NISAの積立、リスクとは?
「NISAの積立は比較的安心だと言われているが絶対にどこかにリスクはあるもの。リスクヘッジの方法を知りたい」(50代)
筆者の周りにいる資産家の知人は、抜け目のない人ばかりです。資産運用は用心深い人ほど成功すると思いますので、その点、落とし穴がないか警戒している質問者様はさすがですね。
2024年から始まった新しいNISA。開始から1年が経ち、良い点も悪い点もだんだん見えてきました。そこで本記事では、NISAでの積立の、今見えている落とし穴について筆者の見解をまとめていきます。
NISA積立、3つの落とし穴
NISAの積立について、筆者が気づいた落とし穴は以下の3つでした。1. 投信選びに失敗する
2. 出口で失敗する
3. バブルに無防備
第1に考えられる落とし穴は、投信選びに失敗することです。
NISA積立で投資対象となる投資信託は、えりすぐりの安全性の高い(詐欺のリスクが低く、運用者が信頼できる)ものばかりです。
とはいえ、アクティブ投信などは手数料が高いのが一般的ですから、「高い手数料を払った割に、大した運用利回りにならない」リスクがある点には注意が必要です。
投資信託のパフォーマンスは、「手数料が低いものほど良好」な傾向があります。手数料の低いインデックス投信を選ぶのが無難だと思います。
第2に考えられる落とし穴は、出口で失敗することです。
NISA積立は入り口がしっかり守られていて、選べる投資信託が信頼できるものが多いうえ、積立投資で時間を分散して投資することで大きな投資判断ミスを予防できると期待できます。
一方、出口に関してはそれほど守られているわけではないため、「売り時がわからずに失敗する」という人が続出するのではないかと心配しています。
筆者がNISA積立で「無難な出口」を目指すとしたら、入口で「時間を分散して買う」ように、出口でも「時間を分散して売る」ことを考えます。
一気に売ると、タイミングを間違えた時に損してしまうので、それを予防するのが目的です。
「銘柄を分散する」「時間を分散する」というのはミスを防ぐのに良い方法ですから、売却する時にも同じようにすると良いと思います。
第3に考えられる落とし穴は、バブルに無防備な点です。
1990年に崩壊した日本株バブルをはじめとして、割高な投資商品に投資をすると痛い目に遭います。
投資家が得るリターンは、必然的に投資対象が稼ぐ利益を下回ります。配当などを受け取るには税金がかかるからです。投資先が稼ぐ利益を株価で割ったものを「益回り」と言いますが、益回りが低い投資対象はバブル水準であるリスクが高まりますから、注意すべきでしょう。
筆者は米国株などはバブルではないかと警戒しているのですが、手数料が高い投資信託の運用成績が振るわないのと同じように、この理屈はバブル水準まで割高になった投資信託に投資をしても同じということです。
ですから、積み立てる投資対象は、バブル水準のものは避けて、なるべく割安なものや適正水準のものを選ぶようにするのが良いでしょう。
まとめ
以上をまとめると、NISAでの積み立てには、1. 投信選びに失敗する
2. 出口で失敗する
3. バブルに無防備
という3つの落とし穴があると筆者は考えます。
NISAの積立の制度は、銘柄とタイミングを幅広く分散することで、大きなミスが起きにくいように設計されています。
とはいえ、万能というわけでもありませんから、手数料が高かったり、割高な投信を避け、出口でも分散を心がけて、大きな判断ミスをしないようにしたいものです。