年金・老後のお金クリニック

このまま扶養範囲内がいいのか、あと7年ほどは社保に加入にして働くべきか教えていただきたいです

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。今回は、夫の扶養のままでいるか、社会保険に加入するか悩んでいる奥さまへアドバイスします。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

執筆者:All About 編集部

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。今回は、夫の扶養のままでいるか、社会保険に加入するか悩んでいる奥さまへアドバイスします。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

Q:このまま扶養のままがいいのか、あと7年ほどではありますが、社保に加入にして働くべきか教えていただきたいのです

「夫は1961年3月生まれ、妻の私は1967年2月生まれです。夫は現在、40年ほど働いた会社を退職後、同じ会社で再雇用で働いていて、私はパートで103万円以内で17年ほど働いています。夫との年齢差が約6歳差です。ここに来て私が働いている会社からの通達で、パートも社会保険に入れるようにするとのことです。このまま扶養のままがいいのか、あと7年ほどではありますが、社保に加入にして働くべきか教えていただきたいのです」(りんごさん)
夫の扶養のままでいるべきか、社会保険に加入するべきか……

夫の扶養のままでいるべきか、社会保険に加入するべきか……

A:社会保険に加入することで、医療・年金・働きながら障害を負ったときの保障が充実します

令和6年10月から、パートなどで働く短時間労働者に対する社会保険(健康保険・厚生年金保険)の適用が拡大されました。厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業などで働くパートは健康保険・厚生年金保険の加入対象となりました。

≪パートの社会保険(健康保険・厚生年金)加入の条件≫
  1. 1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など(特定適用事業所)、または、労使合意に基づき短時間労働者を健康保険・厚生年金の対象とする申し出をした事業所に勤めていること
  2. 週の所定労働時間が20時間以上
  3. 所定内賃金が月額8万8000円以上
  4. 2カ月を超える雇用の見込みがある
  5. 学生ではない
上記の要件を全て満たす人は、会社員として働く人の扶養から抜けて、自分で社会保険(健康保険・厚生年金)に加入することになります。

社会保険に入ると、厚生年金保険料・健康保険料などが自分の給与から天引きされますので、実際の手取り金額は少なくなりますが、社会保険に加入することで次のようなメリットがあります。
 
  1. 社会保険に加入して働くと、老齢基礎年金に老齢厚生年金が加算されてもらえるようになります。
  2. 業務外の病気やけがで会社を休んだ場合には、4日目から、通算1年6カ月、給与の2/3の金額が傷病手当金としてもらえます。
  3. 万が一、病気やけがにより障害を負った場合の保障が充実します。

相談者「りんご」さんが、賃金月額(月給)8万8000円で社会保険に加入すると、厚生年金保険料は月額8052円、健康保険料(40歳以上なので介護保険料を含む)は月額5095円を支払います(令和6年度協会けんぽ保険料額表・東京都より)。1年加入すると支払う社会保険料は、厚生年金保険料が年9万6624円、健康保険料が年6万1140円、合計15万7764円になります。
 
この場合、そのほかの条件も満たしていれば、65歳から支給される老齢基礎年金のほかに、年額5787円(標準報酬月額8万8000円×5.481/1000×12カ月=年額5787円)の老齢厚生年金が受給できます。

「りんご」さんが、仮に、社会保険に7年間加入した場合、老齢厚生年金は4万509円(年)増えます。

≪計算式≫
受給できる老齢厚生年金額(年額)=5787円×7年=4万509円

日本は長寿社会ですので、老後の収入の柱となる年金を増やすことは、老後の安定した生活に役立ちます。高齢者でも働く人はどんどん増えています。それには病気やけがのリスクも伴うことになります。社会保険に加入することで、民間の医療保険などに加入する必要がなくなり、保険料を抑えられるかもしれません。

ご家族と相談してみましょう。

※年金プチ相談コーナーに取り上げてほしい質問がある人はこちらから応募するか、コメント欄への書き込みをお願いします。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
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