シニアになると不安に感じることは?
ゆうちょ銀行は、全国に約2万4000の店舗と約3万1200台のATMを設置しており、都市部だけでなく地方でも使いやすい金融機関です。2024年3月末時点で、通常貯金の口座数は約1億2000万口座。日本の人口とほぼ同じ数で、ほとんどの人が利用しているといえるでしょう。
その利便性の高さから、シニア世代も「やっぱりゆうちょが一番安心」と感じる方が多いのではないでしょうか。しかし、年を重ねるとこんな場面で困ることが増えてきます。
・足腰が弱くなり、銀行へ行くのが大変になる
・キャッシュレスやアプリの操作が不安で使いこなせない
・暗証番号をうっかり忘れてしまう
・急な入院や事故で、家族がお金を引き出せない
「外出も大変」「スマホ操作も不安」「いざというときどうしよう……」そんな悩みを抱える方に役立つのが、ゆうちょ銀行の「代理人カード」という仕組みです。
ゆうちょ銀行の「代理人カード」とは?
「代理人カード」は、口座名義人(本人)の代わりに、家族などが預金の出し入れをできるキャッシュカードです。ゆうちょ銀行では、高齢の親を支援するだけでなく、夫婦間の利用や、親が子どもへ仕送りをする場合などにも使われています。ゆうちょ銀行の代理人カードは、ICチップ付きの安全設計。偽造されにくく、安心して利用できます。
●発行手数料は無料、1口座につき1枚だけ
代理人カードの発行手数料は無料です。ただし、紛失や破損で再発行が必要になったときは1100円(税込)がかかります。
また、1つの口座につき発行できる代理人カードは1枚のみで、複数の家族で共用することはできませんので注意しましょう。
●代理人カードでできること
代理人カードでは、以下のような取引が可能です。
・ゆうちょATMで現金の入金や引き出し
・口座の残高確認
・ゆうちょ銀行間での送金
・他の金融機関への振り込み
例えば、親が入院したときに医療費を支払う場合など、本人が外出できないときでも家族が代わりに必要な手続きができるので安心です。
●作成には「本人の判断力」が必要
代理人カードを申し込めるのは、口座名義人本人だけです。そのため、認知症などで判断能力が低下してしまうと、手続きができません。元気なうちに早めに手続きをしておくことが大切です。
ゆうちょ銀行で代理人カードを作るには?
代理人カードを作るときは、最寄りのゆうちょ銀行の窓口で手続きします。口座名義人本人と代理人になる方が一緒にゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口で申請するのが基本です。必要書類を事前に準備して窓口で手続きを行うと、通常は約2週間でカードが郵送されます。手続きに必要なものは以下の通りです。
【代理人カードの作成に必要なもの】
・ゆうちょ銀行の通帳
・届出印
・本人確認書類(運転免許証・健康保険証・マイナンバーカードなど)
参照:ゆうちょ銀行「本人確認書類一覧」
銀行スタッフと直接やりとりしながら進めるため、不明点があればその場で確認できて安心です。
まとめ
年を重ねると、銀行への外出や手続きがだんだん負担になってきます。そんな高齢の親をサポートするのに頼りになるのが、ゆうちょ銀行の「代理人カード」です。ただ代理人カードは一般的な制度ではないため、ゆうちょ銀行の公式Webサイトには詳しい案内が掲載されていません。もし、もっと詳しく知りたい場合は、ゆうちょコールセンターに問い合わせると丁寧に教えてもらえます。
【ゆうちょコールセンター】
・電話番号:0120-108-420(通話料無料)
・受付時間:平日9:00~19:00、土・日・休日・12月31日9:00~17:00
(1月1日~1月3日・5月3日~5月5日は、ご利用いただけません)
「もしものときに困らないように」親が元気なうちに家族で話し合い、早めに代理人カードの利用を検討しておきましょう。
参照:全国銀行協会「預金者ご本人の意思確認ができない場合における預金の引き出しに関するご案内資料」








