4人家族の生活費の平均はいくら?
この記事では、4人家族の平均的な生活費と理想的な家計バランスについて、シミュレーションを交えて詳しく解説します。さらに、生活費を節約するためのポイントや、節約を長続きさせるコツも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
<目次>
4人家族の生活費の平均は、約31万5000円
総務省が公開する「家計調査 家計収支編(令和5年)」によると、4人家族(※1)の1カ月当たりの消費支出(生活費)は約31万5000円でした。このうち、「食料費」には外食費、「交通・通信費」には自動車等維持費が含まれます。また、「保健医療費」は、医薬品や保健医療サービスなどにかかる費用のことで、医療保険や生命保険などはこれに含みません。
この調査は勤め先収入(※2)が約64万円、税金や社会保険料が合計約13万円となっており、残りの約51万円が手取り収入として考えられ、収入としては比較的高いと考えられます。
生活費は子どもの年齢やライフスタイル、住んでいる地域によって異なるので、これが正解ということではありません。ここで紹介した数値はあくまで目安として、ご自身の生活費と照らし合わせてみてください。
※1 世帯人員4人かつ世帯主が60歳未満の勤労者世帯
※2 世帯主と世帯主の配偶者の収入を含めたもの
手取り月収別・4人家族の生活費シミュレーション
では、4人家族の1カ月当たりの生活費はどれくらいを目安に考えればいいのでしょうか。ここからは、手取り月収30万円、40万円、50万円の場合の4人家族の生活費をシミュレーションしていきます。このシミュレーションは前出の「消費支出」と、一般的に「目安とされる家計の割合」を参考に試算したものです。前出の項目とは内訳が少々異なりますが、住居費と貯金の目安も加えて家計バランスを整理したので、ぜひ参考にしてみてください。 このうち住居費は、「賃貸」か「持ち家」で大きく異なるでしょう。ここでは、部屋探しの際などで一般的に推奨されている家賃=収入の20~30%を当てはめて算出しています。家計調査では、実支出以外の支出(※)として「住宅ローン(土地家屋借金返済)」が、1カ月当たり5万4602円とされていますので、合わせて参考にしてみてください。
また、季節によって水道光熱費は変動するほか、4人家族で子どもが成長期の場合は、子どもの成長に合わせてお金をかけるべきポイントが変わってくるでしょう。あくまで、こういった参考値をベースに各家庭で調整していくことが大切です。
※貯金や投資、借金返済など
子どもの年齢別に必要なお金と節約ポイント!
ここからは子どもの年齢別に、どういったお金が必要になるかと、そのタイミングで生活費を工夫するポイントを解説していきます。◾️未就学児のいる家庭
子育て初期は、保育料や医療費、衣料品などの費用がかさみます。特に保育園・幼稚園にかかるお金が家計を圧迫する時期です。
一方で、育児休業や時短勤務など収入が少なくなる家庭も多いでしょう。この時期は、児童手当のほか医療費助成を上手に活用するのがポイントです。0歳から3歳未満は1人当たり月1万5000円、3歳以上は1万円(第3子以降は3万円)の児童手当が支給されます。また、医療費の助成制度も多くの自治体で設けられているのでチェックしてみましょう。
◾️小学生のいる家庭
小学生になると、子どもの給食費や教材費、行事費などのお金が必要となってきます。さらに、子どもの成長とともに食費も増えていくでしょう。食費を抑えるには「食材のまとめ買い」などの工夫が必要不可欠です。
なお、3歳から高校生までの子どもは、児童手当として月額1万円(第1子・2子の場合)が支給されるので、それらをうまく活用するのがポイントです。
◾️中学生のいる家庭
子どもが中学生になると、塾代や教材費などがさらに増加します。部活動が始まることで、道具(用具)代や交通費といった出費も発生するかもしれません。子どもに手がかからなくなったことで、職場復帰やパート勤務を始める人も多いでしょう。この時期には、高校進学を見据えた貯金も意識していきたいところです。
児童手当が引き続き支給されるほか、各自治体の奨学金や就学援助制度が利用できる場合もあるのでチェックしてみましょう。
◾️高校生のいる家庭
子どもが高校生になると、教育費がピークを迎えます。授業料や教材費、行事費に加え、大学受験に向けたお金の準備も必要になります。公立と私立で必要となるお金の差も大きく、家庭の状況に合わせた工夫が必要となってきます。給食がなくなるほか、子どもの食費もさらに増えるため、手作り弁当や自炊を増やすなどで食費を節約したいところです。
公的な奨学金や教育ローンなど利用可能な支援制度を早めに検討していきましょう。
◾️大学生のいる家庭
大学生になると入学金に加え、授業料が発生します。子どもが一人暮らしを始める場合は、家賃や生活費などの仕送りが必要になるでしょう。同居する場合も、大人と同じ食費や生活費がかかるようになります。生活費は子どものアルバイト収入などで補うことも一つの手段ですが、学業とバランスをとることが大切です。
貯蓄だけでは足りない場合、奨学金の利用も視野に入れてみましょう。返済不要の給付型奨学金や、低金利の貸与型奨学金など、さまざまな選択肢があります。
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4人家族が生活費を節約するにはどうすればいい?
