箱根の観光・旅行

箱根の新スポット! 「ちきゅうの谷」で大地の息吹を感じ、「芦ノソラ」で天空を望む

2025年4月25日、箱根に2つの絶景テラスがオープンしました。全国のロープウェイ山頂駅で人気の絶景テラスですが、箱根の新しいテラスもスタイリッシュに生まれ変わり、インバウンドからも注目されています。

塩田 典子

塩田 典子

一人旅 ガイド

トラベルライターとして、旅行誌、女性誌、一般誌、web媒体、企業のPR誌にて取材・執筆を行う。多い時で月10日は旅の空の下。これまで訪れた土地は350カ所以上。近年は宿・ホテルの取材、各地の食材・料理取材を多く手がける。関心が高いのは、特産品を生かした料理やスイーツ、地酒、工芸品、温泉やスパなど。

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全国各地のロープウェイ山頂駅に近年続々誕生している絶景テラス。2025年4月25日、箱根に2つの絶景テラスがオープンしました。これまでも箱根を代表する景勝地でしたが、リニューアルによりスタイリッシュに生まれ変わり、今やインバウンドにも注目の的。筆者も早速、見に行ってきました。
<目次>

誰もが安全に大涌谷の景色を楽しめる絶景テラス

まず訪れたのは、国内外の観光客に絶大な人気を誇る「大涌谷」。約3000年前に箱根の最高峰・神山が水蒸気爆発を起こした爆裂火口で、今も大地から噴煙が立ち上る荒涼な風景が広がります。

かつては遊歩道を自由に歩けたのですが、10年前の火山活動により立ち入り禁止に。3年前から事前予約制・ガイド引率により約40分間歩けるようになりました。
大涌谷駅舎

リニューアルされた大涌谷駅舎

散策のハードルが上がった一方で、誰もが安全に見学できるよう整備されたのが、今年4月25日に誕生した体験型展望エリア「ちきゅうの谷」。箱根ロープウェイ大涌谷駅と駅前広場が「黒・ジオ・輪」をテーマにリニューアル。4つのゾーンごとに大涌谷の違った一面が見られます。
「風の輪テラス」

大涌谷駅の1階、目の前に広がる「風の輪テラス」

階段を上ってすぐにあるのが「風の輪テラス」。ループ状のテラス先端が主峰に向かって突き出ていて記念撮影をする人が後を立ちません。
「風の輪テラス」の一角、突き出たスペース

「風の輪テラス」の一角、突き出たスペースは記念撮影におすすめ

「風の輪テラス」から左手に進むと、宙に浮くように迫り出した床・壁がガラス製の「息吹のデッキ」が見えてきます。ここもインバウンドが引きも切らず、先端まで到達できませんでした。目の前にロープウェイのゴンドラが迫ります。
「息吹のデッキ」

大涌谷に向かって突き出すように宙に浮く「息吹のデッキ」

足下を見下ろすと噴煙を上げる岩肌が望めてスリリング! ほんのりと硫黄の香りが漂い、山の息遣いが聞こえるようでした。
床の中央とフェンスはガラス張り

床の中央とフェンスがガラス張りなので、大地の息吹が肌で感じられる

さらに左手に進むと、箱根ロープウェイのゴンドラに今にも手が届きそうなほど近い展望スペースが。「大空のほとり」は見晴らしがよく、行き来するゴンドラの向こうに箱根外輪山の連なりが広がり開放感抜群! この日は明神ヶ岳の奥に丹波山まで見渡すことができました。
「大地のほとり」から見下ろす、箱根ロープウェイ

「大空のほとり」からは、箱根ロープウェイを上から見下ろせる

ここには、自然エネルギーを大涌谷駅の照明に活用する「谷の風車」や、火山活動を常時監視する「火山のカメラ」など大涌谷の設備を解説するアートサインが所々に。大涌谷を大切に守り、生かす工夫が随所にされていると感じました。
「谷の風車」の案内サイン

