Q:65歳から年金だけで暮らす予定です。貯金を取り崩しながら生活する場合、所得税はかかりますか?
今回はAll About編集部が設定したケーススタディーに対して回答いただきます。
「65歳・一人暮らし。65歳から年金だけで暮らす予定です。貯金を取り崩しながら生活する場合、所得税はかかりますか? 収入が少ないと免除されることもありますか?」

老後年金だけで暮らす場合に所得税はかかる?(画像:PIXTA)
A:年金収入が年間205万円を超えると所得税を支払う必要があります
年金収入は雑所得として所得税の対象となります。年金の所得額を計算するときには、公的年金等控除額(65歳未満60万円、65歳以上110万円)を差し引いて計算することになります。老齢年金の雑所得は次のように計算されます。
老齢年金の雑所得=老齢年金収入−(公的年金控除110万円+基礎控除95万円)
この金額が0円以下であれば課税されず、所得税を支払う必要はありません。逆に、年金収入が205万円を超えると、所得税の対象となります。
なお、令和7年度の税制改正により、所得税や控除額の見直しが行われました。2025年12月以降に支払われる年金については、改正後の基礎控除額をもとに1年間の税額を再計算し、改正前の控除額に基づいて源泉徴収された税額との精算が行われます。その結果、課税の判定ラインが「年金収入205万円前後」となる見込みです。
一方、貯金を取り崩して生活する場合は、もともと課税済みの資金を使う行為のため、所得税はかかりません。課税対象となるのは、新たに得た収入(年金や給与など)です。
詳細な課税額や控除の適用状況は個人によって異なりますので、最寄りの税務署で確認してみましょう。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)