
定期預金と社債で老後の資産形成。今後はどうしたらいい?(画像:PIXTA)
今回は、島根県在住の「みつこ」さん(46歳・パート勤務)。家族のすすめで始めた預貯金から20年、定期預金や社債を中心に堅実に資産を積み上げてきました。持病による収入減を経験しつつも、安定した資産形成の方法を模索しています。
■プロフィール
ペンネーム:みつこさん
年齢:46歳
性別:女性
家族構成:1人暮らし
居住:島根県・賃貸
職業:パート・アルバイト(以前は正社員)
年収:270万円
■資産と運用状況
普通預金:580万円(島根銀行560万円、ゆうちょ銀行20万円)
定期預金:合計1800万円(島根銀行・金利0.38%、金利0.8%など)
個人向け社債:500万円(年利4%・固定金利)
米ドル積立利率変動型保険:450万円
毎月の積立:特になし
家族のすすめから始めた「定期預金」を中心に堅実に貯蓄!
みつこさんが預貯金を始めたのは2002年、家族からのすすめがきっかけでした。島根銀行やゆうちょ銀行を利用し、「近所にある利便性が魅力だった」と振り返ります。定期預金は普通預金よりも金利がよいため、まとまった資金を積極的に預けてきました。さらに、個人向け社債も購入。「金利が高く、リスクが低いと判断した」と話します。
遺産相続で資産を増やし、定期預金や社債に回す
これまでの資産形成には、親や祖父母からの相続も大きな影響がありました。遺産でまとまったお金が入ったときには、「金利がよく安心できる」と考え、社債に振り分けました。持病により正社員からパート勤務に転じ、収入が減ったときには「もっとお金を増やしたい」と感じることもあったそうです。銀行の営業担当者からの提案で金利のよい定期預金を活用した経験もあり、「安心感が生まれた」と実感しています。
「これからは老後や病気に備え、銀行の経営状況を注視しながら、安定した資産運用をしていきたい!」と話しています。
専門家への質問
そこで専門家に投げ掛けたいのは、次のような問いです。「安心な老後に向けてどんな金融商品で貯蓄するとよいでしょうか? また、収入が減っても効率的に資産を守り増やす方法を知りたいです」
今回の「みつこ」さんからの質問に、ファイナンシャルプランナーの飯田道子さんが回答します!
ファイナンシャルプランナーの飯田道子さんからのアドバイス
みつこさん、はじめまして!老後資金に向けて準備をしたいということですね。承知しました。
みつこさんの場合、安心・堅実な運用方法でお金を増やすことに注力しており、銀行の定期預金や社債をベースに資産を運用されています。よく「運用は積極的に!」と言われることもありますが、ご自身の精神的な安心を重視して堅実な方法を選んでいるのは、とてもよい判断だと思います。
ただし、普通預金の割合がやや多いように感じます。おそらく、いざというときに備えて普通預金に残しているのでしょうが、少し多めかもしれません。できれば普通預金は年収1年分(270万~300万円)を目安とし、それ以上は定期預金などに預け替えることを検討しましょう。
定期預金は、ボーナス時期などに金利上乗せキャンペーンを行うことがあります。このタイミングでの預け入れも有効です。
また、NISAやiDeCoを利用するのも選択肢の1つです。これらの商品は税制優遇があるため、効率的な運用が期待できます。iDeCoでは定期預金型の商品も選べる場合があります。
少額から投資信託を取り入れるのも一案
みつこさんは米ドル建ての積立利率変動型保険に加入しており、一定のリスク商品をすでに活用しています。これをきっかけに、少額から投資信託を試してみてもよいでしょう。ただし、投資信託には元本保証がありません。もし「怖い」と感じる場合は無理に利用する必要はありません。
みつこさんはまだお若いので、今後も新しい金融商品を検討する機会があるはずです。ただし、ご本人が不安を感じる商品や、リスクを理解できず怖いと感じる場合は、たとえよい商品だと説明を受けても無理に利用しなくて構いません。
老後資金は、できるだけ安心感と確実性の高い商品で運用することが大切です。不安を抱いたまま運用を続けるのは避けましょう。
教えてくれたのは……
飯田道子さん
金融機関勤務を経てFP(CFP、1級FP技能士)を取得。独立系FPとして、各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などを行っている。金運アップやポジティブお金など、カラーセラピーと数秘術を取り入れたアドバイスも得意。
※本記事で紹介している人物のプロフィールや数値等は、プライバシー保護のため編集部で一部改変している場合があります。
※記事の内容はあくまで個人の体験談および専門家の一般的な見解であり、特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。
※金融商品には元本割れや金利変動などのリスクがあり、将来の成果を保証するものではありません。最終的な判断は必ずご自身の責任で行ってください。