高速道路を運転していると、「何度も車線変更を繰り返す」車を見かけますが、SNSでは「迷惑」「でも、早く進む気がする」など、たびたび物議をかもしています。頻繁な車線変更に本当に効果があるのか、All About 車ガイドの塚田勝弘が解説します。
Q. “頻繁な車線変更”は効果的?
【今回のギモン】高速道路を走っていると、ジグザグと何度も車線変更を繰り返す車を見かけます。その方が早く目的に到着できるのでしょうか?
A. 頻繁に車線変更をしてもあまり効果はない
渋滞とひと言でいっても、自然発生したものなのか、あるいは事故や工事由来なのか、その原因はさまざまです。距離や通過時間、道路の構造など、ほかにもいろいろな要因が関係してきます。頻繁に車線変更しても、数分から長くても十数分ほど短縮できればまずまずといったところではないでしょうか。誰もが早く渋滞を抜け出したいと考えるはずですが、隣の車線が空いたので車線変更をした結果、かえって詰まってしまった……という経験のある人も少なくないでしょう。結局、同じレーンを走り続けても、1時間も2時間も差が付くとは考えられません。頻繁に車線変更をすれば事故のリスクが高まりますし、事故を起こしてしまっては本末転倒です。
重大な事故につながるリスクも
今走っている車線の前方で事故が発生していたり、工事や車線の減少、合流などがあったりすると、その車線が渋滞する傾向があります。3車線あるときは、合流する車線から最も遠い(基本的に追い越し車線)が空いている傾向にあります。逆に、減少する車線の方がギリギリまで早く進む場合も。運転に自信のない人や真面目な人ほど、早めに車線変更することが多いからです。合流カ所では、加速車線の一番先まで進み、1台ずつ交互に合流するのが合理的。いわゆる「ファスナー合流」と呼ばれる方法で、譲る方にも分かりやすく、比較的スムーズに合流できます。合流路に入ってから、先端まで行かずにすぐ本線へ合流するのがマナーだというドライバーの声も聞かれますが、実はかえって渋滞の原因になっているケースもあります。
ただし、いずれにしても、急ぎすぎるあまり事故を起こしてしまっては本末転倒。安全運転を心掛けたいところです。