信用金庫・信用組合と銀行の違い
金融サービス自体は似ている部分もありますが、信用金庫・信用組合と銀行は設立目的や運営の仕組みが大きく異なります。それぞれの特徴を以下で説明します。●信用金庫
信用金庫は、地域密着型の非営利の協同組織として運営されています。取引(口座開設など)先は、地域に住む人々や事業者です。これらの人々、事業者が会員となり、お互いの繁栄を目指す相互扶助が目的です。とはいえ、預金については、誰でも利用できます。しかし、融資は原則として会員が対象となります。なお、会員になる事業者の規模は、従業員300人以下または資本金9億円以下という制限があります。根拠となるのは「信用金庫法」です。
●信用組合
信用組合も、信用金庫と同じく非営利の協同組織で、組合員の相互扶助を目的としています。ただし、信用金庫よりさらに小規模な地域やコミュニティーを対象にしている点が特徴です。融資や預金は原則として組合員に限定されています。なお、会員になる事業者は、従業員300人以下または資本金3億円以下の事業者(卸売業は100人または1億円、小売業は50人または5000万円、サービス業は100人または5000万円)です。根拠となるのは「中小企業等協同組合法」「協同組合による金融事業に関する法律(協金法)」です。
信用金庫と同じく、地域やコミュニティーとの関わりの深い運営が行われています。より小規模事業者や個人にとって利用しやすい金融機関といえます。
●銀行
銀行は、株式会社として運営されている営利組織のため、株主の利益が優先されます。根拠となる「銀行法」に基づいて運営が行われています。
取引(口座開設など)先は、個人、中小企業、大企業など幅広い顧客を対象にしています。また、エリアにおいても日本国内だけでなく、海外でも取引が可能です。
信用金庫・信用組合を上手に活用するには?
信用金庫や信用組合は、主に地域を発展させるため、地域の人々同士をつなぐことを目的としています。実際に活用するとすれば、どんな場合が適しているのでしょうか。以下に活用方法をご紹介します。●信用金庫・信用組合の上手な使い方1:地域密着の金融サービスを活用
信用金庫や信用組合は、地域経済を支えることを目的としているため、地元の事業者や個人に対する融資制度が充実しています。地元で起業を考えている方などにとって心強い味方です。
●信用金庫・信用組合の上手な使い方2:生活密着型のサービスを利用
信用金庫や信用組合は、地域住民に寄り添ったサービスを提供しています。住宅ローンや教育ローンの相談にも親身に対応してもらえる場合が多いです。
まとめ
信用金庫や信用組合、銀行はそれぞれ異なる目的や特徴を持つ金融機関です。地域密着型の信用金庫や信用組合は、地元の生活や事業をサポートする場面で大いに役立ちます。一方、銀行は全国規模の利便性を活用するのに適しています。それぞれの特徴を理解し、自分のニーズに合った使い分けをしましょう。参照:一般社団法人全国信用金庫協会