Q:申請すれば60歳から受け取れる特別支給の老齢厚生年金というのがあるみたいですが、厚生年金との違いがよく分かりません
「2025年3月で満60歳になります。繰り上げでの厚生年金の受給を考えております。申請すれば60歳から受け取れる特別支給の老齢厚生年金というのがあるみたいですが、厚生年金との違いがよく分かりません」(音ヤンさん)
特別支給の老齢厚生年金がよく分かりません……
A:特別支給の老齢厚生年金は、65歳になる前にもらえる年金です
そもそも老齢厚生年金も、特別支給の老齢厚生年金も「厚生年金保険」に入っている人がもらえる「老齢年金」です。老齢年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)は、原則65歳から受け取れます。ですが、一定の要件を満たす人は65歳になる前に『特別支給の老齢厚生年金』をもらえます。
昭和60年に法律が改正され、厚生年金保険の受給開始年齢が、60歳→65歳に引き上げられました。受給開始年齢のスムーズに引き上げ、生年月日に応じて段階的に年金を受け取れるように『特別支給の老齢厚生年金』は設けられました。
『特別支給の老齢厚生年金』を受け取るためには以下の要件を満たしている必要があります。
- 男性:昭和36年4月1日以前生まれ。
- 女性:昭和41年4月1日以前生まれ。
- 老齢基礎年金の受給資格期間(10年)がある。
- 厚生年金保険などに1年以上加入していたことがある。
- 生年月日に応じた受給開始年齢に達していること。
相談者「音ヤン」さんは、昭和40年生まれと思います。「音ヤン」さんが女性で厚生年金の加入期間が1年以上あるなど受給要件を満たしている場合には、64歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取れます。昭和40年生まれの男性の場合は、特別支給の老齢厚生年金は受け取ることができません。
性別と生年月日に応じた特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢は、画像の通りです。詳しくは日本年金機構のホームページで確認できます。 ※年金プチ相談コーナーに取り上げてほしい質問がある人はこちらから応募するか、コメント欄への書き込みをお願いします。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)