Q:現在71歳の女性です。特別支給の老齢厚生年金は受け取れないでしょうか?
「1953年9月生まれの71歳の女性。この生年月日では特別支給の老齢厚生年金を受け取ることはできませんか? 時間がたつと時効になってしまうのでしょうか?」(Kさん)現在71歳。特別支給の老齢厚生年金は受給できる? 年金の時効になってしまう?
A:1953年(昭和28年)9月生まれの女性であれば、要件を満たせば60歳から特別支給の老齢厚生年金が受け取れますが、時効が成立している場合は受け取れません
老齢厚生年金は、原則65歳から受け取れますが、次の要件を満たしている人は、65歳になる前に「特別支給の老齢厚生年金」を受け取ることができます。- 男性の場合、昭和36年4月1日以前生まれの人
- 女性の場合、昭和41年4月1日以前生まれの人
- 老齢基礎年金の受給資格期間(10年)を満たしている人
- 厚生年金保険等に1年以上加入していた人
- 生年月日に応じた受給開始年齢に達している人
特別支給の老齢厚生年金は、生年月日によって受給開始年齢が設定されています。さらに男性と女性で受給開始年齢が違いますので注意してください。 相談者は1953年(昭和28年)9月生まれの女性とのことですので、要件を満たしていれば、60歳から特別支給の老齢厚生年金が受け取れます。
もし特別支給の老齢厚生年金の要件を満たしている場合、すでに老齢年金を受け取っているのであれば、65歳からの老齢年金の請求をした時に、受け取っていない年金(特別支給の老齢厚生年金)を一括でもらっている可能性もあります。詳細については、年金事務所などに連絡をして確認をしてみましょう。
年金の受け取りには時効があります。年金を受け取れる権利が発生してから、5年が経過したときは、時効によって年金を受け取れる権利が消滅してしまいます。もし65歳で老齢年金を請求していない場合、特別支給の老齢厚生年金が受け取れる期間から、すでに5年が経過しており、時効が成立して受け取れない可能性があります。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)