
低電力モードの使用でiPhoneのバッテリーは劣化する? ※画像:筆者撮影
<目次>
- 低電力モードを使うとiPhoneのバッテリーが劣化すると聞いたのですが、本当でしょうか?
- iPhoneのバッテリーが劣化してしまう理由
- iPhoneの正しい充電の仕方
- 劣化が進行してしまう使い方
低電力モードを使うとiPhoneのバッテリーが劣化すると聞いたのですが、本当でしょうか?
「低電力モードを使用することでiPhoneのバッテリーの劣化が早まる」という事実は考えにくいでしょう。前提として、iPhoneに搭載されているリチウムイオンバッテリーは消耗品であり、使い続けることで少しずつ性能が低下していきます。日常的な使い方であれば、数年は問題なく使えるように設計されていますが、最大容量が徐々に減っていくのは避けられません。
一方、低電力モードというのは、iPhoneにおけるいくつかの機能を制限し、デバイスの消費電力を抑えて、バッテリー駆動時間を延ばすための機能です。このモードを使っている間はiPhoneのパフォーマンスが低下しますが、iPhone本体に悪影響を与えるものではありません。
iPhoneのバッテリーが劣化するのは事実ですが、その原因は低電力モードによるものではなく、低電力モードのせいでバッテリーの劣化が早まるとは考えにくいでしょう。
iPhoneのバッテリーが劣化してしまう理由
「劣化」「性能が落ちる」といった場合、iPhone自体のパフォーマンスが下がっているのではなく、主に「充電できる最大容量が減少する」という状態を指します。リチウムイオンバッテリーは、充電を繰り返すことで最大容量が徐々に減少していきます。その結果、購入時は100%充電で1日使えていたのに、数年後には同じ100%でも半日しかもたなくなる、といった現象が起こります。また、温度の影響も大きく、高温環境では化学反応が加速し、劣化が進みやすくなります。
iPhoneの正しい充電の仕方
iPhoneのリチウムイオンバッテリーは、いつでも好きなタイミングで充電して問題ありません。再充電の前にバッテリーを使い切る必要もありませんし、必ずしも100%まで充電する必要もありません。iPhoneのバッテリーの劣化の進行具合は、フル充電サイクルの回数によって、おおよその目安が定められています。フル充電サイクルとは、バッテリー容量の100%に相当する電力を消費・充電する一連の流れを指します。
例えば残量20%の状態で充電を開始し、80%まで充電。その後30%まで使用し、さらに70%まで充電したとします。このように2回に分けて充電しても、フル充電サイクルとしては1回とカウントされます。iPhone 14以前のモデルなら500回、iPhone 15以降のモデルなら1000回のフル充電サイクルを繰り返した後でも、本来の蓄電容量の80%を維持できるよう設計されています。
劣化が進行してしまう使い方
上記の通り、消費と充電を繰り返すことで自然と劣化は進んでいきますが、バッテリーの寿命を縮めてしまう使い方もあるため、注意が必要です。■高温環境での使用
夏の車内や直射日光下での利用はバッテリーにとって大敵。内部が高温になると、劣化が早まるとされています。
■充電しながらの長時間利用
ゲームや動画視聴を充電しながら行うと、発熱と充放電が同時に起こるため、バッテリーに負担がかかります。
■0%まで使い切ることを繰り返す
リチウムイオンバッテリーは「深放電」に弱いため、バッテリーが0%の状態を長く維持してしまうと劣化が進むとされています。
■常に100%まで充電
フル充電を繰り返すこと自体は問題ありませんが、長時間100%の状態を保つのは望ましくありません。バッテリーが満充電状態でいる時間が長すぎると「満充電保存」状態となり、電圧が高くなることでバッテリーの負荷が増加してしまいます。