「食いつくし系」夫はなぜ生まれる? 対応策とは
「食いつくし系」とは?
「食いつくし系」とはどんな人のことを言うのでしょうか。例えば、家族分の料理があっても、1人で全部食べてしまう人のこと。後先考えず、また他の人への配慮もなく、「食べたい」と思ったら赴くままに食べてしまうのです。「食いつくし系」夫に悩まされている妻は、意外といます。夫に限らず、「1人で食いつくしてしまう人」には、どんな原因があるのでしょうか。また、家族が「食いつくし系」の場合は、どうしたらいいのでしょうか?
「食いつくし系」が生まれる理由9選
・原因1:「好きなだけ食べていい家庭環境」で育ってきたから、悪いことだと思っていない裕福な家庭で、好きなだけ食べることを許されてきた環境で育っていると、その習慣から赴くままに食べてしまうことがあります。例えば、家族で焼肉屋に行っても、お肉が足りなければ何皿でも追加注文できるような家庭で育った場合、本人は好きなだけ食べても、「他の人の分の料理はある」と思ってしまうところがあるのです。
そんな恵まれた家庭環境で育ってきた夫に大皿料理を出すときには、「これが全てで、これ以上おかずはないから、みんなで分け合って食べてね」と、事前にきちんと説明した方がいいでしょう。
・原因2:家族が多く“おかずは早い者勝ち”の環境で育ったから、「早く食べないといけない」という癖と恐怖心が残っている
きょうだいが多く、おかずは大皿で出され、早いもの勝ちのような状況で取り合いしていた家庭で育っている場合は、大人になっても、「満足できるまで、早く食べないといけない」という癖が残っていることもあります。
毎日の食卓が競争だった家庭環境で育ってきた夫には、事前に「1人3個まで」など、食べられる数を決め、早く食べてもゆっくり食べても、みんなが自分の量を確保できるようにした方がいいでしょう。
・原因3:「食べたければすぐに食べるはず」「食べないのはいらないからだ」と考えている
誰もが自分の「食べるペース」があります。しかし、“早食いで、ゆっくり食べる人の気持ちが分からない人”は、「いらないから残している」と勘違いしてしまうことがあります。さらに、「相手が残しているものは、自分が食べていい」と考え、相手の分まで食べてしまうことも……。
そういう人には、「お皿にまだ残っていても、相手が食べないとは限らない」「相手が残したものでも、相手のものなのだから、自分が食べていいとは限らない」ことを、きちんと教えてあげた方がいいでしょう。
・原因4:自分は体が大きいから、みんなよりもたくさん食べるのは当然だと思っている
友達同士でご飯を食べに行っても、体の大きい人はみんなよりも多く食べても仕方ないと思われるところはあります。ただ、「痩せの大食い」という言葉があるように、食べる量と体の大きさが必ずしも比例するとは限りません。自分だけではなく、他の人も「足りない」と思っていることだってあるのです。
さらに、みんなよりも多く食べていても割り勘ばかりしていると、だんだん一緒に食事をしてくれなくなる可能性も。これは、「食べつくし系」に限らず、「飲みつくし系」でも言えることです。
こういう体の大きな「食いつくし系」の人には、みんなよりも多く食べることは「当たり前」ではなく、「自分が得している(相手に損させている)こともある」ということを、理解させた方がいいでしょう。場合によっては、支払いも自分が多めに出す姿勢を見せることが大切なこともあります。
・原因5:食事では「自分が一番得したい」と考える“食べた者勝ち精神”がある
「大皿料理で残った最後の1個を必ず食べる」という人が存在します。そういう人は「みんなはもういらないから、自分が食べている」と思いがちですが、みんなは遠慮しているに過ぎないことも。
親しい人が、必ず最後の1個を食べるタイプの場合は、みんなが遠慮していることも意外とあることを教えてあげた方がいいもの。また、「最後の1個、誰か食べる? じゃんけんで決める?」など、公平に食べるチャンスを作ることや、たまには人に譲る大切さは伝えた方がいいでしょう。
・原因6:人が食べているものが欲しくなる
相手が食べているものを欲しくなり、「1口ちょうだい」と言いながら、その1口が大き過ぎる人も、「食いつくし系」に当てはまります。“食べものの恨み”は意外と尾を引くことも少なくありません。基本的に「人のものを欲しがらない」方が無難ですし、よほど親しい相手でなければ、食べたいときは、自分で同じものを追加で頼む姿勢を見せた方がいいことも。
逆の立場として、「食いつくし系」の人に自分の料理を食べられたくないときは、きちんと「やめてほしい」と言った方がいいでしょう。それはケチでも何でもありません。
・原因7:自分がお金(生活費)を出すのだから、相手の分も食べていいと思っている
自分のおごりで食事をするのだから、「相手の料理も自分が食べていい」と勘違いしてしまう人もいます。自分がお金を出そうが、相手の料理は相手のもの。そのために、相手は食事に付き合ってくれているのだから。
「相手にあげたものなのに、自分のもののような態度をとる」のはせこいので、やめた方がいいでしょう。
・原因8:「分け合い」の精神が欠如している
そもそも人と分け合うことができない人がいます。1人で食事をするならまだしも、誰かと共にするなら、自分が食べられる分量を計算したり、同席者の気持ちを考えたりするのは、マナーであり、礼儀。もし家族が「食いつくし系」の場合は、家庭内だけではなく、外でも人に迷惑をかけてしまう恐れがあります。だから、きちんとマナーと礼儀を教えてあげた方がいいでしょう。
分け合いの精神が持てない場合は、嫌われる前に「基本、食事は1人でとる」と決めてしまった方がいいこともあります。例えば、ドラマ、映画化された人気漫画『孤独のグルメ』(扶桑社)の主人公・井之頭五郎は、決して気遣いができない人ではありませんが、もし彼のように“誰にも邪魔されず、気を遣わず食べるという孤高の行為”をしたければ、1人で食事をした方がいいのです。
・原因9:食欲がわくと抑えられない
理性で食欲を抑えられない人が一定数存在します。場合によっては、ADHD(注意欠如多動性障害)やASD(自閉症スペクトラム)が原因になっていることも。
その場合は、精神的な問題もあるので、専門家に相談した方がいいかもしれません。
単に「食べつくし系」という問題ではないことも
発達障害が原因ではない「食べつくし系」の人に主に不足しているのは、「食欲を抑えること」と「思いやり(想像力)」。食べつくして嫌われないためにも、自分を客観視して、欲望をコントロールできるようになった方がいいし、自分目線ではなく、状況を俯瞰して、周りがどう思っているのかを想像できる力を持った方がいいでしょう。「欲望を抑えられないこと」と「思いやりの欠如」が当てはまる人は、食に関すること以外でも、トラブルを起こしがち。むしろ、その2つが原因でトラブルが発生することが多いのです。
世の中には「お金の欲望」「性的な欲望」に負けてしまったり、相手と自分の家族に対する想像力の欠如から「不倫」をしたりして、人生を棒にふる人は多いですしね。だから、身近な人が「食べつくし系」の場合は、他のトラブルを起こさないためにも、この2つの大切さを、教えてあげた方がいいでしょう。