Q:夫が65歳になったときに振替加算を受け取れるらしいですが、妻が厚生年金に加入しても振替加算はもらえますか?
「今年、夫61歳(現職会社役員/厚生年金加入者/額面給与年780万円)、妻65歳(昭和34年6月生まれ/夫の会社の従業員/現在の額面給与年129万円)。私は、今年から年金を受給します。年金を増やしたいとのことで、夫の社会保険の扶養を外れ、今年から70歳まで勤務時間延長、給与増で、自分で厚生年金保険料を払うつもりです。私の年金は、基礎年金79万9000円、老齢厚生年金は年額約20万円です。夫が65歳になったときに振替加算(約2万8000円)を受け取れるらしいですが、私が厚生年金に加入しても、振替加算はもらえますか?(私は、以前厚生年金に144カ月加入していました)」(京のこけしさん)振替加算は妻が厚生年金に加入していてももらえる?
A:妻が厚生年金に加入して働き続けても、夫が65歳になったときに振替加算をもらえます
そもそも「振替加算」とは、老齢基礎年金の制度であり、以下の4つの支給要件があり、すべて満たす人が対象となります。●振替加算をもらえる人の条件
【1】大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた
【2】老齢基礎年金を受給できるようになった時に、配偶者が加給年金を受給していた
【3】厚生年金保険および共済組合等の加入期間が240カ月未満である
【4】振替加算される時に、加給年金をもらっている配偶者と同居しており、生計を維持されている(自分の年収は850万円未満)
例えば、夫が年上で、加給年金を受け取っている場合、妻が65歳になると、夫の加給年金は支給停止となり、妻の老齢基礎年金の額に自動的に加算(振替加算)されます。
ところが、相談者のように、妻(厚生年金の加入期間が20年未満)が年上の場合、加給年金はもらえません。年下の夫が65歳になったとき(厚生年金の加入期間が20年以上になったとき)に、妻の老齢基礎年金に振替加算がつくことになります。
相談者のように、妻が、厚生年金に加入して働き続けても、夫が65歳になったときに妻は振替加算をもらえます。
基本的には、妻が振替加算を受けるために、請求手続きは必要ありませんが、相談者のように、妻が65歳になった後に、夫が65歳になり、厚生年金の加入期間が20年を満たす老齢年金を受け取れるようになった場合等には、振替加算を受け取るために、「国民年金 老齢基礎年金額加算開始事由該当届」に下記の書類を添えて、最寄りの年金事務所または街角の年金相談センターに提出が必要になります。
1:受給権者の戸籍抄本または戸籍謄本(記載事項証明書)
2:世帯全員の住民票の写し(続柄・筆頭者が記載されているもの)
3:受給権者の所得証明書、非課税証明書のうち、いずれかひとつ(加算開始日からみて直近のもの)
※添付書類は原本が必要です。
※1、2の添付書類は、加算開始日より後に発行されたもので、かつ提出日の6カ月以内のもの。
※2、3の添付書類は、該当届に個人番号(マイナンバー)を記入した場合は、添付を省略できます。
詳細は年金事務所等に確認してみましょう。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)