年金・老後のお金クリニック

1961年8月生まれの男性63歳会社員です。国民年金加入期間が472カ月で8カ月分の未納があります。未納分を払いたいのですが……?

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に回答します。今回は、国民年金保険料の未納についての質問です。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

執筆者:All About 編集部

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に回答します。今回は、国民年金保険料の未納についての質問です。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

Q:1961年8月生まれの男性63歳会社員です。国民年金加入期間が472カ月で8カ月分の未納があります。未納分を払いたいのですが……?

「1961年8月生まれ、63歳の男性会社員です。国民年金の加入期間は472カ月で8カ月分の未納があります。未納分を払いたいのですが、毎月いくら払えばいいのでしょうか? このまま65歳で年金をもらった場合いくらの減額になるのでしょうか」(マサやん)
過去に国民年金保険料の未納があります

過去に国民年金保険料の未納があります

A:国民年金の保険料の未納分は、時効により納められない場合があります。60歳以降に厚生年金に加入して働いているのであれば、経過的加算といって、480カ月分までは老齢基礎年金相当額が増額します

国民年金の保険料の未納分は、納付期限から2年以内であれば納められます。納付期限から2年を過ぎると、時効により納められなくなります。

もし、マサやんさんが、国民年金保険料の免除、納付猶予、学生納付特例を申請していた場合は申し出ることで、免除や猶予された国民年金保険料を全部または一部を納付できます。これを追納と言います。

ただし追納できる期間は、追納が承認された月の前10年以内の免除等期間です。免除・納付猶予の承認を受けた期間の翌年度から3年度目以降に保険料を追納する場合には、期間が経過した分の加算額が上乗せされます。

支払う国民年金保険料としては、例えば平成27年度の1カ月分、全額免除を受けた分を令和7年度中に支払いたい場合は加算額が上乗せされ、1万5930円となります。もし猶予申請などの手続きをしていない場合は、2年を過ぎた保険料は時効により支払うことはできません。

追納する際の詳しい金額は日本年金機構のHPで確認をしましょう。

過去に国民年金保険料を支払っていない場合、60歳から65歳になるまでの期間に「任意加入制度」を利用して、未納分の保険料を払えます。

ただし、任意加入制度を利用できる人には下記の要件があります。

①60歳以上65歳未満であること
②老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていない
③20歳以上60歳未満までの保険料の納付月数が480カ月(40年)未満
④厚生年金保険、共済組合などに加入していない

マサやんさんの場合は、63歳の会社員とのことですので現在、厚生年金保険に加入しています。厚生年金の加入者であるマサやんさんは、任意加入制度が利用できないことになります。

もし今後65歳になる前に退職などし、厚生年金の加入者でなくなった場合には、任意加入制度を利用して未納分の保険料を支払えます。その際納付する令和7年度の保険料は月額1万7510円です。

このまま65歳で年金をもらった場合いくらの減額になるのでしょうか、という質問ですが、減額されてもらえる老齢基礎年金額は以下のように計算します。

83万1700円(令和7年度の老齢基礎年金の満額)×472カ月/480カ月=81万7838円

年間でおよそ1万3860円少なくなってしまいます。

追納の時効がきていたり、任意加入制度が利用できなかったりする場合は、老齢基礎年金を満額にすることはできません。ただし、過去に年金加入期間が480カ月に満たない人が60歳以降に厚生年金に加入して働いた場合、経過的加算といって老齢基礎年金相当額が、厚生年金から支給されることになります。マサやんさんの場合は年金加入期間が480カ月になるまで8カ月分、厚生年金に加入して働くことで、経過的加算がもらえ、老齢基礎年金の満額相当額に近づけられるはずです。65歳からもらえる年金額について年金事務所に一度、確認してみることをおすすめします。

※年金プチ相談コーナーに取り上げてほしい質問がある人はこちらから応募するか、コメント欄への書き込みをお願いします。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
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