そこで今回は、“お給料日”を基準に1カ月を「上旬」「中旬」「下旬」に分けて考える、変動費の“支出コントロール法”をご紹介します。買い方のリズムを整えるだけで、ムダ遣いが減り、自然とメリハリのある家計管理が目指せます。
固定費と変動費、まずは違いを知る
家計管理の第一歩は、「固定費」と「変動費」を分けて考えることから始まります。固定費とは、毎月決まって出ていく支出のこと。例えば家賃や通信費、保険料、サブスクリプションサービスの利用料などが代表例です。一方、変動費は月によって金額が変わる支出。食費、日用品費、交際費、衣類費、美容代などがこれに当たります。
固定費は一度見直すと、効果が持続するという点が特徴です。例えばスマホの料金プランを変更するだけで、月々数千円の節約が可能になることも。こうした固定費の削減は、努力を続けなくても「1回の見直しが、継続的に節約につながる」という強みがあります。そのため、節約を始めるならまず固定費の見直しから、というのが“家計管理の王道”です。
固定費の見直しが済んだら、次は「変動費」
すでに固定費の見直しを終えている人にとって、次の課題は変動費。そうはいっても、変動費は、なかなかクセモノです。なぜなら日々の生活に関わっている分、何をどこまで削るべきかの判断が難しいからです。そこでおすすめなのが、1カ月を「上旬」「中旬」「下旬」に分けて、1カ月の支出をコントロールする方法です。
“お給料日”を基準にして1カ月を3つに分ける
「上旬」「中旬」「下旬」と聞くと、ついカレンダーの1~10日、11~20日……と考えてしまいがちですが、この方法では自分の生活リズムに合わず、管理しにくいことも。ここでのポイントは、“お給料日”を基準にして1カ月を3つに分けることです。例えば、毎月25日がお給料日の人なら、25日から10日後くらいまでを「上旬」、次の10日を「中旬」、残りの期間を「下旬」といった具合に、自分の収入サイクルに合わせて区切りましょう。
●上旬(給料日後~10日):もっともお金を使いやすい時期
給料日直後のこの時期は、気持ちにも余裕があり、つい財布のヒモが緩みがち。だからこそ、ここでは「優先順位の高い支出」に絞って、計画的にお金を使うことが大切です。
例えば、食費であれば「お米」「しょうゆ・みそ・砂糖などの基本調味料」といった、毎日の食事に欠かせないものを最初にまとめて購入しておくと安心です。日用品では、「洗剤」「トイレットペーパー」「ティッシュ」など、月の途中で切らすと困るもの、なくなったら必ず買い足すものをこのタイミングで買っておきましょう。
こうした生活必需品は、次の給料日直前に慌てて買い足すと予算オーバーになりやすいため、上旬のうちに計画的に取り入れておくと、後半の支出がグッとラクになります。
●中旬(給料日後11~20日):支出の手を少し緩めるタイミング
中旬は、家計全体を見直しながら、使い方に“ひと呼吸”を入れる時期です。ここでは「必要だけど、急ぎではないもの」を見極めて購入するのがポイント。
例えば、「そろそろ購入する予定の化粧品」「今月買わなくてもなんとかなる衣類」など、すぐに必要ではないけれど、いずれ買う予定だったものを予算と相談しながら検討してみましょう。
まずは、1~10日に使った金額を集計して、毎月の変動費予算から差し引いてみます。その残り金額を中旬と下旬の予算としてざっくり分け、「あといくら使えるか」を意識するだけでも支出のバランスが整いやすくなります。
「今すぐじゃないけど、買うかも……」というものは、いったんメモに残しておき、次の給料日前に再検討するのもおすすめです。感情に流されない買い方が、ムダ遣いを防ぐコツになります。
●下旬(給料日後21日以降):次の給料日に向けて、使える予算の残りを意識する時期
下旬は、1カ月の支出を振り返りながら「残った予算でどうやりくりするか」を意識するタイミングです。できるだけ支出を抑え、翌月のスタートを気持ちよく迎えるための準備期間でもあります。
例えば、冷蔵庫の中にあるもので数日乗り切る“食材使い切りウイーク”にしてみたり、日用品も「今月は買い足さず、あるもので済ませられないか」と工夫したりしてみましょう。
ここで節約できた分を、翌月の特別な支出(旅行やイベント、外食費など)に備える“予備費”として回すのもいいかもしれません。下旬を丁寧に過ごすことが、家計全体のリズムを整え、節約疲れを防ぐ鍵になります。