Q:59歳から再び厚生年金に加入して働いています。このまま65歳または70歳まで働いた場合、将来の年金額はどの程度増えますか?
「結婚後に扶養内で長年パート勤務していましたが、59歳から再び厚生年金に加入して働いています。このまま65歳または70歳まで働いた場合、将来の年金額はどの程度増えますか?」(あんみつさん)
59歳から再び厚生年金に加入して働いています(画像:PIXTA)
A:月収など(標準報酬月額)が15万円とした場合、65歳まで働けば約5万9000円、70歳までなら約10万8000円年金が増える可能性があります
あんみつさんのように、59歳から厚生年金に再加入して働き始めた場合、働いた期間に応じて老齢厚生年金の受給額が増えていきます。仮に、月収などから算出される「標準報酬月額」が15万円とすると、1年間(12カ月)働いたことで増える年金額は以下の計算式で求められます。
■年金増額の計算式
老齢厚生年金の増額分(年額)=標準報酬月額×5.481÷1000×加入月数
この式に当てはめると、
15万円×5.481÷1000×12カ月≒年額9870円
つまり、毎年およそ9870円ずつ年金が上乗せされることになります。
このまま働き続けた場合の年金の増額見込みは、以下のようになります。
65歳までの6年間勤務なら……約5万9220円(9870円×6年)
70歳までの11年間勤務なら……約10万8570円(9870円×11年)
収入が大きくなくても、厚生年金に加入して働くことで老齢厚生年金は確実に増えていく仕組みになっています。
在職老齢年金制度にも注意を
60歳以降は、年金を受け取りながら厚生年金に加入して働くと、「在職老齢年金制度」の対象になる可能性があります。これは、給与と年金の合計が一定額を超えると、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止になる制度です。2025年度(令和7年度)時点では、特別支給の老齢厚生年金を含む年金と給与の合計が月51万円を超えると老齢厚生年金の支給額が調整されます。
とはいえ、あんみつさんのようにパート勤務で収入がそこまで高くない場合には、支給停止の対象となる可能性は低いと考えられます。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)