実際、年金生活でどれくらいお金が必要なのか。いくら貯蓄があれば安心して老後を迎えられるのか。All Aboutが実施したアンケート調査から、岐阜県在住64歳女性のケースをご紹介します。
回答者プロフィール

同居家族構成:本人、母(89歳)
居住地:岐阜県
リタイア前の雇用形態:派遣・契約社員
リタイア前の年収:150万円
現在の金融資産:預貯金300万円、リスク資産25万円
現役時代に加入していた公的年金の種類と加入年数:国民年金17年、厚生年金21年6カ月
現在の収支(月額)
老齢基礎年金(国民年金):なし(65歳から受給予定)老齢厚生年金(厚生年金):2万3368円(特別支給の老齢厚生年金)
障害基礎年金や障害厚生年金(障害年金):なし
遺族基礎年金や遺族厚生年金(遺族年金):なし
その他(企業年金や個人年金保険など):なし
年金以外の収入:給与収入11万円(美容師アルバイト)
ひと月の支出:約15万円
「せめて施設で10年過ごせるお金があれば」
現在、およそ預貯金300万円、リスク資産25万円を保有しているという今回の投稿者。自身の老後資金について貯めすぎと感じているか、それとも足りないと感じているか、との質問には「現役時代にもっと貯めておけばよかった・足りない」と回答。
その理由として、「働ければなんとかなるが、倒れたら家族みんなが迷惑することはわかりきっている。施設で10年過ごすくらいのお金を残したかったが今からでは無理。過去にもどれるなら……」とのこと。
くわえて「子どもは3人いますが1人はまだ大学生。長男は家を建て目一杯のローンで四苦八苦。娘は今年結婚へ。共働きしながら子どもをもうけると私の手助けが必要になるはずで、まだまだ、しっかりせねば……」とあり、家族に頼るのは難しい状況のようです。
「老後1000万円が目標だったが……」
現役時代、老後資金は「1000万円」を目標に貯めたいと考えていたそう。「若い頃の勤務先の新人研修で1000万円貯めるよう教えられたのが耳から離れなかった。凄い金額だと感じたが研修で貯めるよう言うからには手が届く金額なのかな、と素直に目標にした」と言います。
しかし今にして思えば、老後資金として「3000万円」は貯められたのではと悔やんでいると言います。
「株を売らないでずっと持っていれば……。土地神話に踊らされ今買わないと買えなくなる気がして貯金をぜーんぶ下ろしてしまった。土地があると家を建てることになるが、住宅金融公庫(現在の住宅金融支援機構)でも住宅ローンは(金利)年4%、車は6%ローン、金利ばかり返す毎日だった」と投稿者。
続けて「がんと診断されたら3000万円もらえる保険が普通にあった時代に加入を迷い、入らなかった。20代のころ個人年金が相当よい内容だった時代なのに、まだ先のことと思い加入しなかった。デザイナーブランドの洋服でなく、貴金属の購入に興味をもっと持っていれば……」と後悔は尽きない様子です。
「働いていられる限りは幸せです」
しかしながら、今の生活の満足度については「普通」と投稿者。「働ければ幸せなことがわかりました。私が子育ての真っ最中に働いている時、朝からきれいに化粧して美容室にみえるシニアの奥さま方が羨ましかったが、皆、口を揃えて『忙しく子育てしていた時が1番良かったよ』と。(老後は)時間があるからさぞ毎日掃除していると考えていたが、『いつでも出来ると思うと明日に延ばして何もできない』と。もう、そのとおりでした」とのこと。
老後資金に不安を感じている現役世代には、「見えないところで節約して、なにかのために、お金は貯める。35年ローンで高額な家を建てるのはやめたほうがよい」とアドバイスされていました。
※皆さんの老後資金についてのエピソードをお寄せください。エピソードの採用で3000円分のAmazonギフト券をもれなくプレゼント。応募はこちらから
ーーーーーーーーーーーーーーーー
※本文カッコ内の回答者コメントは原文に準拠しています
※エピソードは投稿者の当時のものです。現在とはサービスや金額などの情報が異なることがございます
※投稿エピソードのため、内容の正確性を保証するものではございません