「谷の風車」の案内サイン

「火山のカメラ」と案内サイン

「火山のカメラ」と案内サイン

駅舎併設のショップで、大涌谷ならではのお土産&スイーツを

箱根が休火山であることを再確認できる大涌谷を間近から眺めた後は、大涌谷駅1階のショップ「谷のマルシェ」で、限定スイーツやお土産を探しましょう!
「谷のマルシェ」

お土産探し&飲食が楽しめる「谷のマルシェ」

谷のマルシェの店内

谷のマルシェの店内には、箱根とその周辺のお土産がいっぱい

広々とした店内には、大涌谷はもとより箱根や小田原のお土産が所狭しと並んでいます。店限定のアイテムもあるので要チェック!
「おおわくだ煮たまご」

ここでしか手に入らない「おおわくだ煮たまご」

大涌谷といえば、生卵を温泉池でゆで上げた「黒玉子」が有名ですが、こちらで見つけたのが「おおわくだ煮たまご」。イカ墨で染まった白身はうまみが感じられ、黄身の味もしっかり。
オリジナルのカップケーキ

オリジナルのカップケーキが並ぶ

テイクアウトスイーツやドリンクにも限定メニューが。大地から噴き上げる噴煙を思わせるビジュアルのチョコレートマフィン「タニマルマフィン」。ソフトドリンクも、ちきゅうの谷のコンセプト「黒・風・大地」にちなんだ「ヴァレーソーダ」「ジオネード」が登場!
「タニマルソフト」の「箱根山麓紅茶」

「タニマルソフト」は3種類。写真は「箱根山麓紅茶」

筆者は活発な火山活動により噴き上がる白煙や茶褐色の山肌をイメージしたオリジナルソフトをいただきました。箱根山麓紅茶を使用した「紅茶」「バニラ」「ミックス」の3種から「紅茶」をチョイス。濃厚な茶葉の香りと味わいが口一杯に広がり、甘さ控えめのさっぱり風味でした。
箱根ロープウェイと富士山

この日姿を見せなかった富士山が、ロープウェイのかなたに一瞬姿を現した

ちきゅうの谷
・住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1251 箱根ロープウェイ大涌谷駅1階 駅前広場
・TEL:0460-84-4911(谷のマルシェ)
・営業時間:大涌谷駅9:00~17:00(12~1月は9:00~16:15)、谷のマルシェ9:30~16:30(フード&ドリンク10:00~16:00LO ※季節により変動あり)
・定休日:無休
・交通アクセス:箱根ロープウェイ大涌谷駅直結

駒ヶ岳山頂巡りがさらに楽しくなる! 絶景テラス

時を同じくして、芦ノ湖と、箱根で2番目に標高の高い駒ヶ岳を結ぶ「箱根 芦ノ湖ロープウェー」の終点、山頂に誕生したのが「芦ノソラ」。約7分間で標高1356mの山頂に到達。駅舎の外に約400平方メートルの階段状の展望デッキが新設され、天気がよければ芦ノ湖や箱根外輪山、駿河湾を一望できます。
「箱根 芦ノ湖ロープウェイ」

「箱根 芦ノ湖ロープウェー」で駒ヶ岳山頂へ

「芦ノソラ」のテラス

「芦ノソラ」の展望デッキ

展望デッキ

晴れた日の展望デッキ

デッキの一角には約3mの突き出しデッキが。本来であれば、ここから絶景に溶け込むような感動が得られるはずなのですが、あいにくこの日は霧に包まれて前方は真っ白。
ウッドデッキから伸びる展望台

突き出しデッキから伸びる展望台からは何も見えない日も

こんな日もあるのですが、天気に恵まれた日はこのような絶景に出会えます!
突き出しデッキ

晴れた日はこんなに気持ちよい風景が広がる!

突き出しデッキ先端

突き出しデッキの先端からは、こんな絶景が!

