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年金を月10万円もらえる人は、現役時代にどのぐらいの収入がある人ですか?【2025年】

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、将来、年金を月10万円もらいたい場合の現役時代の収入についてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。※サムネイル画像:PIXTA

All About 編集部

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、将来、年金を月10万円もらいたい場合の現役時代の収入についてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

Q:年金を月10万円もらえる人は、現役時代にどのぐらいの収入がある人ですか?

「年金を月10万円もらえる人は、現役時代にどのぐらいの収入がある人なのでしょうか?」(匿名希望)
将来、年金を月10万円もらうためには、現役時代にどのくらいの収入がいる?(画像:PIXTA)

将来、年金を月10万円もらうためには、現役時代にどのくらいの収入がいる?(画像:PIXTA)

A:年収の目安は159万6050円(月額13万3004円)です

会社員は厚生年金に加入し、厚生年金保険料が給与から天引きされることになります。そのため受給要件を満せば、原則65歳から老齢基礎年金に加え、老齢厚生年金が上乗せされて受け取れます。

老齢基礎年金は、未納期間・免除期間が全くない方は、月額6万9308円(令和7年度満額)が受け取れます。

老齢厚生年金の受給額は、現役世代の収入金額(給与など)と厚生年金加入期間によって、次の計算式で計算されます。

(1)平成15年3月までは、平均標準報酬月額×7.5/1000×平成15年3月までの加入期間
(2)平成15年4月以降は、平均標準報酬額×5.769/1000×平成15年4月以後の加入期間(※)

※従前額保障での計算方法。スライド率等については省略。乗率は昭和21年4月2日生まれ以降の人の新乗率を使用

では、将来、毎月10万円の年金を受け取れる会社員の現役時代の年収について計算してみます。

前提条件は、平成15年4月以後に40年間厚生年金に加入、40年間の年収は一定でボーナスは含まれるとします。したがって老齢厚生年金額は、先ほどの(2)の計算式を使って算出します。

老齢基礎年金は令和7年度で満額の月額約6万9308円を受給できると仮定します。

この条件で考えると、将来、毎月10万円の年金を受け取るためには、老齢厚生年金を月額3万692円(10万円-6万9308円)受け取る必要があります。

老齢厚生年金を月額3万692円(年額36万8304円)受け取るための年収を以下の計算式で計算します。

●計算式
平均標準報酬額×5.769/1000×480カ月(加入期間)=36万8304円(年間の老齢厚生年金受給額)
平均標準報酬額=36万8304円/(5.769/1000×480)≒13万3004円

平均標準報酬月額を年収に換算します。
13万3004円×12カ月≒159万6050円(年収)

したがって、毎月10万円の年金を受け取るために必要な生涯平均年収の目安は159万6050円(月額13万3004円)となります。

また、要件を満たす配偶者がいると、配偶者が65歳になるまで配偶者加給年金額が老齢厚生年金に上乗せされます。

※現在の制度をもとにした計算で、将来の年金額を保証するものではありません。
※経過的加算は考慮していません。
※年収と年金は額面で計算しています。

※年金プチ相談コーナーに取り上げてほしい質問がある人はこちらから応募するか、コメント欄への書き込みをお願いします。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品や投資行動を推奨するものではありません。
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