です。

※本計算は2025年度(令和7年度)の年金制度をもとにした概算です。将来の制度改正や物価変動により、実際の年金額は変わる可能性があります。
※経過的加算は考慮していません。
※年金額と給与額はいずれも額面(税・社会保険料控除前)での試算です。

※専門家に取り上げてほしい質問がある人はこちらから応募するか、コメント欄への書き込みをお願いします。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
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