今回は、実際に退職金優遇金利の定期預金に500万円を預けた場合、どれくらいの利息が受け取れるのか、2つの銀行を例に計算します。さらに利用する際の注意点についても解説します。退職金をどこに預けるか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも「退職金優遇金利」とは?
「退職金優遇金利」とは、退職金を預ける人向けに特別に設定された定期預金のことです。通常の定期預金よりも高い金利が適用されるため、お得に運用できるのが特徴です。ただし、金融機関によって適用条件が異なるため、預け入れられる期間や、どのくらいの金利が適用されるのかを事前にしっかり確認することが大切です。
退職金優遇金利の定期預金に500万円預けると、受取利息はいくら?
今回は、三井住友信託銀行と山口県周南市に本店を置く第二地方銀行である西京銀行で販売されている退職金優遇金利の定期預金で利息を計算してみましょう。●三井住友信託銀行
・商品名:スーパー定期3カ月
・預入金額:500万円以上5000万円以内
・適用金利:年1.2%
3カ月後の受取利息は以下のとおりです。
500万円×年1.20%×90日/365日=1万4794円(税引前利息)
受け取った利息からは、税率20.315%分の「3005円」が差し引かれます。税率の内訳は、「所得税及び復興特別所得税15.315%と住民税5%」です。
そのため、3カ月後にもらえる税引き後の利息は「1万4794円-3005円=1万1789円」となります。
参照:退職金特別プラン・ご退職予定者向け特別プラン | 三井住友信託銀行
●西京銀行
・商品名:退職金定期預金
・預入金額:300万円以上
・適用金利:年3.0%
・取扱期間:2024年7月1日~2025年5月30日まで
預け入れ期間が3カ月ものの定期預金です。なお、この定期は、山口県にお住まいの方など条件があります。
3カ月後の受取利息は以下のとおりです。
500万円×年3.0%×90日/365日=3万6986円(税引前利息)
受け取った利息からは、税率20.315%分の「7513円」が差し引かれます。税率の内訳は、「所得税及び復興特別所得税15.315%と住民税5%」です。
そのため、3カ月後にもらえる税引き後の利息は「3万6986円-7513円=2万9473円」となります。
3カ月という短期間とはいえ、年3.0%の金利は非常に魅力的です。これほどの高金利は珍しいですが、多くの地方銀行でも退職金の運用をサポートするために、通常よりも高い金利の定期預金を提供しています。退職金を少しでも有利に運用したい方にとって、こうした商品を活用するのは1つの選択肢といえるでしょう。
参照:キャンペーン・おすすめ情報|西京銀行
退職金をお得な金利で預けるために押さえておきたいポイント
退職金を定期預金に預けるなら、できるだけ金利の高い金融機関やプランを選ぶことが大切です。なぜなら、まとまった金額を預ける場合、わずか0.1%の金利差でも受け取れる利息が大きく変わるからです。今回ご紹介したように、銀行や信用金庫の中には、退職金専用の「優遇金利」を適用しているところがあります。通常よりも高い金利が適用されるため、一見するととてもお得に思えます。
ただし、優遇金利を受けるためには、さまざまな条件がある場合がほとんどです。
例えば……
・公的年金の受取口座に指定すること
・銀行の営業エリア内に住んでいる、または勤務していること
・優遇金利が適用されるのは1回だけ
など、金融機関ごとにルールが設定されています。
また、多くの場合、申し込みにはリアル店舗での手続きが必要です。インターネット上で簡単に申し込めるわけではないため、実際に利用を検討する際は、事前に細かい条件をしっかり確認しておきましょう。
「優遇金利」という言葉だけに飛びつかず、本当に自分に合ったプランかどうかをしっかり見極めることも大切です。