Q:1966年生まれの男性です。未払いの国民年金保険料は支払いができるのでしょうか? 可能なら、いくららぐらい支払えばよいのでしょうか?
「1966年生まれの男性です。20~30歳まで芸能の世界にいたので、年金を払ってません。31歳から会社員になり、厚生年金を払ってます。離婚(20年の婚姻生活)し、相手方が年金を請求したので(拒否権なし)、支払う義務あり。年金が年間30万円弱減ります。嘆いてもしょうがないので、増やす方法を考えました。年金を増やすため、65歳まで会社員として働き、厚生年金を支払う、ということです。疑問があって、未払いの国民年金保険料は支払いができるのでしょうか? 可能なら、いくららぐらい支払えばよいのでしょうか?」(ハモニカさん)未払いの国民年金保険料を支払いたい……
A:国民年金の未払分を納付することはできませんが、これから60歳以降も厚生年金に加入して保険料を支払えば、厚生年金から老齢基礎年金相当の経過的加算が受け取れるので、年金額を増やすことができます
日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人は、国民年金に加入して保険料を納付する必要があります。国民年金保険料の納付済期間が480カ月(40年)に満たない場合は、老齢基礎年金を満額(81万6000円/令和6年度)受け取ることはできません。
国民年金保険料の未納期間がある人は、老齢基礎年金受給額を増額させて満額に近づけるために、60歳から65歳になるまで、任意加入制度を利用して国民年金保険料を支払うことができます。国民年金に任意加入すると月額1万6980円(令和6年度)の年金保険料を支払うこととなります。
しかし、相談者が60歳以降も厚生年金に加入して働く場合は、任意加入制度を利用することはできません。厚生年金に加入しない働き方であれば、任意加入制度を利用できます。
もし厚生年金に加入して働く場合は、任意加入制度を利用できず、老齢基礎年金は満額になりません。ただし国民年金保険料の納付済期間が480カ月(40年)に満たない場合、60歳以降、厚生年金に加入して厚生年金保険料を支払うことで、厚生年金から経過的加算(老齢基礎年金相当・定額部分)が受け取れます。令和6年度の経過的加算(定額部分)は昭和31年4月2日以後生まれの場合、厚生年金に加入するひと月あたり1701円(年間)です。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)