4人家族が生活費を節約する方法
◾️食費
4人家族の食費を抑えるには、「食材のまとめ買い」と「献立の計画」が効果的です。一週間のメニューを決めて、買い物リストを作成しておくと無駄遣いをせず、計画的に食材も使い切れるでしょう。また、特売日にまとめ買いをして冷凍保存するのもおすすめです。作り置きや自炊を増やし、外食を減らすことができれば大きな節約につながります。
◾️光熱費
光熱費を抑えるときは、まず料金プランをチェックして自分たちに適しているか見直してみましょう。その上で、LED電球の利用やこまめな消灯など、基本的な節電を家族全員で心掛けることが大切です。特に季節ごとの工夫も欠かせません。エアコンの設定温度は適切に調整し、夏は遮熱カーテンや扇風機の併用、冬は断熱シートや加湿器で暖房効率を高めましょう。
◾️教育費
節約することの難しい教育費ですが、塾や習い事も選び方を工夫することで節約が可能です。子どもが未就学児や小学生であれば、地域の図書館や公民館を活用すると、子どもの交友関係や学びの場が広がるでしょう。最近では無料の学習アプリやオンライン教材も豊富にあるので、それらを活用することで学習環境を整えられます。
高校や大学への進学にあたっては、公的な奨学金や教育ローンの活用も視野に入れ、計画的に負担を減らせるよう準備しましょう。
◾️娯楽費
娯楽費は、生活に必須ではないからといって完全になくすのではなく、日々の生活を楽しむために賢く抑えるのがポイントです。日常の楽しみは家庭で工夫し、ゲームや映画鑑賞、ホームパーティーなどを取り入れるなど、コストを抑えながら満足度を高められる工夫をしてみましょう。外出する場合、旅行やレジャーは割引やクーポンを活用するなどしっかりと節約することが大切です。
◾️保険料
保険料の見直しは、大きな節約につながります。家族全員の保険内容を確認し、過剰な保障や重複している特約がないかをチェックして不要なものは解約します。インターネット専用の保険は保険料が割安なため、検討すると節約に役立つはずです。同等の保障内容で費用を抑えられる商品があれば、乗り換えも検討するとよいでしょう。
なお、前出の家計調査では実支出以外の支出として保険料が1カ月当たり2万6472円とされています。子どものいる家庭では、万が一に備えて保険の準備が欠かせません。一方で、どういった保険に入ればいいのかよくわからないと言う人も多いでしょう。
保険の見直しには専門知識が必要な場合もあるため、ファイナンシャル・プランナーに相談するのも一つの方法です。
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4人家族の節約を長続きさせる3つのコツ
4人家族で生活費を節約するには、一時的に何かを取り組むのではなく、長続きさせるための心持ちや行動が大切です。ここでは、節約を長続きさせるための3つのコツを紹介します。(1)夫婦間で目標を共有する
家計管理は、夫婦で協力することが大切です。まずは話し合いの時間を作り、なぜ節約が必要なのか、何のために貯金が必要なのかなど認識を合わせるところから始めましょう。
例えば、「来年の夏に家族で旅行に行く」という目標を設定すると楽しみが増え、節約も続けやすくなります。家族全員で同じ目標に向かって取り組むことで、効果的な家計の見直しが期待できますよ。
(2)無理のない範囲で節約をする
無理な節約をしてストレスがたまり、続けられなくなってしまっては本末転倒です。節約は、小さな工夫を積み重ねることが大切です。例えば、毎日外食している場合、まずは週2回までに減らすなど段階的に変えていくのもいいでしょう。
また、節約と楽しみのバランスをとることも重要です。公園でのピクニックや自宅での週末パーティーなど、お金のかからない新しい楽しみ方を見つけられるとよいでしょう。家族で定期的に話し合い、無理のない範囲で続けられる方法を見つけることで、節約を長く楽しく続けることができます。
(3)子どもの教育費は優先的に確保する
子どものいる家庭で家計の見直しをするときは、教育費を優先的に確保することが大切です。先述した通り、子どもにどのような教育を受けてほしいか両親がしっかりと話し合い、計画的な貯蓄をする必要があります。
学資保険や教育ローンの利用を検討しつつ、公立学校の選択や奨学金を活用するなど、費用を抑えられないかも考えていきましょう。他の支出を見直す場合も、子どもの成長に必要な費用は慎重に判断しましょう。
4人家族の生活費を見直して、安心できる未来を実現しよう!
生活費を見直すことは、心の余裕を生み出す大切な一歩でもあります。一方で、自分たちと同じ4人家族はどのようにやりくりしているのか、子どもにどれくらいのお金をかければいいのか分からず余裕がなくなってしまうという人も多いでしょう。生活費は家庭によってさまざまですが、まずはきちんと夫婦で話し合うことが大切です。家族全員で、節約のための小さな工夫を心掛けながら生活スタイルを見直すことで、より安心できる将来を目指すことができますよ。
経験豊富なファイナンシャル・プランナーに相談をするのもおすすめ
「All About家計相談所」では、経験豊富なファイナンシャル・プランナーにお金に関する不安や悩みを無料で相談できます。一人ひとりの状況に合わせた専門的なアドバイスが受けられます。将来的なお金の不安や悩みを抱えている方、効率的な資産設計について相談したい方はぜひご利用ください。専門家の力を借りて、より安心できるマネープランを実現しましょう。 (出典)
家計調査 家計収支編(令和5年)