読者からの質問に答える桐谷さん(画像:YouTubeチャンネル『All Aboutマネー』より抜粋して作成)
個人投資家の桐谷広人さんが、YouTubeチャンネル『All Aboutマネー』の番組に出演し、読者や視聴者から寄せられた投資や株主優待にまつわる質問に回答してくださいました。
Q. 暴落時に影響を受けにくい株を教えてください
「過去のリーマンショックやコロナショック、トランプショックといった局面で『まったく影響を受けなかった株』『相対的に下落が小さかった株』はありましたか?」(アンディ/50代/女性)A. 「高配当で優待のある株でしょうか」(桐谷さん)
リーマンショックのときは、本当に全ての株が下がりましたね。あのときは「もう打つ手なし」という感じでした。証券会社の担当者や、有名な経営コンサルタントの船井幸雄さんなども、「資本主義は終わりだ」「株券は紙切れになるから全部売れ」と言っていたほどです。それくらい、この世の終わりのような空気でした。私自身も「もう終わった」と思いましたね。去年の8月5日にも大きな暴落がありました。上場企業が約3900社ある中で、800社がストップ安になったのです。しかし、そのときも優待のある株は、優待のない株に比べて下落率が低かったことも分かっています。
そして、高配当で優待のある株は比較的堅調に推移しました。ですから私は、こうした「高配当+優待銘柄」を持っておくのがいいと思っています。優待株は、ある意味“お守り”のようなものです。
有名な投資家・みきまるさんが「優待株はエアバッグのようなもの」と言っていましたが、まさにその通りだと思いますね。車のエアバッグは、衝突した瞬間に膨らんで身を守ってくれますが、優待株も不祥事などで株価が揺れたとき、優待があることで投資家がすぐに売らず、下落をやわらげてくれるのです。
例えば、オリックス<8591>は11年前にとてもいい優待制度を導入しました(※)。これはリーマンショックで株価が20分の1ほどにまで落ち込んだ経験がきっかけでした。何か起きると機関投資家が一斉に売りに出る中で、個人投資家が売らずに持ち続けてくれる仕組みを作ろうと考え、魅力的な優待を始めたのです。※現在、株主優待制度は廃止されています
現在、優待を実施している上場企業は全体の1600社ぐらいです。配当を出した上で、さらに優待品も提供しているわけですから、一見すると企業にとって“負担”のように見えます。しかし、優待を楽しみにしている個人投資家が株を買い支え、不祥事などの際にも簡単に売らないため、結果的に株価の安定につながっています。
ですから、優待のある株を買うことで、暴落に対する防衛にもなっていると思いますね。
【関連動画】桐谷さんが出演する動画はこちら! 併せてご覧ください。
教えてくれたのは……桐谷広人さん
1949年広島県出身。将棋棋士・投資家。日本テレビ系バラエティ番組『月曜から夜ふかし』に出演し、現金を使わない「株主優待生活」が話題になった。現在はテレビや講演会、雑誌などで幅広く活躍。『日経マネー』(日経BPマーケティング)、『ダイヤモンドZAi(ザイ)』(ダイヤモンド社)で連載中。






