癌(がん)

Q. 健康診断で貧血の指摘。「がんの可能性がある」って本当でしょうか?

【医師が解説】「がん? 会社の健康診断でがん疑いとは言われなかったから大丈夫だよ」と思っている方はいませんか? 健康診断はがん検査とは別物のため、検診や人間ドックの結果だけで安心するのは危険です。貧血の診断を受けた場合について、がんとの関係性を解説します。

狭間 研至

執筆者:狭間 研至

医師 / 癌ガイド

Q. 健康診断で貧血でした。がんの可能性があると聞いたのですが本当でしょうか?

健康診断で貧血の診断を受けたら、がんの心配をする必要がある?

健康診断で貧血の診断を受けたら、がんの心配をする必要がある?


Q. 「健康診断で『貧血』と言われました。特に自覚症状はないのですが、同僚から『がんの可能性があるから放置しない方がいい』と言われて、不安です。実際に、貧血の原因ががんということはよくあるのでしょうか? 今すぐ精密検査を受けるべきか、迷っています」
 

A. 過度の心配は不要ですが、進行性の貧血の場合は注意が必要です

貧血の原因はさまざまですので、必ずしも「がんが原因」とは言えません。しかし、自覚症状がないからと言って、安心もできません。実際に、健康診断で貧血が見つかり、がんが原因だったということもあるからです。特に、胃がん・大腸がん・子宮がんなどによる微量の出血がある場合、「徐々に進行する貧血」が見られることがあります。

一般の健康診断の主な目的は、「生活習慣病の予防」です。しかし、がんの兆候が見つかることもあります。がんによる出血が少量かつ継続的に続くと、身体が順応してしまい、自覚症状が現れにくくなります。ご質問の内容からは貧血の程度や状況がよく分かりませんが、もし進行性の貧血が見つかった場合は、精密検査を受けた方がよいでしょう。

まずは、貧血が一時的なものか継続的なものかを確認してください。その上で、必要に応じて消化管や婦人科の検査を受けることが大切です。健康診断で大きな異常がなかった場合でも、もし不安な症状が出てきた場合は、医療機関で一度相談することをおすすめします。

さらに詳しく知りたいかたは、「会社の健康診断でがん早期発見は可能か…がん疑いでなくても過信は禁物」をあわせてご覧ください。
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