以前、“「引退腟」と「現役腟」の境界線はどこにある?”という記事を書きましたが、内容はまさに「フェムケアのススメ」。顔や髪の毛と同等に、フェムゾーンの「腟」もケアしなければ膣壁が固くなり、カピカピでドライな状態になってしまいます。そんな“引退膣”になってしまうと、健康面だけでなく、あらゆる面でもったいないことになってしまうというお話です。
今回は“現役膣”を作るおすすめのフェムケアとして、もう1歩、いえ3歩踏み込んで、“セルフプレジャー”(セルプレ)についてご紹介します。
<目次>
セルフプレジャー「未経験」女性は何割程度?
「【ジェクス】ジャパン・セックスサーベイ 2024」によれば、セルフプレジャー未体験女性は4割強となっています。セックスレスの割合も年々増加し、セルプレもしないとなると、腟はどんどん閉じ、引退腟に変貌してゆきます。時代と共にセルフプレジャーアイテムは目を見張るほど進化しています。「はしたない、恥ずかしい」と拒むのはもったいない。一昔前のイメージは払拭(ふっしょく)し、セルプレ新世代グッズを手にとってください。
今回は、拒否感を持ち続けているビギナー向けに「これを試さずして死ぬのはもったいない」と言えるアイテムを5つ選びました。
パートナーがいるかいないかは全く関係ありません。セルフプレジャーで自分のカラダを深く知り、これまで動かしていなかった脳の一部を刺激することはとても重要なこと。セックスレス改善のためにもセルフプレジャーは有効です。
この5アイテムと仲よくなって、無敵のご機嫌ボディを手に入れてください。
指のような柔軟性、ホンワリ温か、絶妙な使い心地「CICI2」
こちら、筆者単独の意見のみならず、複数のセルプレアイテムコメンテーターの方々にもリサーチをして、満場一致で「素晴らしい」という言葉を集めたアイテムです。苦手意識がある方からよく聞かれる感想は「硬い」「冷たい」「痛い」「異物感半端ない」「入りにくい」です。
SVAKOM社製のCICI2第2世代は、そんなネガティブ意見を「液状シリコーン」でオール払拭(ふっしょく)しています。聞き慣れない素材ですが、まずは触ってみてください。自分の指と同程度の触感。そして、私が絶賛するのは、女性の性器官を研究しつくして設計されたシャフトの角度です。先端部分がインしやすい形なのはもちろん、絶妙にGエリアを狙えるのです。
腟内形状は人それぞれですが、細めのスティックなので握りやすく、自由自在に動かせます。左右上下に数cm手首を振るだけで、ビギナーにも“快感エリア”を探り出せると思います。
そして、セルプレ進化系の真骨頂。それは、38度の温熱機能です。一昔前ではあり得ません。硬くて冷たい無機質な物体を体内にインするのは絶対嫌と拒んでいた方も、CICI2第2世代のホンワリ感なら抵抗ないでしょう。
商品には5つの振動設定と強度が設定されていますが、ビギナーはそこまで気にせず、自分で「ちょうどよい」と思う“マイ設定”をしてください。微弱でも強でも、自分のカラダの心地よさは自分で決める。まさに「性の自立」をCICI2は教えてくれます。
理系女子という言葉もちまたで聞きますが、5×5で25通りの組み合わせで動き方の変化を楽しめます。「ふむふむ、この組み合わせの次はこれでいくか」と数学セルプレも楽しいですね。
かわい過ぎるルックスが初心者の心をつかむ「CHARMY」
「人は見た目が9割」とはよく言いますが、私は「セルプレグッズは見た目が9割」というパロディ本を出したいとすら考えています。昭和のセルプレアイテムをAIで探して画像をご覧ください。「いかにも」ないかつい形状で、いやらしさを感じさせるものばかり(それが好きな人がいるのは承知です)。動物をモチーフとしたものもありましたが、女性が好むかわいさとはちょっと違っていました。そして令和の今、画期的なセルプレアイテムが登場しました。
かわい過ぎて、思わず手に取りたくなるこの“CHARMY”は、ルックス買いする人が今後続出するでしょう。
外観はチャームです。通勤時やデートのときに持つバッグにくっつけるチャーム。
「えええ! セルプレアイテムをバッグにつけるの?」
はい。何が悪いんでしょう。ロータスピンクのクマちゃんから、ブラッククマちゃん。そしてチェリー模様やTシャツを着たクマちゃん。日替わりでバッグにつけたくなります。
目的はどうであれ、お友達に見せたくなるすてきなデザインです。オフィシャルWebサイトにある動画も見てください。クマちゃんがゲーム感覚でジャンプする世界観にキュンキュンするはずです。
そして肝心の使い心地。本体自体が微動するので、うなじや乳房、乳頭などボディのあらゆる部分に当ててブルブルを楽しめます。鼠径部、大陰唇にもぜひ当ててなぞってください。
