たこ焼き、箱すし、てっちりまで! 大阪グルメを堪能する!
くいだおれのまち・大阪。数々の食文化を産み出してきた大阪は、まさに「日本最大の食都」です。大阪に来たなら必食のグルメ16選をご紹介しましょう。
ひとくち餃子:天平
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ひとくち餃子の天平。いまや日本全国どこの繁華街にいっても餃子専門店というのは定番ですが、そのブームのきっかけとなった名店です |
大阪キタの歓楽街・北新地。その北新地の名物料理といえばひとくち餃子で、その発祥の店が天平です。小振りなひとくちサイズで、北新地のホステスたちが「口紅を落とさずに餃子を食べられる」と、クチコミ効果で人気になりました。いまや日本全国どこの歓楽街にもひとくち餃子のお店がありますが、そのブームの先駆けです。メニューはひとくち餃子、漬け物、ビールのみ。要するにひとくち餃子一点張りの店で、並々ならぬ自信と良心が感じられます。(北新地本店:地下鉄「東梅田駅」から徒歩約5分)
天保12年(1841年)創業。大阪名物の「箱すし」の老舗です。箱すしは穴子、海老、厚焼き玉子、キクラゲなどを寿司飯とともに木枠の押し型に敷き詰めるもので、見た目の美しさから「二寸六分の懐石」「寿司の芸術品」などといわれます。にぎり寿司に比べると、手間暇がかかりますが、洗練された伝統美が感じられます。船場の旦那衆が愛した郷土料理をぜひ。(地下鉄「淀屋橋駅」から徒歩約5分)
堺で約200余年続いた料亭「耳卯楼」が、1923年(大正14)に麺類専門店「美々卯」となって、その創業者・薩摩平太郎氏が考案したのが
うどんすき。うどんという大阪料理のスタンダードをベースにしながら、そこに山海の幸をふんだんに盛り込む、という豪勢な寄せ鍋料理で、あの食通の文豪・谷崎潤一郎も愛好したといいます。大阪に来たなら一度は食べて欲しい「うどんの王様」です。(本店:地下鉄「本町駅」から徒歩約7分)
弘化元年(1844年)創業で「日本最古のおでん屋」といわれています。創業当時から、鰹だしに「さえずり」(ひげ鯨の舌)などの具材をいれて毎日、出汁を継ぎ足しながら使い続けているとか。名物「たこ甘露煮」には織田作之助、開高健、池波正太郎といった文豪も舌鼓を打ちました。四季折々の旬の食材を使ったおでんは絶品です。(本店:地下鉄「日本橋駅」から徒歩約3分)
「当たると死ぬ」ことから大阪人はふぐのことを「てっぽう」(鉄砲)と粋なネーミングをつけて、てっぽうの刺身だから「てっさ」、てっぽうのちり鍋だから「てっちり」と呼んで愛好しています。づぼらやは大阪人が愛してやまないふぐ料理を、比較的、リーズナブルな価格で食べられる店として定評があります。ちなみに日本で一番、ふぐを消費する都市は大阪で、日本のふぐ消費量の約6割を大阪が占めています。驚異的な数字ですが「美味しいものを食べるためなら命も惜しくない!」という大阪人のあっぱれな食道楽の証明でしょう。(新世界本店:地下鉄「恵美須町」から徒歩約5分)
創業は1910年(明治43)ですが、1952年(昭和27)に店主の三宅忠一氏が薄切り肉をだし汁で加熱して食べるという「しゃぶしゃぶ」を考案。これが大ヒットして、いまや大阪はおろか日本を代表する高級肉料理として世界的にも有名です。とくにスエヒロのしゃぶしゃぶは秘伝の胡麻ダレが有名で、大阪土産にもオススメですよ!(JR「北新地駅」から徒歩約3分)
1928年(昭和2)創業。明治生まれの田頭すゑさんが大正時代に中国に旅行へ出かけて、そこで見た郷土料理をヒントに「紙なべ」を考案したと言われています。鍋料理の天敵は灰汁(あく)ですが、それを紙が吸い取るので味がすっきりして、食材の旨味が最後まで生かされます。ただ奇をてらって鍋を紙にしたのですではなく、ちゃんとした目的をもって編み出された、画期的な鍋料理というわけです。より美味しいグルメを追求する大阪人の面目躍如ですが、司馬遼太郎氏も「これぞ上方の味!」と絶賛したとか。文豪を唸らせた名物鍋料理として要チェックです。(JR「北新地駅」から徒歩約2分)
きつねうどん発祥のお店です。食物の神さま・お稲荷さんが油揚げを好むことと、初代の宇佐美要太郎氏が寿司屋に奉公していたことで、うどんにいなり寿司を合体させて生まれた……と言われています。またきつねうどんと並ぶ名物メニューが「おじやうどん」。うどんと雑炊(おじや)が同じ鉄鍋に入っているというもので、安くて、美味しいと船場の奉公人のあいだで人気となりました。お好み焼き定食(お好み焼き+ご飯)もそうですが、炭水化物+炭水化物の組み合わせは、おなかが膨れることと、消化に良くて、すぐにエネルギーに変化するので、実質主義の大阪人には好まれます。(地下鉄「心斎橋駅」から徒歩約5分)
