節約は大切ですが、行き過ぎると「節約の落とし穴」にハマってしまい、大切なものを手放してしまうかもしれません。今回は、「過度にお金を使わないこと」がもたらす影響について考えてみましょう。
お金を使うと罪悪感をおぼえる人とは?
買い物のあと、なんとなく後悔した、という人は、案外多いかもしれません。後悔しがちな人によく見られるのは、ムダ遣いが多くてなかなか節約ができないタイプです。しかし一方で、「節約がクセになって、お金を使うのが怖い」と感じてしまう人もいます。例えば、日常で次のような行動が習慣になっている方は、お金を使うことに罪悪感を覚えやすいタイプかもしれません。なぜなら、日々の選択の中で「できるだけ使わない」ことを最優先にしていると、必要な支出でも「無駄」と感じてしまう思考パターンが染みついてしまうからです。
・ものを選ぶとき、まず値段を確認して安いものを選ぶ
・同じ価格なら、少しでも量の多い方を選択する
・買うものはほとんどバーゲン品
・1円でも、安い店を探したくなる
・お金を使うことに対して、常に「もったいない」と感じる
・貯金を優先し過ぎて、楽しみを後回しにする
このような習慣が長く続くと、「使うこと=悪いこと」という意識が強まり、いざ自分のためにお金を使おうとしたときにも、抵抗感や罪悪感を持ってしまうのです。
もちろん、節約や貯金はとても大切なことです。でも、毎日「お金を使わないこと」に縛られてばかりでは、心が疲れてしまうもの。
毎月の手取り収入の10~25%をしっかり貯金できていれば、残りのお金は安心して「使っていいお金」です。お金を使うこと=悪ではなく、「どう使うか」が大切なのです。
とはいえ、「もったいない」「使うのが不安」といった気持ちから、お金を使うこと自体を控えてしまう人も少なくありません。
しかし、お金を使わないことで、実は気付かないうちに手放してしまっている大切なものもあるのです。
では、お金を使わないことで、私たちは何を失っているのでしょうか? 次は、気付かないうちに手放してしまっているかもしれない「大切なもの」を3つご紹介します。
お金を使わないことで失うもの1:心のゆとりや幸福感
お金を使わない生活が続くと、「我慢すること」が当たり前になり、心が窮屈になってしまいます。けれど、たまに立ち寄るカフェでの一杯や、お気に入りの雑貨を買う時間は、ほんの少しのお金で得られる心の癒しです。こうした小さな幸せを感じる機会が減っていくと、毎日がただ「耐えるだけ」の生活になってしまうかもしれません。お金を使わないことで失うもの2:人とのつながり
友人とのランチや、家族との外出など、誰かと過ごす時間にはどうしてもお金がかかるもの。もし「お金がもったいないから」といって、こうした機会を避け続けていると、人との関係が薄れ、孤独を感じるかもしれません。お金を使うことは、自分への投資であると同時に、周りとのつながりを育てる手段にもなるのです。お金を使わないことで失うもの3:経験や成長のチャンス
旅行や習い事、本を買って読むことなど、お金をかけることで得られる経験は、人生を豊かにしてくれます。しかし「節約しなきゃ」との思いから、こうした機会を遠ざけてしまうと、自分自身の成長や可能性を狭めてしまうかもしれません。ときには、「未来の自分のために使う」という視点で、お金を使うことも大切です。まとめ
お金は「貯める」ことも大切ですが、「使い方次第で人生を豊かにしてくれる」道具でもあります。ムダ遣いではなく、自分にとって意味のあることへお金を使うこと。それが、毎日を心地よく、充実したものに変えてくれる第一歩となるでしょう。