年金・老後のお金クリニック

1959年12月生まれ女性。65歳になり年金をもらいます。夫の健康保険の扶養に入ることはできる?

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に回答します。今回は、夫が退職した場合の妻の社会保険について説明します。年金についての質問がある人はフォームから応募をお願いします。

執筆者:All About 編集部

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に回答します。今回は、夫が退職した場合の妻の社会保険について説明します。年金についての質問がある人はフォームから応募をお願いします。

Q:1959年12月生まれ女性で65歳になり年金をもらいます。ずっと夫の健康保険の扶養に入っていたのですが、このまま扶養に入ることはできるのでしょうか?

「1959年12月生まれ女性で65歳になりました。来年から年金をいただくことになります。私はパートでの収入があり合計180万円未満になります。夫は72歳で先月仕事を退職して年金だけの収入300万円未満になりました。ずっと夫の健康保険の扶養に入っていたのですが、このまま扶養に入ることはできるのでしょうか? もし抜けるとすればいくらくらいの負担になるのでしょうか?」(福福さん)
夫の健康保険の扶養に入り続けることはできる?

夫の健康保険の扶養に入り続けることはできる?

A:相談者「福福」さんの「年金収入+パート収入」が扶養認定の年収要件180万円未満であり、かつご主人(被保険者)の年収の1/2未満であれば扶養として入ることは可能です

ご主人は先月退職されたということですね。

退職後の健康保険は、1. 任意継続健康保険(または特例退職被保険者制度)、2. 国民健康保険、3. ご家族の健康保険(被扶養者)のいずれかに加入する手続きが必要です。まずご家族の健康保険ですが、ご主人は被扶養者の収入要件180万円を超過しているので入ることはできません。また国民健康保険には扶養という概念がありません。したがって、ご主人は、任意継続健康保険または特例退職被保険者制度に加入されたと想定し回答いたします。

任意継続被保険者制度と特例退職被保険者制度とは

任意継続被保険者制度は、希望すれば退職後も引き続き同じ健康保険に加入し、在職中とほぼ同じ給付を受けられる制度です。ただし、加入できる期間は最長2年です。保険料は、退職時の標準報酬月額に基づいて算出されるパターンが多いようです。

また、特例退職被保険者制度は、退職後に、年金受給や健康保険の加入期間など条件を満たした方が75歳になるまで希望して健康保険に加入し、在職中とほぼ同じ給付を受けられる制度です。ただ健康保険組合によっては、この制度がない場合もあります。保険料は、基準になる標準報酬月額が毎年見直されています。

任意継続、特例退職どちらの健康保険の場合も、被扶養者の追加保険料は発生しません。

相談者「福福」さんの場合

さて、福福さんの場合ですが、「年金収入+パート収入」が扶養認定の年収要件180万円未満であり、かつご主人(被保険者)の年収の1/2未満であれば扶養として入ることは可能です。扶養認定の収入範囲には、パート代のほか交通費や諸手当、雇用保険の失業などの給付、金融資産や生命保険の配当、個人年金など課税・非課税関係なく継続的な収入は全て含まれます。ただし加入する健康保険組合により基準が異なりますので、ご主人に急いで確認してもらいましょう。

扶養から外れた場合の健康保険料負担について

福福さんのパート収入を仮に96万円として、その他の収入と合わせたら180万円以上になり扶養から外れた場合は、国民健康保険に入ることになり、福福さん自身で保険料を負担することになります。市区町村によって保険料は異なりますが、保険料は東京都世田谷区の場合、年間6万5600円(総所得41万円-基礎控除43万円=0円、所得割のみ負担)です。

※福福さんは、2024年度中に65歳を迎えるため、11月までの介護分の負担が必要ですが、2025年度には別途負担となるため、介護分を含まない試算をしています。

ご主人の退職前・後の収入によっては、国民健康保険のほうが保険料が安くなるかもしれません。

また、ご主人と7歳の年齢差があるので、老齢基礎年金のみ繰下げしておくと先々の家計も安心です。いずれにしても、福福さんの健康保険の扶養や負担額の確認にとどまらず、これを機にご夫婦で今後の生活設計を具体的に話し合っていくことをおすすめします。

※専門家に質問がある人はこちらの応募フォームからお願いします

執筆・監修/京極 佐和野(きょうごく さわの)さん

FPオフィス ミラボ代表、日本FP協会認定 CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、国家資格キャリアコンサルタント、JCDA認定CDAの資格を持ち、マネープランと働き方の両面から「稼ぐ・使う・借りる・貯める・増やす」をアドバイス。ファイナンシャル・プランの提案・実行支援に20年以上従事。FP向け継続研修、社員向けライフプラン・キャリアデザイン研修講師として活動する傍らJ-FLEC(金融経済教育推進機構)認定アドバイザーとして携わる。
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