
株価が下落した際に損切りするべき株って?(画像:PIXTA)
今回ご紹介するのは、埼玉県在住の会社員「ペンネさん」(40歳)。老後資金の準備を目的に投資を始めて半年ほど。年金と合わせて「生活水準を落とさない老後」を目指し、積立と優待株を組み合わせた堅実なスタイルで資産形成に取り組んでいます。
■プロフィール
ペンネーム:ペンネさん
年齢:40歳
性別:男性
家族構成:本人(独身)
居住:埼玉県(賃貸)
職業:正社員
年収:約400万円
■資産と投資状況
現金・預金:約50万円
リスク資産:約50万円
- 投資信託:35万円
- 日本株:15万円
毎月の積立:5万円
配当金と株主優待を享受しながら、生活にも役立つ形で投資を組み込む
ペンネさんが投資を始めたのは老後の資産形成のためです。年金と組み合わせて、将来の生活水準が現状を下回らないよう資産形成をしていきたいと考えています。基本は投資信託を用いた長期積立。「過去から現在まで安定した利回りを出していること」「低コストで管理できること」を重視して選んでいます。さらに、日常的に利用する商業施設の株式を保有し、配当金と株主優待を享受しながら、生活にも役立つ形で投資を組み込んでいます。
投資情報の確認は週1回が基本。ニュースなどで株価関連の話題があった際には、その都度チェックするスタイルです。
投資判断にあたっては、投資信託は長期的なリターンとコストを、日本株はPER(株価収益率)やROE(自己資本利益率)、B/S(貸借対照表)といった財務指標と経営の安定性を参考にしているそうです。
短期的な買い物が減り、本当に必要なものを選ぶ姿勢が身についた
「優待株を持つことで実際の生活費が軽くなる」というのが成功体験。保有株からの割引サービスや配当金を元本割れせずに受け取れているのは安心材料といいます。一方で、トランプ関税ショックによって積み立てていた投資信託の評価額が大きく下がった経験もありました。ただしこの体験から「株価は必ず下がるときがある。その後、時間をかけて回復するのを信じられるかが長期投資において重要」と学んだそうです。
投資を通じて、日常生活にも変化がありました。「短期的な買い物が減り、本当に必要なものを選ぶ姿勢が身についた」と話します。
ペンネさんは、日本は少子高齢化や国際競争力の低下で円の価値が下がり、インフレが進むことは避けられないと考えています。そうした未来に備えて「国内外に広く資産を分散する必要性を痛感している」と語ります。
専門家への質問
最後に、ペンネさんが専門家に質問したいのは以下のことです。「株価が下落した際に損切りするべき株と持ち続けたほうがよい株の見極め方について、専門的な観点から意見を聞きたいです。現状保有している日本株は生活に役立つ優待が受けられ、元本割れのリスクも低そうですが、万が一元本割れした際にどこまでリスクを許容すべきかを知りたいです」
今回の「ペンネ」さんからの質問に、個人投資家の中原良太さんが回答します!
専門家・中原良太さんからのアドバイス
僕らは株を買うことで企業のオーナーになれます。投資先が稼いだお金は、配当として分配されたり、成長のために再投資されたりします。全てを合わせると、僕ら株主が受け取る金融所得は「配当+成長投資」のように表せます(画像の上の図)。この前提に立った上で、画像の下のグラフもご覧ください。 これは、筆者が目指している株式投資のゴールです。このグラフのように金融所得を右肩上がりに増やすことを目指しています。もし、金融所得が右肩上がりになる未来が見えているなら株価が下がっても売る必要はないと思います。
株価が下がる理由はいろいろありますが、それが業績とは無関係なものであれば無視していればOK、というのが筆者の考えです。それ以上に気にする必要があるのが、投資先企業の業績や、同業他社との競争環境、そして顧客との絆の深さです。
例えば「強力なライバル企業が現れて、お客さんを奪われている」という場合は大きな問題です。季節要因や景気サイクルで業績が停滞しているだけならよいのですが、そのままお客さんを奪われ続けて閑古鳥……となってしまっては、配当も受け取れなくなるし、優待もなくなる恐れがあります。
競争が激化して儲けられなくなっている場合は、損をしていても株を売って、別のところに乗り換えたほうがよい可能性があるので注意が必要ですね。
右肩上がりの未来が思い描けているのであれば、株価が下がろうが売る必要はない
「万が一元本割れした際にどこまでリスクを許容すべきか」という質問については、少し株式投資の本質からずれていて、株価にこだわり過ぎだと思います。大事なのは「株価」ではなく「投資先から受け取れるもの」で、例えば、業績が絶好調で配当もたっぷり受け取れていて、右肩上がりの未来が思い描けているのであれば、株価がいくら下がろうが売る必要はないです。
ただし、そもそも株式市場とは「3~4年に1回は2~3割の下げ」が起き、「100年に2~3回は半分になる下げ」が起きる、そんな場所です。
つまり、株価が下がったからといって損切りする必要はありませんが、その代わりに「半分になると困るお金は投資に使わない」のが原則だと思います。株を買うなら、それくらいのマイナスは腹をくくって覚悟しておくべきと思います。
教えてくれたのは……
中原 良太さん
個人投資家、トレーダー、ブロガー、YouTuberとして活躍。主に株式投資とマネー(お金)について初心者向けに情報発信。IQ上位2%のMENSA会員。18歳に株を始め、25歳でYahoo!株価予想達人で「ベストパフォーマー賞」を受賞。モットーは「地道にコツコツ」
※本記事で紹介している人物のプロフィールや数値等は、プライバシー保護のため編集部で一部改変している場合があります。
※記事の内容はあくまで個人の体験談および専門家の一般的な見解であり、特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。
※投資には元本割れを含むリスクがあり、将来の成果を保証するものではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。