1つ目は株価が上がることによる「売買差益」を得る方法。2つ目は、「配当金」として投資先が稼いだお金の一部を分配してもらう方法。3つ目は配当と同じく「株主優待」を受け取る方法です。
株価は人気投票で動くため、売買差益を狙った投資は不安定になりがちです。一方、株価と比べると配当金は安定していますので、高配当株を買うと、安定したリターンが得られると期待できます。
とはいえ、高配当株の中には、買ってはいけない銘柄もあります。そこで本記事では、買ってはいけない「高配当株」の特徴と見分け方について、分かりやすく解説します。
減配リスクが高い高配当株は危ない
結論から書くと「減配リスクが高い高配当株」は危険です。減配というのは配当金が減ってしまうことです。配当目当てで株を買ったのに、継続的に払えない「むちゃな配当」を約束していたり、競争が激化して業績が悪くなったりすると、配当が減ることがあります。
減配リスクが高い株を買うと、期待していた配当収入が受け取れないだけでなく、株価が下落するリスクもあります。だから、見た目の高配当に惑わされず、投資先企業が本当に配当を出す能力があるかを見極めるのが大切です。
減配リスクが高い高配当株の例:タコ配
「タコ配」という言葉を聞いたことがありますか? これは、タコが飢餓状態になると自分の足を食べるという俗説からからできた用語で、継続不可能なむちゃな配当を出すことを指します。例えば、利益が1億円しか出ていないのに、配当を2億円出していて、利益よりも大きな配当を出しているのはタコ配です。1億円しか儲けていないのに2億円の配当を出し続けることはできませんから会社の中にあるお金を持ち出していくことになります。タコが自分の足を食べているのと似ていますね。
「タコ配」は継続できませんし、事業再投資もしにくいため増配も期待薄です。よほどの勝算がない限りは、タコ配の高配当株には手を出さない方が無難です。
減配リスクが高い高配当株の例:参入障壁が低い
タコ配と同様に、「参入障壁が低い業界に属する企業」も危険です。参入障壁が低い業界では、新しいライバルが次々に現れるため、業績が不安定になりやすいのです。例えば、スマホゲームは個人でも作れる競争の激しいセクターです。他にも、ファッションブランドなども、次から次へと新しいものが出ては消えていく難しい分野だと思います。
競争が激しい業界では、ライバルに顧客を奪われやすく、利益が減少する可能性があります。今は高配当でも、これから配当が減ってしまう恐れがあるので、注意が必要です。
安全な高配当株の見分け方
では、どうすれば安全な高配当株を選べるでしょうか? 筆者が注意するのは以下の2点です。1つ目は、配当性向が低いこと。筆者の目安は「50%以下」です。
配当性向というのは、会社が稼いだ純利益に対して、配当を出す割合です。配当性向が低いと、配当を出す以外にも会社の中にとどめている利益が多く、成長投資したり、増配したりする余地があるといえます。
減配されにくく、増配されやすい高配当株は配当性向が低いはずですので、筆者はこういう株を好みます。
2つ目は、参入障壁が高いこと。
参入障壁もさまざまありますが、「特別な資格がないと参入できない業界」や「多額の初期投資が必要な業界」などは、ライバルも増えにくいので筆者は投資しやすいと思います。
まとめ
高配当株は、魅力的な収入源に見えますが、中には危険なものもあるので気をつけましょう。特に、減配リスクが高い会社……例えばタコ配を行っている会社や、参入障壁が低くて業績が悪くなりそうな会社……は、配当が減額され、株価も下がる恐れがあるので要注意です。裏を返せば、危険な高配当株を避けることで、魅力ある高配当株にお金を回すことができます。高配当株投資の利回りはここのところ良好ですから、チャレンジしてみる価値はあると思います。