株主優待

桐谷さんが「この株は買いだ」と判断する基準とは?

個人投資家の桐谷広人さんが、YouTubeチャンネル『All Aboutマネー』に出演。読者や視聴者から寄せられた投資や株主優待にまつわる質問に応えてくださいました。今回は、保有していない優待株が安値を更新した場合、”買い”と判断する基準についてです。

執筆者:All About 編集部

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個人投資家の桐谷広人さんが、YouTubeチャンネル『All Aboutマネー』の番組に出演し、読者や視聴者から寄せられた投資や、株主優待にまつわる質問に回答してくださいました。

Q. 安値を更新した銘柄があった場合、どのように“買い”と判断しますか?

「桐谷さんは、年初来安値を毎日確認されているとのことですが、安値を更新した銘柄があった場合、どのような基準で購入されますか?」(山田錦さん/35歳/会社員)

A. 「配当と優待があって、総合利回りが4%程度あるというのが、一つの目安でしょうか」(桐谷さん)

毎日株価を確認しているわけではありませんが、投資歴41年の経験から言えるのは、“とにかく安いときに買うのがいい”ということです。ただし、いくら株価が安くても、会社四季報に「会社継続に重大な疑義あり」などと、記載があるような会社の株は避けます。そうではなく、普通に安くなった株であれば、買いの対象になります。

とはいえ、たとえ安くても配当がなかったり、株主優待がない銘柄は、保有する楽しみがないので私は買いません。ですから、配当と優待の両方がある銘柄が、悪材料などで値下がりしたときに狙うようにしています。

それと、私がいつも心がけているのは、配当と優待を合わせた「総合利回りが4%以上あること」が、合格ライン(投資判断の基準)ということです。

普段の生活リズムとしては、大体お昼過ぎに起きて、大引け前に株価をチェックします。そのときに、私が利用しているネット証券では、その日に年初来安値を付けた銘柄の一覧が表示されます。それをざっと見て、保有していない優待株が年初来安値を更新していたら、総合利回りを確認して「これはいいな」と思えば買う、という感じですね。

もちろん、翌日に株価がさらに下がることもよくあります。というのも、株というのは下落に勢いがついていると、さらに下がりますし、逆に上昇している銘柄はもっと上がるという傾向があります。でも、もし翌日に下がったとしても、「私より前に買った人はもっと損しているから、まあいいや」と割り切るようにしています。
 
実際、底値で買うのは難しいですね。私の優待仲間には、業績を非常に重視する人がいます。業績が悪いから株価が下がっている、だからまだ買えないと言うんですね。でも、業績の悪さが気になってしまうと、なかなか手が出せないものです。

なので私は、業績はあまり見ません。株価が安いということは“バーゲン”と思って買うんです。結果的に1~2年後には「買ってよかった」と思うことが多いですね。

2024年8月5日の暴落時も、多くの人が慌てて売って、「明日はもっと下がるかも」と不安になっていました。でも私は、「前に買った人より安く買えるならいいじゃないか」と考えて決断し、18銘柄を購入しました。その中には、同じ銘柄を複数回購入したものもあります。
 
一時は、購入した全銘柄が含み益となっていましたが、その後調子が悪くなり、値下がりしてきたものもあります。ただ、私は中長期で保有するのが基本なので、あまり悲観していません。「安く買って、戻ったときに売ればよかったかな」と思う銘柄もありますが、今は資金的にも余裕があるので、あまり焦らないようにしています。

昔は本当にギリギリの資金でやっていて、信用取引も多用していました。下がると真っ青になっていましたが、今はそういうこともなく、ゆったり構えています。その方が結果的にいいようですね。

 
【関連動画】ぜひ動画も併せてご覧ください!

教えてくれたのは……桐谷広人さん

1949年広島県出身。将棋棋士・投資家。日本テレビ系バラエティ番組『月曜から夜ふかし』に出演し、現金を使わない「株主優待生活」が話題になった。現在はテレビや講演会、雑誌などで幅広く活躍。『日経マネー』(日経BPマーケティング)、『ダイヤモンドZAi(ザイ)』(ダイヤモンド社)で連載中。

※紹介している内容は、2025年1月8日に収録した動画から、一部抜粋して編集したものになります。

 
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