「東京メトロ24時間券」の全て！ 料金・有効期限・特典まで、使い方を徹底解説【2025年最新版】

東京メトロ全線が1日乗り放題となる「1日乗車券」は、2016年3月26日に「東京メトロ24時間券」へと変わり、料金は600円となった。その後、2025年3月15日からは700円に改訂されている。

ともあれ、使い勝手がよく、都内のビジネスや買い物、観光に便利な「24時間券」について、有効期限やお得な特典、PASMOなどICカードでの利用を含め詳しくリポートしてみたい。

東京メトロ24時間券のメリット 

東京メトロ24時間券とは、以前からあった一日乗車券をリニューアルしたもので、最初に改札機を通ったときから24時間使用できるフリーきっぷのことだ。お値段は700円で、自動券売機およびオンラインで購入できる。
 
「1日乗車券」は、使いはじめが早朝であってもお昼頃や午後遅くであっても、乗車券の有効期限は一律終電までであった。したがって「1日」とはなっていても、お昼過ぎから使い始めるのであれば、実質「半日」乗車券となってしまい、夕方から使い始めるのであれば、何だかもったいない気がしたものだ。特に、お昼頃に東京に到着し、翌日のお昼過ぎには東京を離れる1泊2日の出張などの滞在で、メトロに何回も乗車する場合、2日分の「1日乗車券」が必要であった。
 
ところが、「24時間券」の場合、「使い始めてから24時間有効」なので、この場合は、24時間券を目一杯使うことになり、出費も1400円から700円と半額で済むのだ。こう言われても、使ったことのない人にとっては、少し分かりにくいかもしれないので、まずは基本から説明しておこう。

24時間券は、どこで買えるのか？ 有効期限は？ 

当日券は、東京メトロ各駅の券売機で、前売り券（イラスト入り）は、東京メトロのオンラインで購入できる（5枚セットのみ）。

当日券は、発券した当日に使用開始しなければならない。翌日まで使わないでいると無効になる。前売り券は、発売日から6カ月以内に使わなければ無効となる。

東京メトロ24時間券のルール 

購入した24時間券を自動改札機に入れると、券面に翌日の時間が印字される。午後3時59分に改札機を通ったのなら、券面には翌日の午後3時59分（15時59分）と表記される。この時間まで24時間券を持って、東京メトロに何回でも乗ることができる。
 
午後3時59分とあれば、最後の乗車で改札機を通るのが午後3時59分（15時59分）までということであって、午後3時59分までに目的地の駅の改札を出なくてはならないということではない。有効時間までに改札機を通ってしまえば、一駅先で16時01分に出ようと、1時間ほど乗車して（東西線の中野と西船橋を各駅停車で移動すれば1時間近くかかる）16時59分に出ようと問題はない。あるいは、エキナカのカフェなどに滞在して時間が延びても、それは差し支えない。
 
もっとも、途中の乗換駅において、いったん改札を出るような場合だと、改札機によっては乗車券が乗換駅で期限切れになってしまうことがある。この場合、オレンジ色の改札機を通り、60分以内に乗り換えを完了すれば、目的の駅までは乗車券が使える。

どれだけ乗れば、モトが取れるか？ 

東京メトロの最低運賃は、180円（ICカード使用なら178円）である。単純に往復すれば360円（ICカード使用なら356円）。したがって、2往復すれば720円（ICカード使用なら712円）かかるので、700円の24時間券を買ってもモトが取れ、20円（ICカード使用なら12円）お得になる。

例えば、1日目の午後に近いところを往復し、2日目の午前にも近いところを往復するだけでもトクなのである。必死になってメトロを乗りまくることもない。
 
地方から出張で上京し、日比谷付近のホテルに泊まるとすると、到着した日に東京駅→銀座→日比谷（チェックイン）、仕事の打合せで日比谷→恵比寿→日比谷と移動すると、180＋210＋210＝600円（ICカード利用なら178＋209＋209＝596円）。

2日目は、午前中にホテルから東京駅まで移動するだけでも、日比谷→銀座→東京で180円（ICカード利用なら178円）となり、2日間で780円（ICカード利用で774円）かかるので、24時間券利用の方が80円（ICカード利用なら74円）節約になる。もちろん、ふらりと銀座あたりで途中下車しても追加料金不要なので使い勝手がよい。