まずは駒ヶ岳山頂の「箱根元宮」へ参拝に向かいます。6月下旬~10月頃までは高山植物の宝庫に。
遊歩道

道標を参考に遊歩道を巡ります

今から約2400年前、聖占仙人が駒ヶ岳山頂に神仙宮を開き、後に箱根神社の奥宮として昭和39(1964)年に社殿が再建されました。緩やかな階段を登っていくと、鳥居の奥に朱色の鮮やかな社殿が現れます。
「箱根元宮」

山頂付近にある「箱根元宮」

天気がよければ、社殿の左手に富士山が浮かぶ日も。
馬降石

社殿の手前には、白馬に乗って神様が降臨されたと伝わる岩「馬降石」が

参拝後、社殿から左手に降りていくと白いネットベンチが置かれ、思い思いにくつろいでいます。「海ノニワ」と呼ばれるエリアで、近づいてみると相模湾と町並みが一望できました。晴れた日はここに寝そべり広い空や海に浸れます。
「海ノニワ」

座ったり寝そべったりしながら眺望が楽しめる「海ノニワ」

晴れた日の「海ノニワ」

晴れた日の「海ノニワ」からの景色

反対に右手に降りていくと巨大フォトフレームが。取材時はあいにく芦ノ湖しか見えませんでしたが、天気がよければ雄大な富士山が映え、一緒にフレームに収まって記念写真が撮れます。
富士ノガク

富士山と一緒にフレームに収まる「富士ノガク」

以前は箱根元宮で参拝後は風景を眺めつつ山頂駅へ戻るという感じでしたが、駿河湾側と富士山側それぞれに趣向の異なる絶景ポイントができ、絶景をこれまで以上に堪能できるようになりました。

山頂駅売店でオリジナルのスイーツ&アウトドアグッズをお買い物

駒ヶ岳山頂を存分に楽しんだら、山頂駅舎内のリニューアルされた売店へ。実はここで三浦市三崎の人気ドーナツ専門店「ミサキドーナツ」の芦ノソラ限定品が購入できるのです。
山頂駅の売店ではミサキドーナツの販売も

山頂駅の売店ではミサキドーナツ4種類の販売も

ドーナツ探求家・溝呂木一美氏とのコラボ商品で、駒ヶ岳山頂から望む富士山をイメージした「富士山やっほー」と「さんさん湘南ゴールド」の2種類。見た目のかわいさもさることながら、味わいも格別。

バタフライピーで色を付けた富士山やっほーには、カスタードクリームに苺ジャムがたっぷり。地産のオレンジ・湘南ゴールドの白餡を包んだ、さんさん湘南ゴールドには湘南ゴールドのドライフルーツが飾られ、甘みと酸味のバランスが◎
トリプルコラボドーナツ

「ミサキドーナツ」×「箱根駒ヶ岳 芦ノソラ」×ドーナツ探求家・溝呂木一美氏のコラボドーナツ

お土産には芦ノソラ限定グッズもお忘れなく。オリジナルデザインの手ぬぐいやボトル、キャップ、ネックゲイターに加えて、サングラスまでありました。アウトドアのみならず普段使いもできて実用的。富士山と駒ヶ岳をモチーフにしたロゴもおしゃれなので、自分へのお土産にも最適です。
オリジナルのキャップと手ぬぐい

オリジナルのキャップと手ぬぐい

オリジナルボトルのほか、ネックゲイター、キャップも

オリジナルボトルのほか、ネックゲイター、キャップも

オリジナルサングラス

ムラサキスポーツとコラボしたオリジナルサングラス

この日は曇り空で富士山は拝めませんでしたが、駿河湾や芦ノ湖はしっかりと見えて、標高1356mの山頂の冷涼な空気の中、リフレッシュできました。
ロープウェイから見えた芦ノ湖

ロープウェーから見えた芦ノ湖

芦ノソラ
・住所:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根139(箱根駒ヶ岳ロープウェー山麓駅)
・TEL:0460-83-1151(箱根園)
・営業時間:9:00~16:30(上り運行時間。下りの最終は~16:50) ※毎時00分、20分、40分の20分間隔
・定休日:無休(荒天時、施設点検時は運休)
・ロープウェー料金:大人往復2200円、小学生1100円(片道大人1300円、小学生650円)
・交通アクセス:JR・小田急線小田原駅から伊豆箱根バスで約1時間20分、または小田急線箱根湯本駅から伊豆箱根バスで約1時間5分

2025年春にお目見えした箱根の二大絶景テラス。絶景をさらに魅力的に映し、映えショットの撮影スペースを設けたりと、ブラッシュアップされていたのはもちろんのこと、限定のオリジナルスイーツやオリジナルグッズが満載。標高も高く冷涼なので、この夏、おすすめのスポットです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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