食生活・栄養知識

Q. ピーマンを一度に食べ過ぎるのは、体に悪いでしょうか?

【大学教授が解説】ピーマンを一度に食べ過ぎると、腹痛や下痢が起きるリスクがあります。胃腸の弱い人は、特に注意が必要です。分かりやすく解説します。

阿部 和穂

執筆者:阿部 和穂

脳科学・医薬ガイド

Q. ピーマンを一度に食べ過ぎるのは、体に悪いでしょうか?

ピーマン

健康によさそうなピーマン。でも、食べ過ぎるのは問題?


Q. 「食費を節約したいので、最近は業務用スーパーに行って特売のものをまとめ買いしています。冷蔵庫に大量のピーマンがあるので、大量消費レシピを試したいと思っているのですが、ピーマンを一度にまとめて食べ過ぎると体に悪いでしょうか?」
 

A. 腹痛や下痢が起きる可能性があります。特に胃腸が弱い人はご注意を

食費節約のための工夫は悪いことではありませんが、野菜を含む生鮮食品の多くは日持ちしません。「大量消費レシピ」が流行しているのは、買い過ぎた分を一度に消費する必要に迫られる方も多いからでしょう。

ただ、多くの方が想像される通り、体によい野菜や果物であれ、一度に食べ過ぎるのは避けるべきです。ピーマンは栄養豊富で、緑黄色野菜の代表とも言える野菜です。特に、体内で働く酵素の助けをし、抗酸化作用があり老化予防にもいいと考えられている「ビタミンC」を多く含んでいます。

一方で、たくさん食べるほど健康にいいというわけではありません。ピーマン1個の大きさにもよりますが、標準的なサイズのピーマンなら、2~3個で一日に必要なビタミンC摂取目安に達します。ですから、それ以上のピーマンを大量に食べてしまうとビタミンC過多になり、腹痛や下痢を起こすことがあります。「ピーマンの大量消費で胃痛になった」といった声もありますので、特に胃腸の弱い人は注意が必要です。健康を損なってしまっては、割安に買った意味もなくなってしまいます。

また、一時的にピーマンを大量に食べ過ぎたからといって、すぐに特定の病気リスクが上がるといったことは考えにくいですが、長期的な食べ過ぎには注意が必要です。ピーマンに限らずですが、特定の食べ物の大量消費を続けると、その分他のものを食べる量が減り、結果的に「偏食」になってしまいます。栄養バランスを保つことは健康な生活の基本です。どのような食べ物でも、「適量」にとどめるようにしましょう。

ピーマンは過熱しても栄養価が変わりにくいとされていますので、調理法を変えながら、毎日数個ずつ食べるのがおすすめです。「ピーマンの肉詰め」や「ピーマンのじゃこ炒め」にすれば、複数の栄養が取れるおかずになりますし、個人的にも好物です。他にも、他の野菜と一緒に炒めたり、ナポリタンやピザの素材として使うこともできます。苦みの少ない赤ピーマンは、細く輪切りにして生のままサラダに混ぜて食べてもいいでしょう。
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