乗り換え指定がある駅、ない駅 

東京メトロでは、乗り換え指定の駅では、いったん改札を出ても、60分以内に乗り換える路線の改札を通れば、通算運賃で計算してくれる。例えば、銀座から銀座線で三越前に行き、半蔵門線に乗り換えて東京スカイツリーの最寄り駅押上に向かうとしよう。
 
三越前で銀座線から半蔵門線に乗り換える場合はいったん改札口を出なくてはならないけれど、60分以内に半蔵門線の改札を通れば通算運賃となるので、210円（ICカード利用なら209円）である。60分以内であれば、銀座線の改札口と半蔵門線の改札口の途中にある三越デパートで買い物をしても大丈夫だ。
 
しかし、買い物に時間を取られてしまい60分以上たってしまうと、運賃の通算は認められず、銀座→三越前（180円、ICカード利用なら178円）、三越前→押上（210円、ICカード利用なら209円）と別々の運賃を払うこととなり、390円（ICカード利用なら387円）かかってしまう。
 
その点、24時間券なら、60分という時間を気にすることなく、気ままに途中での買い物を楽しむこともできるのである。 一方、至近距離にあっても、乗り換え指定がない駅がある。例えば、千代田線の湯島駅と銀座線の上野広小路駅は、歩いて5分程度と近いけれど、乗り換え指定駅ではないので、乗り継いでも運賃の通算は認められない。根津→湯島、上野広小路→末広町と移動する場合、それぞれ180円ずつかかるので、近い距離なのに合計で360円（ICカード利用なら356円）もかかってしまう。

こんな場合、24時間券ならためらうことなく乗り継ぎできる。運賃計算をしなくても、700円で行動範囲が広がるであろう。

ICカード利用の24時間券はないのか？

24時間券は、磁気カードであって、ICカードではない。ICカード専用の自動改札機が増えた現状では、通過できない自動改札機があるのは、やや不便であるし、相互直通運転をしている他社線（日比谷線から東武線、副都心線から東急線など）へはみだして乗った場合、降車駅の窓口での精算となる。 こうした不便を解消してくれるのが、ICカード利用のフリーきっぷである。現状では、有効な定期券情報のないPASMO限定ではあるが、東京メトロ各駅の券売機や定期券売り場で発売してくれる。

ほかには、クレジットカードタッチの24時間券、QRコードで利用できる24時間券（モバイル端末利用）がある。まだまだ自動改札機によるQRコード処理に対応していない駅があるので、少し不便なときがある。これについては、徐々に解消していくものと思われる。

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東京メトロ24時間券を使ったときの特典 

24時間券を使用する場合、ちかとく（CHIKA TOKU）といって券を見せるだけで割引となったり、オリジナルグッズがもらえたりするお店や観光スポット（博物館など）が約200カ所もあるので、有効に利用すると都心でのお出かけが楽しいものとなろう。

東京メトロ24時間券を使った都内散策の一例 

例えば、東京駅から銀座、上野、浅草、秋葉原、六本木という名所を回る場合…… 東京→（178円）→銀座→（178円）→上野→（178円）→浅草……（東武線、バスなど）……押上→（178円）→水天宮前……（徒歩）……人形町→（178円）→秋葉原→（209円）→六本木　→（178円、銀座乗り換え）→東京
 
正規運賃で1277円なので、東京メトロ24時間券を使えば577円のお得となる。 また、新宿駅から池袋、後楽園、国会議事堂前、銀座、渋谷を通るコースもある。
 
新宿→（178円、新宿三丁目乗り換え）→池袋→（178円）→後楽園→（178円、南北線経由）→四ツ谷→（178円）→国会議事堂前、溜池山王→（178円）→銀座→（209円）→渋谷→（178円）→新宿三丁目　　　　　
 
正規運賃で1277円（577円のお得）。
 
以上は、ほんの一例である。複雑に張りめぐらされた地下鉄ネットワークをうまく使ってビジネスに観光にショッピングにと都内を縦横に移動できれば充実した時間が過ごせるであろう。