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会津屋の元祖たこ焼き。ソースもマヨネーズも何もなく、出汁(だし)の美味さのみで勝負します。はじめて見たときは驚きますが、本来の大阪グルメはこうした上品な「だしの食文化」です |
大阪名物といえばたこ焼き。そのたこ焼きは1933年(昭和8)に会津屋の初代・遠藤留吉氏の「ラヂオ焼」から始まりました。ソースやマヨネーズ、鰹節や青のりをかけない、出汁の旨味だけで勝負するという元祖・会津屋のたこ焼きは平成の現代にも受け継がれています。大阪に来たなら一度は味わってほしい歴史的な名店です。(地下鉄「玉出駅」から徒歩約2分)
創業は明治43年(1910年)。大阪初の西洋料理店と言われていますが、何より有名なのが無頼派の作家・織田作之助が愛して小説「夫婦善哉」にも登場した「名物カレー」。カレーとライスが最初から混ざっているという混ぜカレーで、中心部には卵がのっていますが、テーブルに備え付けの甘辛ソースをかけながら食べるのが通! 店内に飾られた「トラは死んで皮をのこす 織田作死んでカレーライスをのこす」の名文句にうなってください。(難波本店:地下鉄「なんば駅」から徒歩約5分)
大正11年(1922年)に創業。「オムライス発祥のお店」で、大阪では知らぬ者がいないほどに有名です。オムライスの発祥というと関東では東京銀座の煉瓦亭が有名ですが、煉瓦亭のオムライスはご飯と卵をミックスした洋風チャーハンというべきもので、現代のオムライスにつながるケチャップライスを卵で包むというスタイルは、北極星が考案したものです。上品で味わい深い老舗のオムライスの味をぜひ味わってみてください。(地下鉄「なんば駅」から徒歩約5分)
大阪名物お土産ランキングでは、必ず上位にランクインするのが551蓬莱の豚まん。肉まんや中華まんではなくて「豚まん」というのが大阪のスタンダードですのでお間違えなく。
戎橋筋商店街に本店がありますが、同じ商店街内に
蓬莱本館(地下鉄「なんば駅」から徒歩約4分)という店舗もあります。もともとは同じ会社で、現在は別会社ですが、こちらの豚まんも絶品ですので、ぜひとも食べ比べてみて下さい。(本店:地下鉄「なんば駅」から徒歩約4分)
1958年、大阪府布施市(現・東大阪市)の近鉄布施駅に「元禄寿司」という寿司屋がオープンしました。じつはこれが日本ではじめての回転寿司屋で、当時、大阪で立ち喰い寿司店の経営をしていた白石義明氏が、ビール製造工場のベルトコンベアをヒントに考案したものです。いまでは日本全国で4000店舗以上、年間売上5000億円を超える外食産業にまで成長して「RUNNING SUSHI」というネーミングで海外でも大人気です。よくぞこんなものを思いついたな……と感心しますが、大阪人の常識に縛られないユニークな発想が生きています。その原点の味をぜひ。(本店:近鉄「布施駅」から徒歩約3分)
1929年、新世界で開業。いまでは新世界はおろか大阪名物となった串カツの老舗です。2000年に、当時の店主が病気になって倒れて閉店危機に陥りましたが、常連客の元ボクサーの赤井英和さんが復興に尽力。現在は新世界はおろか、道頓堀、法善寺にも出店するなど大いに隆盛しています。串カツブームの火付け役として押さえておきたい名店ですが、もちろん「ソースは二度付け禁止」ですので要注意!(新世界総本店:地下鉄「恵美須町」から徒歩約5分)
1946年に、道頓堀で創業した大阪お好み焼きの老舗。それがぼてぢゅうです。コテで「ぼてっ」とひっくり返して「ぢゅう」っと鉄板で焼く。大阪人らしいシンプルなネーミングですが、「じゅう」ではなく「ぢゅう」という擬音語にこだわりを感じます。お好み焼きにソースとマヨネーズをかけて食べるというスタイルを初めて考案した店でもあります。(総本店:地下鉄「なんば駅」から徒歩約5分)
昭和40年頃に「ねぎ焼き(ねぎたっぷりのお好み焼き)発祥店」として生まれたのがやまもとです。オススメは牛スジ肉とこんにゃくが入ってレモンを絞るスジねぎ焼きで、ネギのしゃっきり感とレモンのさっぱり感が絶妙な逸品ですが「いついっても行列ができている」という人気店です。お好み焼きの進化系としてオススメです。(本店:阪急「十三駅」から徒歩約2分)