食生活・栄養知識

Q. 「ラクトアイスは本物のアイスではなく、体に悪い」って本当?

【管理栄養士が解説】アイスクリームを購入するときパッケージに書かれたラクトアイスの文字を見て、これはアイスクリームではない、体に悪いと思う人もいるようですが、ラクトアイスもアイスクリームの仲間であり、一般的な量を食べる分には体に悪影響はありません。

平井 千里

平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養 ガイド

小田原短期大学食物栄養学科 教授。女子栄養大学栄養科学研究所客員研究員。女子栄養大学大学院 博士課程修了。名古屋女子大学 助手、一宮女子短期大学 専任講師を経て大学院へ進学。肥満と栄養摂取の関連について研究。前職は病院栄養科責任者(栄養相談も実施)。現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養情報を発信。

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Q. 「ラクトアイスは本物のアイスではなく、体に悪い」って本当ですか?

バニラ味のアイス

ラクトアイスもアイスクリーム類の仲間です。濃厚でおいしいアイスクリームとあっさり味のラクトアイス。どちらを選んでも一般的な量であれば体に悪影響はありません。

Q. 「『ラクトアイスは本当のアイスではないから、体に悪い』『ラクトアイスは食べてはいけない』と聞いたことがあります。本当でしょうか? 健康にいいアイスクリームの選び方があれば、教えてください」
 

A. 一般的な量を食べる程度であれば問題ありません。好きな味のものをどうぞ

買ってきた「アイスクリーム」を食べようと、何気なくパッケージを見ると、「ラクトアイス」と書かれていることがあります。そもそもアイスクリームとラクトアイスは違うものなのでしょうか?

まずは「アイスクリーム類の定義」をみてみましょう。実はアイスクリーム類は、乳固形分や乳脂肪分の違いによって「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」の3種類に分類されています。
アイスクリーム類の分類

法律上のアイスクリーム類は、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスの3種類に分類される

ラクトアイスは乳固形分や乳脂肪分が少ないのですが、クリーミーでおいしい味わいのものもありますね。その理由は「植物性油脂」を使用していることがあるからです。

おそらく、「ラクトアイスは植物性油脂を使用しているから、トランス脂肪酸が含まれているのだろう。体に悪そうだ」と考える人がいるのではないかと思います。しかし、一言で植物性油脂といっても、さまざまな種類があり、なかには体に必要な脂肪酸を多く含むものもあります。また、トランス脂肪酸自体は天然の乳製品にも存在していますので、実は植物性油脂を使わないアイスクリームにも含まれています。
 
そう考えると、アイスクリームやラクトアイスを選ぶ際に、植物性油脂のトランス脂肪酸だけを気にしても、結局のところ、大きな違いはないといえます。いずれにしても、一般的な量を食べる程度であれば問題ありません。

日本のアイスクリーム類は、食品衛生法にもとづく「乳及び乳製品の成分規格に関する省令」と「食品、添加物等の規格基準」という法律で厳密に管理された商品だけが販売されています。濃厚でクリーミーな味のアイスクリーム、濃厚さを抑えてさっぱりした乳製品の味が魅力のアイスミルク、さっぱりあっさりした甘さが魅力のラクトアイス、いずれの製品にもそれぞれのおいしさがあります。その時の気分や好みに合わせて、おいしく楽しんで大丈夫です。
 
■参考
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