インは怖いけれど、まずはクリトリス開発をしたいというビギナーには相性がいいでしょう。CHARMYはZ世代が使う言葉「吸うやつ」でもあります。陰核を吸引しながら微動するという、セルフプレジャーのステップ1にトライできます。
ビギナーが手に取りやすい、初めてのセルプレアイテムとして、CHARMYのデザインと動きは一推しです。
「セルフプレジャーは怖い」人に彼の指より細ーい「メシベ」
フェムケアの一環として鼠径部、大陰唇やヒップ周りのマッサージはデビューしたけれど、腟内挿入系アイテムはデビュー前という方には“メシベ”をおすすめしています。タンポンを使用したことがある人は多いと思いますが、メシベはタンポンサイズのセルプレアイテムとして人気です。
挿入部分4.5cm、直径1.5cm。男性の中指の直径をAIに尋ねてみると平均1.7cm強。ということは、夫や彼氏にフィンガーインされるより気楽にセルフインできるということです。分かりやすい比較でしょう。
「それなら怖くないわ」と、皆さんの安心する顔が見えてきました。
はい。お産時には赤ちゃんが通り抜けるほどの柔軟な器官ですので、恐れずメシベで腟のエクササイズをしてください。気になる振動音も微弱なので近くにいる人に聞こえません。
初めてでも抵抗なくフィンガープレイが楽しめる「findom」
もともとは、ベッドタイムに使う男性側の思いやりとして開発されました。営みは、指で女性のいろいろなパーツを触りますね。ラブアクションが始まる前に、毎回、手指消毒……なんてシーンはほぼありません。勢いでシャワーを浴びずに始まってしまうケースも多々あり。爪を切るのを忘れたというズボラな彼もいます。雑菌が腟内に入るのはリスクです。指にfindomをつけるだけで、女性は安心できるというわけです。セルフプレジャービギナーには、アイテムを使うことに抵抗がある方も多くいます。私は「それなら、おのれの指を使いましょう」とレクチャーしています。自分の指をインしたことがない方も一定数いるので、そんな人にはこちらをおすすめしています。
findomは厚さ0.06ミリ。長さ8cm。長めに作られています。ネイルアートが心配の方にもおすすめです。
findomも進化しており、ヒアロルン酸配合、アロエ成分配合、炭成分配合と、お顔の美容液並のラインアップ。セルフプレジャーとフェムケアが同時に行えるという、すぐれものの衛生グッズなのです。
「腟内に何かを入れるセルプレには抵抗がある。私はそんなことしない」派の皆さん、そのお言葉、受け入れます。でも、フェムケアは重要ですので、美容成分配合のfindomで腟内をやさしくマッサージして血流を促せば、美肌ならぬ美腟になれるかもしれない。加齢による腟疲労からは誰しも逃れられないので、せめて今のうちから予防しましょう。
腟エクササイズを軽んじてはいけません。
セルプレ序章に美容成分配合の「aib インナーフローラローション」を

【aib インナーフローラローション】「ウェット膣」育成アイテムとしておすすめの潤滑ローション
性行為自体、液体がなければ成り立たない行為です。体験が少ない方、産後ケアを怠り腟内が乾燥気味の方、加齢による腟萎縮の方、腟を放置してはいけません。膣はとてもデリケート。さまざまな原因で「ドライ腟」になってしまうのです。セルフプレジャーを「ウェット腟」育成エクササイズとして捉えてください。
そのために必要なのが潤滑ローションです。美容成分が配合されているものなら、フェムゾーンも喜びます。“aib フローラローション”には、「肌フローラ」を整える成分が配合されています。アロエベラ葉エキスや、トウキンセンカ花エキスなど、まるでお顔の美容液ではありませんか。
まず、お風呂あがりに鼠径部、大陰唇、ヒップなどをやさしくツルツルして、お顔と同等にケアしてみてください。そしてセルフプレジャータイムでも、ローションは活躍します。大陰唇、私はその形状からマカロンに例えていますが、セルフプレジャーの序章として、マカロンにたっぷり塗り込み、2本指でマッサージします。
鼠径部にも範囲を広げると血行やリンパの動きがよくなり、セルフプレジャーのクライマックスに向けての下準備ができるのです。セルプレも性行為と手順は一緒です。いきなりではなく、時間をかけて、周辺から盛り上げることで高得点のセルプレになります。序章として、ローションを使用してみてください。
今回はセルフプレジャー初心者向けの商品を選びましたが、パートナーと一緒に使うのもOKです。
セルフプレジャーの効能はいろいろ記されていますが、特に私はフェムゾーンのトラブル予防のためにも、セックスレス改善のためにも、「現役腟」を保とうという立場で勧めています。性的快感で脳もご機嫌になるので、笑顔が増えるはずです。そうなれば、人間関係もスムーズになります。
“一石二鳥”とは、セルフプレジャーのためにできたことわざ……といっても過言ではないかもしれません。
<参考>
・「ジャパン・セックスサーベイ 2024」(ジェクス)