Q:65歳から年金を受給しながら、67歳まで厚生年金に加入して働いた場合、年金はいくら増えますか?
「現在64歳です。65歳から年金を受給し、67歳まで厚生年金を払いつつ働いた場合、年金はどれくらい増えますか。65歳からの年収は240万円です。65歳からもらえる年金は16万円です」(いのかずさん)
67歳まで年金をもらいながら働いた場合、どのくらい年金は増えるの?
A:在職老齢年金制度によって年金が支給停止されて少なくなることはありません。平均月収20万円で厚生年金に2年間加入して働くと、年額2万6308円、老齢厚生年金が増えることになります
60歳以降、厚生年金に加入して働きながら、老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金含む)を受け取る場合、総報酬月額相当額(おおよその給与収入など)と、基本月額(老齢厚生年金の報酬比例部分の月額)の合計金額が支給停止基準額50万円(令和6年度/令和7年度は51万円)を超えると、在職老齢年金制度が適用され、老齢厚生年金の全額もしくは一部が支給停止されます。相談者「いのかず」さんの年収は240万円とのこと。月額換算して、月額20万円とした場合、「いのかず」さんの老齢厚生年金の報酬比例部分が、16万円とした場合でも、支給停止基準額50万円を超えませんので、在職老齢年金による支給停止はされません。
65歳から67歳までの2年間、厚生年金保険料を支払った場合に増える年金額は、「いのかず」さんの今までの年金の加入状況によりますので、具体的な金額は、最寄りの年金事務所で試算依頼をしてみるといいと思います。概算となりますが、以下のように計算すると2年間で増える老齢厚生年金額がわかります。
■老齢厚生年金受給額の計算
相談者は月20万円の収入で2年間働く予定のこと。老齢厚生年金受給額を計算するときには、厚生年金に加入していた期間によって下記の2つの計算式に分かれており、合計した金額となります。
【a:平成15年3月以前の加入期間】
平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの加入期間の月数
【b:平成15年4月以降の加入期間】
平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入期間の月数
(※昭和21年4月1日以前生まれの人については、給付乗率が異なります)
相談者が2年間(24カ月)、平均月収20万円で厚生年金に加入した場合、老齢厚生年金がどれくらい増えるのか計算をしてみます。【b:平成15年4月以降の加入期間】の計算式を用います(平均標準報酬額を20万円として試算)。
20万円×5.481/1000×24カ月≒2万6308円
したがって、平均月収20万円で厚生年金に2年間加入して働くと、年額2万6308円、老齢厚生年金が増えることになります。(経過的加算は考慮しません)
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)