Q:退職後は、すぐに老齢厚生年金を全額受給ができるのでしょうか?
「もうすぐ、65歳になるので、年金を受け取る手続きをする予定です。現在、就業中のため、在職老齢年金制度で老齢厚生年金が一部支払い停止になることは理解していますが、4カ月後くらいに退職を考えています。退職後は、すぐに老齢厚生年金を全額受給ができるのでしょうか?」(はなはなさん)会社を退職すれば、すぐに老齢厚生年金を全額受給できるの?
A:退職した翌月の分から老齢厚生年金はもらえますが、実際に老齢厚生年金が振り込まれるのは2~3カ月後になります
60歳以上で厚生年金に加入して働く場合、受け取っている老齢厚生年金(報酬比例部分)の月額と、総報酬月額相当額(おおよその給与収入+年間賞与の1/12)の合計が、支給停止の基準額(50万円/令和6年度)を超えると、老齢厚生年金が一部もしくは全額支給停止されます。これを在職老齢年金制度といいます。在職老齢年金を受けていた人が退職すると、退職した翌月分の年金額から見直しされます。これを「退職改定」といいます。
退職改定によって、在職老齢年金による年金額の一部または全部支給停止がなくなり、全額支給されます。さらに年金額に反映されていない退職までの厚生年金に加入していた期間を追加して、年金額の再計算が行われます。
会社を退職して在職老齢年金制度の対象となる給与収入が全くなくなった翌月分から、老齢厚生年金は全額支給されますが、年金の振り込みは偶数月になります。退職時期などにもよりますが、2~3カ月後には改定された年金額で振り込まれることになります。
例えば、10月末で退職する場合ですと、11月分から全額支給対象になりますが、実際に老齢厚生年金が振り込みされるのは、2~3カ月後になります。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)